2022年2月22日火曜日

No.53_コーヒーの冷める過程に現れるキャラを楽しむ


本日のテーマは、『コーヒーの冷める過程に現れるキャラを楽しむ』です。(写真はこのテーマとは全く関係の無い、店の目の前の葛西小中学校グラウンド越しの夕景です。夕日に照らされた雲がなんとも幻想的だったので...)

一般的にコーヒーは時間の経過と共にその風味が落ちていくとされています。風味劣化の主な要因は温度、空気(酸素)、光の影響です。これは豆、粉の状態にも言えることですが、淹れたてのコーヒーも同様です。そして今日はこのホットコーヒーの風味の変化に関わるお話です。

一般論としてはホットコーヒーも時間の経過とともに少しずつ酸化が進み、酸味が感じられ易くなっていきます。この時コーヒー豆に『悪い酸味』が含まれている場合、それが少しずつ顕著になって、飲み辛くなってしまいます。

では、『コーヒーは冷めていくと美味しく無くなるのか!?』ということですが、そうではないコーヒーもあるんです!雑味が無いことが先ず条件ですが、コーヒーが持っている酸味が『悪い酸味』ではなく、『クリーンで良質な酸味』の場合、冷めていく過程だからこそ、その美味しさを楽しむことが出来るのです。(『悪い酸味』、『クリーンで良質な酸味』、『雑味』のお話は、宜しければ前回No.52も参照ください。)

そして舌も熱いものよりは少しヌルイものの方が味覚として感じ易い(把握し易い)ということもあります。

実はコーヒーのカッピング(風味評価、チェック)も沸騰したての湯を注いだ4分後の熱い状態から始め、その後約30分掛けて完全に冷め切るまで断続的に確認し、その間現れる風味を把握します。

今『現れる風味』と表現しましたが、正にその感覚です。それは『味が変わっていく』という感覚ではなく、『おっ!こんな風味が!』と隠れていた風味が時間の経過と共に現れて来るのです。言うなればそのコーヒーのキャラ(キャラクター=性格、性質)が現れる感覚です。

『君(コーヒーのこと・笑)はこんなキャラだったんだね💕』、楽しいですよね!隠れていたキャラを知ることが出来るなんて!

是非是非!コーヒーの冷めて行く過程、そして完全に冷め切った状態も試してみてください。そして、いろどりこーひーの子供たちのそれぞれのキャラを発見、お楽しみください!

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2022年2月15日火曜日

No.52_デコポン


本日のタイトル、そして写真はデコポンです。なんで、突然!?ですね(笑)。

デコポンは、僕がフルーツの中で一番好きなもの一つです。そしてデコポンがスーパーに並び出すと、まだまだ寒い日が続いていても、『おっ!デコポンだ!春も近いぞ!』と思わせてくれる、僕にとっては春の予感を知らせてくれるフルーツでもあります。

デコポンが好きな理由は何より『甘くて美味しい!』、そして外皮が柔らかくて剥きやすい!加えて果肉を包む皮も薄く柔らかく、実をちぎってそのままモグモグと食べられる!この『食べ易さ』と言うのも魅力の一つですね。要は簡単に美味しく食べられる!(ちょっとズボラかな...苦笑)

先ほど、デコポンが好きな理由を『甘くて美味しい!』と記載しましたが、この『甘さ』は砂糖甘ければ良いのかと言うと決してそうではありません(当たり前ですが)。デコポン特有の柔らか〜な酸味と相まっての甘さです。

実はこの辺の甘さと酸味のバランス、感覚ってコーヒーの風味、味覚にも通じるなって常々思っています。酸っぱいコーヒーは嫌われますが、これは『悪い酸味』がそのコーヒーを支配しているからだと思うんです。悪い酸味の典型的なものは素材(焙煎する前の生豆)起因です。これはコーヒーの実を収穫する際、本来真っ赤に熟した完熟実のみを収穫しなければならないところ、オレンジや青っぽい状態で収穫された未熟実が混在していたり、収穫後の乾燥過程(2〜3週間を要します)が、不十分であったりすると起きます。あとは、焙煎が不完全で豆中心部の水分抜きが甘かったり、焙き残りがあると酸っぱさを通り越してエグみになってしまうこともあります。また、焙煎後あまりにも日数が経ってしまうと、コーヒー豆が空気と反応して酸化して酸っぱくなってしまうことも起きます。

その反対の『良い酸味=クリーンで良質な酸味』は、美味しいコーヒーが作り出される上でも欠かせません。そう!前述の美味しいデコポンに備わっている『クリーンで良質な酸味』です。

これは素材が持っているもので、味付けや風味調整で現れるものではありません。素材に無いおいしさを焙煎術で作り出すことは出来ないのです。それ故しっかりした素材選び、そしてそれを生かし切る(焙き不足や焦げの雑味でマスキングしない)質の高い焙煎術が重要になるのです。

フルーツの種類が変わっても、例えばブドウのシャインマスカットと巨峰、リンゴのフジと王林の風味の違いなども、それぞれの酸の質と量の違いがそのその個性を形作っているのです。

そしてコーヒーも美味しくなるには、この『クリーンで良質な酸味』が、デコポン同様『甘さ』と融合する必要があるのですが、これが出来るのです!

おっと、今日はここで紙面がいっぱいになってしまいました。この『甘さ』についてのお話は、また別の機会に触れさせて頂きますね。

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2022年2月8日火曜日

No.51_深煎りしっかり系ブレンド『カフェ・ノワール』のご紹介


異なる風味が交錯、際立つコクと温もり!深煎りブレンド『カフェ・ノワール』ご紹介です。3種類の深煎りシングルコーヒーをブレンドしました。

そこで表現したかったのは、深煎りコーヒーの『異なる風味の交錯』です。一言で『コーヒーの風味』と言っても、口にした瞬間の風味、二口目以降の風味、冷めていく過程、冷め切った状態での風味、それぞれ時間の経過と共に感じ方は変わります。

この『風味』は舌で感じる味覚の他、唇で感じるマウスフィール、口の中で感じる口当たり、香り等色々な要素が絡み合って構成されます。

また、香りも鼻から入ってくる香り(アロマ)、口の中から鼻に抜ける香り(フレーバー)、そしてこれら全ての感触が絡み合って余韻へと繋がっていきます。と言うわけで、コーヒーの風味は苦さ、酸っぱさだけで語れるものではなく、人はこのような複雑な要素を無意識に感じながら『おいしさを探り、求めていく』のだと思います。

話を元に戻しますが、『異なる風味の交錯』の目指すところは、前述のいろいろな観点で、それぞれ異なるおいしさを発見、楽しめるコーヒーです。言い換えると『ミステリアスなコーヒー』と言ったところでしょうか(これは言い過ぎかな...笑)

1年で一番寒さが厳しいこの季節、一方で三寒四温、時に春の予感を感じ始めるそんな季節にピッタリな温もりを感じられるブレンドです。きっと今まで無かった体験が出来るはずです。どうぞ、お試し、そしてお楽しみください。

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2022年2月1日火曜日

No.50_コーヒーバッグをより美味しく頂いて頂くために


お店では『美味しいコーヒーの淹れ方』と共に『美味しいコーヒーバッグの淹れ方』について、時々質問を受けることがありますので、今日はそれをこの“つぶやき”で取り上げてみたいと思います。

細かなことは後述しますが、『注ぐお湯は熱湯を!』と『コーヒーバッグを取り除く前にバッグ(袋)を一旦沈めて!』の2点をぜひお勧めしたいと思います。

先ずコーヒーバッグの外包を開けた中身ですが、本日の写真左上の様な形をしています。紅茶のティーバッグを大きくした様なスタイルで不織布袋の中にやや細かめに挽いたコーヒーの粉が入っています。組み立ててお湯を注ぐタイプの『ドリップパック』に比べて、手間が格段に少ないですし、何より味がしっかり出ることからこのタイプ(ディップスタイル)を採用しました。

余談ですが、製造工場からは『内容量は8gから12gまで対応可能です』との話が有り、最大の12gで製造してもらっています。また、外袋の封をする前に窒素ガスを充填し、酸素と置換していますので、酸化による風味低下の心配も無く、賞味期限も製造から1年です。

中身を取り出した後は、写真右上の様にマグカップ等にセットして頂き、前述の通り、是非沸騰したての熱々の湯を注いでください(お湯は熱い方がしっかり味が出るためです)。

そして約4分放置後、このコーヒーバッグを取り除いて飲んで頂くわけですが、湯を注いだ後、写真左下の様にコーヒーバッグがやや浮いた状態になるため、取り出す前にスプーンの背中部分等で袋をやや潰し気味に沈めて、その中の濃い風味を出し切って頂くことをお勧めします(仮に雑味のあるコーヒーでこれを行うと、エグミ、苦味が出てしまいますが、いろどりこーひーではこれを気にする必要がありません)。

話は一旦横道にそれますが...ワインで言う『テイスティング』にあたるものをコーヒーでは、『カッピング』と呼びます。これは先ず180mlのカップに10gのコーヒーの粉を入れ、そこに熱湯を並々と注ぎます。4分経ってから掻き回し(ブレイクと言います)、そこに浮いている泡やコーヒーの粉をすくって取り除きます(鍋料理のアクを取り除くイメージです)。そしてスープスプーンに似たやや大きめのスプーンでその液体(コーヒー)をすくい、ズッ!と口の中で霧状になるくらい一息に吸い込み風味を評価すると言うものです。この『熱湯を注ぎ、4分放置して、かき混ぜて、飲む』の一連の流れが、前述したコーヒーバッグのお勧めの飲み方に繋がります。(因みにカッピングの場合は口にした液体(コーヒー)を飲み込まずにぺッと吐き出して、その後の余韻も評価します。)

本来カッピングは、その味を評価(チェック)することが目的で(美味しく飲むことが目的ではなくて)、僕自身も改善点を発見するため毎日行なっています。そういう意味では仮に雑味のあるコーヒーでこの飲み方をすると、それも全部出てしまう(美味しくなくなる)ことになりますが、いろどりこーひーのコーヒーバッグは、それを気にすること無く、一番美味しく頂ける方法となりますので、是非一度お試しください。

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