2022年3月29日火曜日

No.58_お陰様で開店1周年を迎えることが出来ました


昨年3/25にこのお店を始めましたので、先週、お陰様で開店1周年を迎えることが出来ました。振り返るとこの一年間、日々有り難いなぁ』思いの積み重ねでした。

そして本当に多くの色々な方々が店を訪れてくれました。ご近隣の皆様、はたまた小中高大学時代の同窓の皆様、会社勤め時代の諸先輩や同僚の皆様その間お仕事をご一緒したお客様たち...このお店を始めていなければ、ひょっとして再会出来なかったかもしれない方々とも沢山の再会の機会を頂けたことは本当に有り難く、嬉しかったです。そして再会までは出来ていなくてもネットを介してご連絡通じたり、本当に嬉しいことが沢山ありました。

ホームページの“店主のごあいさつ”にも以下記載しておりますが、

『珈琲豆を通して、皆さまの心豊かな生活、丁寧な生活に“彩り”をお届けしたい』『地域に根ざした、地域の皆様から愛される、そして必要とされるお店になりたい。』そんな思いで、この自家焙煎珈琲豆店を始めました。』

この思いは、この1年間もこれからも変わりません。

毎日『有難いなぁ...』って呟きながら、一日を過ごせることは、ほんと幸せな世界に進むことが出来たなって、1年を経てつくづく思います。有難いことです。

そしてお店でもネットでも、リピートして下さる方が、ポツ...ポツではあっても、増えていくのは本当に嬉しく、有難いです。

これからも更なる美味しい、そして魅力溢れるコーヒー豆のご提供を目指していきますので、どうぞよろしくお願いします。

いろどりーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2022年3月22日火曜日

No.57_コーヒーのカッピング


お店でコーヒーの風味のお話をする機会はとっても多いですが、時々カッピングの話題にまで及ぶ時があります。

僕の方からカッピングとか専門的(マニアックな?)なことを話始めることはありませんが、興味のあるお客様から質問を受けたとき、それにお応えする形で会話することがほんのたまにあります。今回は『カッピング』とは、どのようなものか、概要的なお話のみ触れてみたいと思います。ワインで言う『テイスティング』に当たるもので、平たく言うと『味見』といったところでしょうか...

その所作ですが、180mlの湯呑み状のカップに先ずはコーヒー豆を10g計量します(写真左上)。それを粉に挽いて(写真右上)、次に沸騰したての湯を一気に満杯に注ぎます(写真左下)。4分放置後、スプーンで3回底まで攪拌して(ブレイクと言います)、続いて上部に浮いたコーヒーの粉を鍋料理のアク取りの要領で取り除きます(写真右下)。

そして液体(コーヒー)をカッピングスプーン(スープスプーンの様な丸い深めのスプーン)でなみなみとすくい、空気が混ざるようにズッ!と一息で口の中に吸い込みます(霧状にして上顎に吹き付けるようなイメージです)。そして舌の先やら奥やら、上下やら...口の中で数秒風味を感じ取った後、その液体はペッと吐き出します。そしてその後も舌で、更には鼻腔でその余韻を追います。(この動作はコーヒーが冷め切るまで断続的に繰り返します。)

先ほど記載しませんでしたが、挽いた粉、湯を注いだとき、4分後のブレイク時に香りも合わせて確認します。この時、鼻から入ってくる香りをアロマ、コーヒーを口に含んだ後そこから鼻腔に抜ける時に感じる香りをフレーバーと称します。

正式には8個のチェック項目それぞれを8段階に評価して記録するカッピングフォーム(スコア表)もありますが、ここでは割愛します。

僕はその中でも雑味の無さ(カップのコーヒーの綺麗さ、クリーンさ)を特に大切にしたいと思っています。この観点さえ豆に備わっていれば、あとはお客様個々人がそれぞれの嗜好で、好みの豆を見つけ、楽しんで頂ければと思うからです。

一方でコーヒーを仕事にする人にとっては、このカッピング力はマスト。その向上無くしてより美味しいものは作れないといった肝の部分ですので、折に触れて毎日実施しています。この折に触れてと言うのは、焙煎した豆のチェック、新豆購入の際のチェック、ブレンド作りの試行等々殆ど全ての所作にカッピングが付いて回ると言っても過言ではありません。

次の機会には是非ブレンド作りのカッピングについても、もう少しお話が出来ればと思います。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2022年3月15日火曜日

No.56_春の小川


春の小川は さらさら行くよ

岸のすみれや れんげの花に

姿やさしく 色うつくしく

咲けよ咲けよと 囁きながら

(詩:高野辰之、曲:岡野貞一)

 

ここのところ東京でも気温が20℃を超え、もう少しすると桜も開花しそうな雰囲気になってきました。

この様な気候になるといつも思い出すんです、この『春の小川』🎶♬

ちょっとベタ過ぎますか!と言うより昭和!かな?何れにしてもなんで〜?ですよね(笑)。実は、10数年前に柳家小三治さん著『落語家論』を読んでからなんです。この本は小三治さんが書いたショートストーリー集の構成なんですが、その中に以下の様な内容が書かれてあり、以来春になるといつも『春の小川』を思い浮かべる様になりました。

『今までは、さらさら流れていく小川を、岸辺に佇んで、人間の目の位置から眺めおろしている景色としてしか聞いたことがなかった。それが、今、流れていく水に自分がなったようにこの歌を聞いていることに気がついたのである。(中略)自分は水の一員である。自分はすみれやれんげと同じくらいの背丈のようで、水際の小石や草の芽が、とても大きく感じられる。彼らもどうやら、こちらへ声を送っているようだ。流れている水たちは、威勢よく、自分の体の周囲を舞っている。両側の景色は次々と後ろへ去っていく。そうだったのか。春の小川はこれを歌った歌だったのか。こんなに素敵な歌だったのか。』(柳家小三治著『落語家論』より引用)

そして、『もっと早くからそういう感覚を持つことができたら、世の中のもろもろが、もっと輝いて見えたことだろう。(中略)感性が増えた...つまり大人になったということか。他愛がなくなった...つまり子供になってしまったということか。どちらにしても悪くないな。』と結ばれていました。

これを読んで以来、僕も春になると、『水になって小川を流れて、周りのすみれやれんげと会話したいものだ』と、この歌を毎年思い出すようになったんです。(^^) そんなちょっとした気付きで世の中の見え方が変わる。自分の心持ちが変わる...人間、年を重ねるのもわるくないな...と

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2022年3月8日火曜日

No.55_フレンチプレスで、もう一つ先の風味まで!


『出来ることなら、いろどりこーひーのコーヒーはフレンチプレスで淹れてお楽しみ頂くことを一番にお勧めしたいです』

いきなり、お勧め!から始りましたが(笑)、今回はフレンチプレス(=コーヒープレス)に関するお話です。フレンチプレスは本日の写真にも掲載しましたが、紅茶を淹れる時にも使用出来る抽出器具で、ガラスポット(器)にコーヒーの粉を入れ、熱湯を注ぎ、約4分放置後、プランジャー(丸いメッシュフィルターが取り付いた棒)を押し込んで、出来上がったコーヒーをカップに注いで、飲むだけというシンプルなものです。

(話は一旦横道に逸れますが)コーヒーの豆を挽く時、『ペーパードリップ用に!』とか、『フレンチプレス用に!』といったやり取りをすることがあります。一般的にはペーパードリップ用は中細挽き、フレンチプレス用は中挽きと解釈されることが多いと思われます。これはフレンチプレスで淹れた場合、味がよく出る反面、仮に雑味を含んだ豆を使用した場合、それも一緒に出やすくなる→だから中挽きにして制御するとの考え方があります。一方、雑味の無いコーヒーはその抽出(混入)を気にすることなく、単に『風味がしっかり出る方法』としての選択が可能になります。

いろどりこーひーご利用の場合は、挽き方は中細のまま、フレンチプレスで淹れることをお勧めしたいと思います。これによりペーパードリップではほぼ除かれるコーヒーオイルも抽出され、よりまろやかな口当たり、しっかりとしたコクまで...そう!【もう一つ先の風味まで!】お楽しみ頂けるようになります。

また、フレンチプレスの良いところは『風味の安定』です。ハンドドリップではその淹れ方(注ぐ際の湯温、そしてその間の湯量とスピードのバランス、ドリッパー種等)により、風味がブレることがありますが、フレンチプレスは動作がシンプルな分、粉と湯の量を一定にすればそのブレも起きません。

とは言え、その動作について少しだけ触れてみます...

湯を注いで4分待つ間、マドラー状のものでサッと攪拌することをお勧めします。これは浮いた粉が沈んで風味がよりしっかり出るのと、微粉沈殿を促し、飲むコーヒーへの混入を軽減させる効果もあります。そして後ほどプランジャーを押し込む際も粉が浮いた状態のまま押し込むよりは抵抗が少なくスーッと押し込めます。


フレンチプレスはどうしても微粉混入が避けられませんが、前述の途中攪拌に加え、カップに注ぐときも最後の1cm程度を注ぎ残すことによりかなり軽減できます。これによりコーヒーを飲むときは全く気になりません。それでも飲み終わりはカップの底に少しだけ沈殿した微粉が残りますが、これは日本茶も紅茶も茶葉が少しだけ残って飲み干しませんし、何より『より美味しく頂くため』と解釈頂けると有り難いです。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2022年3月1日火曜日

No.54_アリチャ・ナチュラルとコーヒーの木の生育環境


際立つ香りとフルーツ感!アプリコット、ピーチの余韻! 

いろどりこーひーではエチオピア・イルガチェフェ地方の豆を、既に2種類(モカ・ナチュラル、モカ・ハマを)扱っていますが、この度、モカ・ナチュラルに代わり、その姉妹分のアリチャ・ナチュラル新登場です。アリチャ・ナチュラルの風味は、モカ・ナチュラルに近いものを持っていますが、際立つ芳醇なフルーツ感が最大の魅力です。

アリチャ!ちょっと可愛らしい名前ですね。このアリチャは、エチオピアのイルガチェフェ地方に位置する地名です。そこは標高2,000m付近の高地で朝夕の寒暖差が大きく、それ故高密度の風味豊かなコーヒー豆が生産されます。

ここでコーヒーの木の生育に適した環境について少し触れてみますが、コーヒーの木は一年を通して、気温が概ね15℃〜25℃の環境が生育に適した場所とされています。これは、1年を通して、且つ昼夜一日の寒暖差の上でもです。日本のように夏35℃、冬の朝0℃になる環境でコーヒーの木は生育出来ません(結実、収穫をするという意味で)。且つ適度な降水量(1,500〜2,500mm/年)、適度な日射も必要です。そういう意味では、温度も降水も日射も多すぎても、少なすぎても生育出来ないというとてもデリケートな樹木なんですね、コーヒーの木は。

これらが満たされる環境は南北緯度25°以内の赤道を中止としたエリアに存在し、そこは地球儀の赤道部分にベルトを巻いたようなエリアのため、“コーヒーベルト”と呼ばれます。『赤道直下は熱帯で暑いのでは?』と思われるかもしれませんが、そのエリアでも高地限定ということになります。

そして15℃〜25℃以内の寒暖差が満たされる環境の場合、今度は昼夜の寒暖差が大きいほど硬く蜜実な種子(コーヒー豆)が生成されます。(これは暖かな地方の広葉樹は年輪幅も大きく柔らかで、寒冷地の針葉樹は年輪幅も小さく硬く重い木になる仕組みと似ています。)このように高地で昼夜の寒暖差がしっかりあるエリアでは、単に温暖な地域に比べ成長もゆっくり進み、この“ゆっくり”の過程で個性的な風味がじっくり作り込まれて行くことになります。

そして今回ご紹介するアリチャ・ナチュラルの生育地が正にこの最適環境エリアなのです。是非、この環境の恵を享受、ご体験下さい。

また、アリチャ・ナチュラル新登場に合わせ、昨年開店記念ブレンドとしてお目見えした、“ミモザの風“も再登場です。是非、こちらも合わせてお楽しみください。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ