2023年11月28日火曜日

No.145_福山雅治さんのMARTINギター〜そして音と味...


この店を始めてから、何か番組を観たり、人の話を聴いたり、本を読んでも、何かと自身の商売と重ね合わせて“こと”を捉える様になった気がします。今回もそんな話なのですが...先日、NHKの番組 Music Special 福山雅治/時を超えるギター”を観た時のことです。

番組の全体の流れとしては、『福山さんは約10年前に手に入れたお気に入りのアコースティックギター(アメリカMARTIN社製)の音が、気に入ってはいるけど「更にもっといい音が出るはずだ」とずっと感じていたとのことで、今回そのギターを製造をしたMARTIN社に持ち込み、リペアを依頼。そして3ヶ月後、リペア完了したギターを受け取りに再びMARTIN社を訪問。そこで試し弾きした瞬間、ギターの音色のあまりの変わりように『ワアォ!』と驚き、感動。番組ではそのリペアに携わった多くの職人達の作業風景や彼らとの対話を紹介していく...』といったものでした。

福山さんが所有するギターは、1940年製 “プリウォーD-45”(1933年〜1942年の間に91本だけ製造)というビンテージものです。そしてMARTIN社がその音色の違和感の原因を調査したところ、前所有者がブリッジプレート(弦を固定するブリッジをその裏側から固定するパーツ)を覆うように補強板を貼り付けていたことが音の違和感の原因だと判明。今回のリペアではそれを剥がし修復。ネックもボディから一旦外してフルリペアした結果、前述のような奇跡の音(福山さん談)に生まれ変わったのです。

この流れを観ていて凄く感じたのは、福山さんが最初に違和感を感じたのも、リペアした職人たちが、その過程で頼りにしたものも、ただただ “音色”、そしてそれを聴き分ける “耳” だったと言うことです。

番組の中でも福山さんが同じフレーズを弾いたBefore、Afterの音が流れましたが、僕が聴いても変わったなぁ!と感じる程です。福山さんもおっしゃってましたが、6弦1オンずつの音がしっかり聞こえ、それでフレーズを弾くと、なんとも心地よい厚み、余韻が広がる。そんな変わり様でした。

これを観て図らずも、そしておこがましくも自分がやっているブレンドが思い浮かんでしまいました。ブレンドは先ずはブレンドに使用するそれぞれの豆がクリーンにちゃんとヤケていることが基本です。そしてブレンドすることでシングルとはまた異なる心地よい風味、奥行き、バランス、余韻を作り出す...この全ての過程で頼りにするのはただただ “味” 、そしてその微妙な良し悪しを感じ取る “味覚” なのです。

音と味、聴力と味覚...分野は違えど職人気質で何か通じ合うものを感じたのでした。

最後に...リペアに携わったある職人さんがこんなことを応えていました『僕が作るギターはどれも僕より長生きしてほしいと思いながら作っているよ。そしてギターを手にした人が、そのギターより長く生き続けるような音楽を作ってくれることを願っているよ。』

楽器を造るって素敵な仕事だなぁって思いました。

 

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2023年11月20日月曜日

No.144_葛西小2年生の“まちたんけん”訪問


先日、店のお向かい葛西小学校2年生の子どもたち12名が、“まちたんけん”と名付けられた授業の一環でお店を訪問してくれました。

今年で3回目(3年目)となりますので、僕の方も恒例行事としてこの日を楽しみにしていました。正門から綺麗に1列に並んで出てきた子供たちは早くも道路の向こう側から店に向け手を振りながらの登場でした。^ ^

事前に先生から『店からの説明〜児童からの質問の流れで進めます』と伺っていましたので、自己紹介や店を始めた思い、コーヒ豆が出来るまでと言ったことを先ずは説明させて頂きました。

店には高さ140cm程のコーヒーの木もありますので、産地の写真も用意しながら白い花が咲いて、赤い実がなって、それを乾燥させて、中の種を取り出したものが、これ(生豆)ですと、現物も見て、触って、匂いも嗅いでもらいました。『(穀物)臭〜い!』と予定通りの反応 (^^;; の後、焙煎機も間近に見てもらって焙煎の流れ、そしてヤキ終わった豆、更にはそれを目の前で粉に挽いて香りも嗅いでもらいました。するとみんな『いい香り〜!』と驚いてくれました。また焙煎により豆は、色が変わる他、大きく、軽く、脆くなることも体験頂こうと、生豆と焙煎豆を一粒ずつ踏んで、焙煎豆だけが粉々になるのも見てもらいました。(驚き!の反応が楽しい〜)

その後、『お店をやっていて楽しいこと、大変なことはなんですか?』、『コーヒー豆はどこで採れるんですか?』、『人気のコーヒはどれですか?』、『コーヒーは何種類あるんですか?』他、色々質問頂きました。

その中でも面白いやり取りだったのが、『休憩時間はどれだけありますか?』と、ある女の子が質問してくれた時、お店を閉めてまでの休憩は無いと言う意味で『休憩時間は無いです!』と応えたらその子と隣の女の子も目をまん丸に開いて、絶句!の様な表情で固まってしまったので、こちらも慌てて『いやいや、お店を閉めての休憩時間は無いですけど、お客さんが途切れる時間は一杯あるので、昼頃おにぎりやパンを食べる時間はありますよ!』と追加で説明をしたらニッコリ、ほっとした表情を浮かべて『分かりました。ありがとうございます』と言ってくれたので僕もホッとしました。

と言うわけで、今回もとっても楽しい時間を過ごさせて頂きました。子供たちの皆さん!ありがとうございました!

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2023年11月14日火曜日

No.143_いろどりXmasブレンドのご紹介


11月も中旬に差し掛かり、朝夕は日に日に寒さが増してきました。そしていろどりこーひーでも季節のブレンドとしてXmasブレンドをお届け出来る時期となりました。

“いろどりXmasブレンド”は、【まろやかなコクと後味のキレの良さ】が特徴で、クリスマスケーキの生クリームやチョコレートの風味をまろやかなコクが受け止め、そしてその美味しさを引き立ててくれる深煎りブレンドです。それでいて後味スッキリ、キレの良さがあって、ケーキもコーヒーも次の一口が更に美味しく進みます。

この説明を聞いて、『とは言え、コーヒーはケーキを食べる時だけに飲むわけじゃないんだけど〜』とおっしゃる方もいらっしゃると思います。その通りですね!

もちろんコーヒー単独でお飲み頂いても美味しく頂けます。

と言うのも、ケーキとのフードペアリングを良くするため、極端にキャラ(コーヒーの風味キャラクター、個性)が尖った素材の使用を避けましたので、深煎りコーヒーの中では、まろやか、穏やか寄りの飲みやすいコーヒーとして仕上がりました。これにより更にはカフェ・オ・レにもバッチリ合うブレンドとして仕上がりました。

寒さ深まるこれからの季節、暖かいお部屋で、是非Xmasブレンドと共にお寛ぎください。

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2023年11月7日火曜日

No.142_風味が長持ちするコーヒー豆作りを心掛けています


お店で時々、『このコーヒー、何日くらい持ちますか?』とご質問を頂くことがあります。正直申し上げると一言『何日です!』と即答するにはなかなか難しいご質問です...

と言うのも、風味の持ちは保存の仕方にも依りますし、『風味が落ち始めたかな」と感じる味覚、度合いも人それぞれだからです。

冒頭のご質問に話を戻すと『概ね1ヶ月程度で飲み切れるようでしたら、常温保存でも変わらず美味しく頂けると思います。』とお応えすることが多いです。お客さまのお時間が許すようでしたら、続けて保存方法や冷凍庫保存の話をすることもあります。

ところでその保存に関する方法論の前に、焙煎製造された豆が先ずどうなのか!?という話があります。それが今回のテーマ『風味が長持ちするコーヒー豆作りを心掛けています。』ということなのですが、これを聞いても、『ん?どう言うこと?』ですね、『どの豆も日にちが経つと鮮度は落ちるんでしょ?』と。しかしながら保存方法が同じでも、風味が長持ちする豆とそうでない豆があるのです。

結論を先に言ってしまうと、“良い素材(生豆)”を使用して、“ちゃんと焙煎された豆”はその風味が長持ちします。その逆に素材の質がよろしくなかったり、焙煎に不備があると出来上がった豆は、美味しさもイマイチな上に日を経た風味低下も顕著なものになってしまいます。

“良い素材”というのは肥沃な土壌で陽の光を浴びてしっかり光合成しながら結実した完熟実を厳選採取して、品質コントロールされた状況下で乾燥、脱殻(だっかく→殻を割って中の種子[コーヒー豆]を取り出す)、輸送、保管されている良質な生豆のことです。そして“ちゃんと焙煎された”は、豆の芯から表面まで過不足なくヤカレた豆で、[過]があれば焦げ感につながりますし、[不足]があれば水分抜けが悪く、重たく嫌な風味になったり、更に豆の芯のヤキ残りが有れば、エグミの原因にもなってしまいます。

とどのつまり、クリーンな風味の豆は長持ちもすると言うことなんですね。これがいろどりこーひーの目指している豆です。 

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