2022年12月30日金曜日

No.97_今年も一年、ありがとうございました


昨日(12/29)は本年最終の営業日でした。最終週は12/26、27の月火も店を開けましたので、9日連続の営業日を経ての締めとなりました。この一年、本当に多くのお客さまに支えられ無事終えることが出来ました。心より感謝申し上げます。

昨年(2021年)は開店の年でしたので、とにかく日々必死に業務に当たり、挑戦、気付き、改善、拡充と言った心持ちで、店の骨格を形作ってきた1年でしたが、今年(2022年)はほぼ形が整ったところからスタートし、お客さまとの対話を通して、さらに少しずつ、少しずつ【色々なこと】を磨いて来られた1年になったかなと思っています。

【色々なこと】...本当に色々なことなんです。言い換えると【全て】とも言えます。

コーヒー豆の味一つとっても、もちろん僕、店主が一番美味しいと思う豆づくりをしてご提供すること、そしてその美味しさにはこれでいいと言う終わりはなく、どこまでも追求、探求し続けることは当たり前として、それを推し進める原動力となり、向かう方向を示してくれる(ヒントを与えてくれる)全てが、お客さまとの対話から生まれるのです。

【色々なこと】は、店のオペレーション、品揃え、商品配置、表示方法、表示内容、装飾、パンフレット、包材、ご贈答対応等々...本当に色々なこと、全てのことです。

これは店が一方的に『これが最善』と辿り着く訳でも無く、またお客さまにしても『こうしてほしい、これがほしい』と必ずしも具体的に言える事柄でもなかったりします。正に前述の対話の中の小さな要望、感想、課題への取り組みから生まれてくる物だと思うのです。それこそ店側もお客さまも明確には描ききれなかった新たな価値の創造です。

2023年もお客さまと一緒に色々なことを創造して行くのが楽しみです。引き続き、どうぞよろしくお願いします。

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2022年12月20日火曜日

No.96_冬の焙煎


本日の写真は朝日を浴びている開店前のお店です。

これから焙煎を始めるところですが、この時期の朝は店の前の街路樹や電信柱も長く影をひき、そのシルエットを店のファサードに映し出します。そして今日はこの自分まで...苦笑

焙煎は当日焙く釜数にも依りますが、朝7時台から始めることが多いです。

朝、店に着くと照明を点ける他、換気扇を回し、壁の吸気口を開放します。この吸気口はいわゆる換気口ですが、部屋の対角に設置された換気扇を回すと、ここから外気が吸い込まれて店内に入ってきます。また、焙煎中は焙煎機付属のファンで煙突経由強制排気されますので、それに見合った店内空気の供給(流れ)が必要なのです。ですから焙煎は部屋全体の環境も含めて行なっているという考え方です。

この時期、朝の店内気温は10℃前後と冷え切っていますが、実は焙煎中、エアコン(暖房)は点けません。一方で焙煎を複数回行うとガスの火力で焙煎機自体が熱を持ち、店内気温は20℃超えまで上昇します。でもエアコンを点けない理由は、点けなくても焙煎機で店内が暖まるから...ではありません。

それと言うのも焙煎中は部屋全体の環境も重要なファクター(外的要因)と捉えているので、安定した焙煎のためには、その変動(温湿度変化)を最小限に抑えたいのです。(エアコンを点けると1釜目と最終釜の店内の温湿度差はもっと大きくなってしまいます。)

なのでこの時期、焙煎中は通勤で着ているダウンジャケットを纏ったままスタートし、途中それを脱ぐと言った具合です。因みに真夏はエアコンを適正に使用します。適正の意味合いは温度上昇を小幅に抑えることが目的で、涼しい快適環境を作ると言う目的では無いと言う意味です。そのため夏はTシャツ、短パンに補助で扇風機を回すみたいな出立ちで作業しています。(笑)

話を焙煎に戻しますが、焙煎は同じ豆種の直近2回分の焙煎記録表をテーブルに広げてスタートします。焙煎記録表には進行と制御の記録の他、その時の環境(天候、朝の室温、焙煎機に生豆を投入した時刻、室温、湿度等)を記録しています。そしてその日のロットの焙煎を始める環境と照らし合わせて、制御の方針を固めます(方針の微調整をします)。例えば朝の気温が前回より5℃低いとその分保管されている生豆温度も冷え冷えとしているので、焙煎機内へ投入する釜内温度も1℃高く設定しよう...みたいなことです。

因みに生豆は店内で常温保管されているので、夏は温く、冬は冷え冷えとしています。その結果、この豆を投入する釜内温度のタイミングは10℃以上も変える必要があります。この調整は日々の考察を経て、春夏秋冬緩やかに調整されていきます。

ところで焙煎前の生豆は、各豆種1袋(約30kgの麻袋)ずつ店に備えていますが、その他の豆在庫は外部に委託して低温倉庫(1年を通して室温が14℃前後に制御されている)に保管しています。今回は紙面も一杯になったので、また別の機会に豆の調達や保管についても触れてみたいと思います。

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2022年12月13日火曜日

No.95_ディズニーランドの魅力


実は僕...あまり公にはしてきませんでしたが、“ディズニーランド好き”なんです(笑)。なんと、唐突な出だし!(でも、ここで書いちゃうと半ば公になっちゃいますね...苦笑)

家が葛西ということもあり、子供が小さい頃は隣町の舞浜へはよく家族で自転車で出かけ、開園から終園まで楽しみまくっていました。(車で行って駐車場に入れたり出したりしていると結局、自転車の方が早いんです。)

僕にとってディズニーランドの魅力は、なんといっても『非日常なファンタジー体験』、そして“ハッピー”を貰えることですね。もちろんいろいろなライドも好きですが、ショーやパレードが何よりも好きです。いつも『いいなぁ〜、楽しいなぁ〜』ってほんわか眺めています。

2020年は春からコロナ禍が蔓延し、緊急事態宣言下でディズニーランドも一時休園となってしまいましたが、それが限定的に解除された9月にシーへ行ってきました。その時は、ソアリンに乗るのが一番の目的でしたが、そんな状況下でしたのでパレードも無く、何か物足りなさと寂しさを感じたものです。

この間は、久し振りにランドに行ってきましたが、『ベイマックスのハッピーライド』が楽しいですね!!乗った時も楽しかったですが、その周りも含めたあの辺り一体の雰囲気がサイコーにハッピーです!ディズニーランド、シーのライドは閉じた空間(室内)を移動しながら、数々の体験をするタイプのものが多いですが、ここは外から丸見え、変んな話、乗らなくてもどんなアトラクションか見て分かります。だけど、むしろこれがイイんですねぇ!そして流れる曲がみんなハッピー!6曲の異なる曲が順に流れるんですが、それぞれがノリノリでテンションが上がります(実はお店で少々お客さまのご来店が途切れた時、このベイマックスのハッピーライドのアルバムをサブスクの店内音楽に流して元気を盛り上げています、笑)。そしてライドの周りでは若い子たちが手や腕の振りを交えて踊っていて、正にハッピー空間です。

日が暮れるとエレクトリカル・パレード、そして花火も復活し、やっぱこれが無くちゃね〜という楽しさです。ディズニーキャラクターが乗ったフロートも新たにバージョンアップしてワクワクでした。ただ、ほんの少しの欲を言わせて頂けるなら、コロナ禍以前、各フロート間に居た多くのダンサー、パフォーマーの方々が現在ほぼ居ないのは残念でした。こうしてみるとコロナ禍が与えた影響がまだいろいろなところにあるんだなぁと感じてしまいました。ディズニーキャラクターから受けるハッピーはもちろんですが、こうしたキャストの方々の生き生きした笑顔から頂いていたハッピーパワーを改めて思い知りました。一日も早く戻ってきてくれることを願っています。

そして是非、コロナ禍も早く収束、完全終焉を迎え、真に晴れ晴れした日常が戻ることをホントに祈念します。世界を見渡せば不安な情勢も多いこの世の中ですが、普通の日常が最高の幸せです。

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そしてハッピーも一緒に届けられたら、最高にハッピーです。

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2022年12月6日火曜日

No.94_藤原竜也さんの仕事の流儀


冬至が近付いてきて日が暮れるのがめっきり早くなってきました。最近は外看板のライトも16:00過ぎには点灯させています。ふと調べて分かったんですが、昼の時間(陽が出ている時間)は冬至が最短ですが、日の入り時刻が一番早いのは東京では12/6なのだそうです。通りで...と納得しました。(^^)

ところで...少し前になりますがNHKの“プロフェッショナル・仕事の流儀”に藤原竜也さんが出演していて、その中での発言・考え方にある共感を覚えたものですから今回はそれをテーマにさせて頂きました。

藤原さんは、『プロフェッショナルとは?』との問いに『破壊と創造』と応えておられました。『積み上げて来たもの、知識も含めて一回ゼロにする。そして新しいものを吸収して行く。やらなきゃいけないことは全部やる。それでも僕は演技を固めない。共演者からよく「竜也、そろそろ演技を固めてくれ」って言われる。でもまだ行ける、まだ行けるって思ってる。別に初演を迎えたってそこがゴールじゃないから!まだ行ける、まだ行けるって僕は思っているからどこまでも行ける。演劇って絶対どこまでも行ける!』と話されていました。蜷川幸雄さんの薫陶を受け、それが肉体化している藤原さんならではのセリフだなぁと感心しました。

(大変おこがましいですが)実は僕も焙煎に対してそんな思いを持っています。味作りには「これでイイ」と言う終わりはありません。

ふと今までの自分を振り返ってみると、仮に試験があって70点取れれば合格みたいなことがあると、ちょっとだけ余裕を持って80点を目標に学習に取り組んでいたみたいな...。これは目標に向かって取り組んでいたとも言えますが、裏を返せば80点以上取る努力を惜しんでいた、自分でブレーキを掛けていたとも言えます(そうして70点取れないこともいっぱいありました)。しかし前述の藤原さんの取り組む姿勢、目指しているものは自身もまだ見えていない高みです。もしかしたら第一線で活躍するアスリートの方々、更に芸術でも、音楽でもあくなき創造に取り組んでおられる方々は皆んな近い感覚を持って取り組んでおられるのではないかなと思うのです。

焙煎の味作りも、今のいろどりこーひーの豆は何点とも点数は付けられないですし、それ故、目標の点数も有りません。もっと行ける、もっと行ける、もっと美味しい高みがある!そう思いながら、信じながら、これからも美味しい豆作りへの取り組みは続きます。

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