2022年8月30日火曜日

No.80_音楽活動50thの矢沢永吉さんと還暦60thを迎えた店主


8月27日、国立競技場で開催された矢沢永吉さんの音楽活動50周年記念コンサートに行ってきました。永ちゃんのコンサートに毎年行き始めて、かれこれ35年くらい経ちます。(昨年末行った日本武道館最終日はつぶやきNo.44に記載した通りです。)

永ちゃんは50年前キャロルでデビュー、その3年後には解散、ソロ活動に転じ今年50thを迎えました。そして来月73歳を迎えますが、そのパワーたるや圧巻!今回も本当に圧倒されました。

そしてこの日8月27日は僕の誕生日、なんと還暦を迎えました!

まさに僕が永ちゃんの50thを祝い、永ちゃんが僕の還暦60thを祝ってくれた(と思い込んでる・笑)奇跡の8月27日になりました。

今年、50thの大きなイベントがあるだろうことは、永ちゃんファンなら誰しも思っていたこと、そして期待していたことですが、まさかそれが自身還暦を迎える誕生日と重なろうとは!本年4月、ファンクラブ会員宛の通信でこの概要が発表され、その日付を目にしたときは『これは奇跡だぁ!』と一人震えながら、呟いてしまいました(笑)。この“店主のつぶやき”のコーナーは、自店のホームページの一コマとは言え、半ば公に公開されたところに自身の還暦話題を書き込むなんて...よもや考えてもいませんでしたが、この度の奇跡の高ぶりに免じ、どうかご容赦くださいませ。(苦笑)

今回も13歳年上で僕の13年先を突き進む永ちゃんのパワーに触れ、自身13年後も世界は違えど、自身が選択したこの自家焙煎珈琲豆屋と言う世界を、死に物狂いで極め、突き詰めて行きたいという思いを更に強くした次第です。

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2022年8月23日火曜日

No.79_焙煎中の姿(格好)...^ ^


『焙煎している姿を見たことないですねぇ?』と常連のお客様からお声掛け頂くことがあります。実は焙煎は店を開ける前の朝の時間帯で行っています。これは焙煎中は時間と温度を睨めっこしながらの調整が必要なため、開店中に作業、操作するのは無理という事情があります。そんなお応えをすると、先日は『そーなんですか!あれ(焙煎機)は飾りじゃなかったんですね!』とおっしゃるお客さまもいらっしゃったものですから(苦笑)、ここはひとつ焙煎中の姿(格好)と題して、少しご紹介させて頂こうかと思います。

状況という意味では、本日の写真のように焙煎機の脇にスタンドテーブルとハイチェアを配置した状態で作業、操作を進めます。(脇のシャッターは降ろしたままです。)テーブルの上には過去の焙煎記録表を置き、直近の同じ豆種の進行、調整結果をベースにその回の計画(作戦ですね)をたて、それに沿って焙煎を進めます。

僕自身の格好という意味では実はヘッドホンを付けています。このヘッドホン、オーバヘッド型(バンドを頭から被り、耳全体を覆うタイプ)で、ノイズキャンセル機能が付いています。この間、音楽は流さずノイズキャンセル機能だけを作動させます。このノイズキャンセル機能、とっても秀逸で感覚的には焙煎中の騒音が1/3位になります(静かになります)。焙煎していないときに装着すると車両走行の暗騒音はほぼ消えます。

これをする理由ですが、大きくは二つあります。一つは単純に騒音対策。焙煎中はドラムの回転音、そのドラムの回転によって豆が中でシャカシャカ舞う音、それに排気を促すサイクロンの回転音...結構な音の中での作業になります。

もう一つは集中力を高めるためです。前述しましたが、焙煎中はデジルタイマー(経過時間)とデジタル温度計(釜内温度)を比較、睨めっこしながら、その間の火力調整を続けていきます。その調整中は入って来るデータ(時間、温度)を把握、記録、解釈、評価しながら、対応を思考して即実行、その直後の反応を観察してまた、同様の繰り返しを持続します。これら瞬時の判断、対応をするため焙煎と関係の無い雑音、雑念は出来る限り排除して望むのにこのノイズキャンセル機能の付いたヘッドホンはとても有効、重宝しています。

もしかしたら焙煎に詳しい方、何かの本、ネットで調べたことのある方は、『あれ?ハゼ(爆ぜ)音はチェックしないの?』思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、僕が使用しているProbatは造りが頑丈で釜周りは分厚い鉄に覆われていて(焙煎機重量は340kgあります)、且つ前述の騒音下ですので、そもそもハゼ音は聞こえないんです。ハゼ音を頼りにするより寧ろ確実な時間、温度制御により、豆のデベロップ(化学変化)コントロールを進めています。

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2022年8月16日火曜日

No.78_焙煎前後の豆の変化


時々、お店でお客さまから『あれが焙煎前の豆ですか?』と生豆(ナママメ)が入っている麻袋(マタイ)を指差してご質問頂くことがあります。興味のある方には、生豆を直接ご覧頂くこともあります。するとまず色に驚かれます。『へー!こんなに白っぽいんですねぇ!』と。後は匂い、コーヒーに関しては『香りが...』と言った会話をすることが多いですが、生豆に関しては正に『穀物臭』と表現した方がしっくり来るかもしれません。それもそのはず、コーヒー豆はコーヒーノキの果実の種子ですからね。以下、他にも焙煎前後でいろいろな変化があります。

・豆の重量は、およそ8割になります。(およそ2割軽くなります。)

・豆の体積は、およそ1.5〜1.7倍に大きくなります。(焙煎=加熱により、ミクロ的には生豆表面には亀裂が入り始め、内部は気泡が発生して膨張します。イメージとしてはスポンジ状になって膨らみます。本日の写真は焙煎前後の豆(マンデリン)を並べたものですが、大きくなったのが分かるかと思います。ちなみにマンデリンの生豆の色は、白というよりは緑色に近いかもしれません。)

・脆くなります。(前述のように豆は加熱によりスポンジ状に成るため脆くなります。生豆は踏んでも潰れませんが、焙煎後のコーヒー豆は、簡単に粉々になります。)

焙煎は生豆投入から20数分、200数十℃まで焙いたところで釜から出しますが、この間様々な物理的、化学的変化を経て、飲むためのコーヒー豆が出来上がるんですね。

コーヒーの歴史を紐解くと、どうも15世紀頃から商業的栽培が始まっているらしいのですが、『この種(たね)を焼いて、粉にして、湯で抽出して、飲んでみよう!』って、最初に発想した人、やり始めた人って凄いな〜って思ってしまいます。(笑)

そして日本にコーヒーが入ってきたのは明治時代、更に現在のスペシャルティコーヒーと呼ばれる良質なコーヒー生豆が入って来るようになったのは、2000年以降ということですから、ある意味『美味しいコーヒーの歴史』というのは『始まったばかり』とも言えそうです。

なんだか今回は取り止めもない話題で、話が拡散してしまいました。何れにしても良質な生豆が入手出来る現代に感謝です。そしてそれをしっかり、ちゃんと焙煎して、美味しいコーヒーとして、皆様にお届け出来ることが、何よりの喜びです。

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2022年8月9日火曜日

No.77_テロワールをお届けしたい


テロワール(Terroir)、ワインの世界でよく使われる言葉ですが、実はコーヒーの世界でも同様に使われます。テロワールを少し検索してみると、『土地を意味するフランス語のTerreから派生した言葉』とありました。敢えて意訳するなら『自然の恵』と言ったところでしょうか...。その『テロワールを皆さまにお届けしたい!』が今回のテーマです。

言うなればコーヒーは“農作物”ですので、その生育環境によって異なる成長を遂げ、それぞれの風味が形成されます。また、お米や果物、野菜もその年によって豊作であったり、そうでなかったり...コーヒーも同じ産地、農園でも年により、出来がバラ付きます。

風味の違いという意味では、この生育環境以前に“コーヒーノキ”の品種違いに依るところが大きいとも言えますが、一方、長い年月を遡り俯瞰して捉えると、この品種の違いも生育環境が育んで来たとも言えます。

そして生育環境を更に噛み砕くと、天候(温湿度、日射、雨量他)や土壌(地質、肥沃さ、堆肥、肥料、水はけ他)の違いやその組み合わせが、大きく影響します。また視点を変えると、この天候や土壌と相関関係がある地理(緯度、高度)、地形(傾斜地、その方角)がテロワールを形成するとも言えそうです。

このテロワールを私たちはコーヒーを飲むという形で楽しむことが出来るわけですが、産地での生育、収穫以降、精製(乾燥、脱殻)、輸送、保管と大変多くのプロセスと人手を経て生豆が輸入されます。そして焙煎。そのどの過程でもマイナス要因があれば、飲むコーヒーの味にもマイナス影響が出るわけですから、そういう意味では僕が関わる焙煎も責任重大です。(^^;;

僕が出来ること『良い生豆を仕入れる』、『適正な焙煎をする』を通して、このテロワールをお届けする役割を少しでも担えるなら、こんなに嬉しいこと、取り組みがいのあることは無いと思っています。

この焙煎、『調理の一種』と言えるかもしれませんが、僕の気持ちとしては、『何も足さない、何も引かない』が信条です。『何も足さない』の『何』は『余計なもの』の意味で、『焙煎過多から発生する焦げ感、苦味感』、『焙煎不足から発生するえぐみ感等』を指しています。方や『何も引かない』の『何』は正に『豆が本来持っているテロワール』を指しています。過不足無い、適正な焙煎が実行されれば、そこにはテロワールだけが残ります。そしてこの『テロワールを是非皆さまにお届けしたい!、楽しんで頂きたい!』これが、僕がこの店を続ける一つのモチベーションになっています。

いつもこのコーナーの〆は『いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。』ですが、このテロワールこそ”彩り”の源です!

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2022年8月2日火曜日

No.76_コーヒーの香り


今回はコーヒーの香りをテーマに幾つかエピソードを紹介させて頂きます。

店の目の前が葛西小学校で通学路にもなっているので、午後になると毎日多くの子供たちが店の前を通って下校します。子供たちがワイワイとお話をしながら通り過ぎる姿を店内から眺めていますが、とっても賑やか、活気があって、いつも微笑ましく、元気をもらっています。そんな子供たちですが、店の前を通る時、『わぁーいい香り!!』と呟いてくれる時が、幾度となくあります。店の入り口扉はいつも開け放しているので、コーヒーの香りが店の前の歩道にも漂っているのかと思うのですが、子供たちは店先に顔を出さずとも、通り過ぎるだけでそれを感じるのですから、子供たちの嗅覚には驚き、感心してしまいます。

そして先日、女性のお客様がお二人でお越しになった際の出来事ですが、お一人の方が豆を購入して下さり、その豆をお挽きしたとき、もう一人の方が、『わー!いい香り!私はコーヒーがちょっと苦手で紅茶派なんですけど、コーヒーの香りはとっても好きです!』とのお話を伺いました。実はこれに近いお話は幾度か伺ったことがあります。コーヒーに関する少々ネガティブな印象、出来事なのですが、(過去に)『コーヒーを飲むと頭が痛くなる。』、『後味として舌の奥の方に嫌な感じが残り続ける。』、『コーヒーは水とセットで飲む』なんてお話も...『でも、香りが好きでトライしてきました...』と。とは言え、その方々も『いろどりこーひーではそれを感じずに飲めたので、ビックリです。』とお話を続けて下さったので、ホッとしました。(^^;;

コーヒーの香りは、一言で言うと『その豆が持っている香り』と言うことなのですが、その香りを『いい香り』として引き出すには、適正な焙煎が欠かせないと思っています。豆は、焙煎中170℃〜180℃辺りで、その性質を大きく変化させますが、変化する直前、変化中、変化後、豆にどれだけのカロリー(熱×時間)を与え、どの様な状態を作り出すかで豆の香り、美味しさは大きく変わります。化学的には、糖分のカラメル化とか糖分、タンパク質のメイラード反応、油分(脂肪分)のディープフライフレーバー化なんて言われていますが、それぞれ適正に変化させると、とっても素敵な褐色成分と魅力的な香気成分が形成されます。

どうしても『コーヒーの香りが好きな人 > コーヒーの味が好きな人』の現実があると思うのですが、なんとか、『コーヒーの香りが好きな人 ≒ コーヒーの味が好きな人』に近付いてくれるとイイなぁって思っています。

P.S. 今回の写真は、店にあるグラインダー(業務用のコーヒーミル)です。

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