2023年8月28日月曜日

No.132_クリーンな豆のご提供に努めています


いろどりこーひーでどの豆にも共通して目指していることに、“クリーンな豆をご提供する”と言うことがあります。

今回のテーマ“クリーンな豆”のクリーンとは、“綺麗な豆”、そして“雑味の無い豆”とも言い換えられます。

クリーンな豆の一番いいところは、一言『美味しい!』と言うことです。表現が直接的過ぎて拍子抜けしてしまうかもしれませんが(笑)

でもこれが何より一番大切。そしてお客さまにとっても、お店にとっても一番嬉しいことです。

では、クリーンな豆は何故美味しいのか?それは『美味しさだけで、それを邪魔するものが無いから』です。【美味しさ:美味しさを邪魔するもの(ネガティブな味)=1000】、美味しさ100%!ということです。

🔹クリーンな豆が作られる条件

 ①上質な素材(生豆)を使うこと(つぶやきNo.130でも触れました)

 ②適正な焙煎をすること(つぶやきNo.111でも触れました)

 ③店主がちゃんとした味覚を持っていること(更に高めていくこと)(つぶやきNo.118119でも触れました)

🔹クリーンな豆で無くなる要因

 これは上記①〜③の裏返しとも言えます。このどれひとつが欠けても、劣っても、クリーンな豆(雑味の無い豆)の実現は遠のいて行きます。

クリーンな豆は『美味しい』と先に述べましたが、副産物として『淹れ方にテクニック不要』と言う、とってもイイこと💕がセットで付いてきます。

仮にもクリーンで無い豆(雑味を持った豆)を使用して淹れる場合、雑味抽出をなるべく抑えたい!となりますので、粉への挽き方は『細か過ぎると雑味が出るから、中細、粗挽き等、丁度イイ加減を見つけよう!』とか、『注ぐ湯は熱過ぎると雑味が出るから、90℃前後で丁度イイ加減を見つけよう!』とか、『注ぎ方は最初少量を注いで蒸らしてから粉を乱さないようにそーっとそーっと...』とか、それ以外にも注ぐ時間、インタバル、湯量の配分等テクニックなるものを耳にします。しかしながらこれらは、クリーンでは無い豆を少しでも美味しい方向へ向かわせるための淹れ方、テクニック(=苦労)とも言えます。

いろどりこーひーはご家庭でお楽しみ頂く“ホームコーヒー”ですから、前述のテクニック(=苦労)不要!が目指すところです。そのためにも“クリーンな豆のご提供”に努めているわけです。クリーンな豆は雑味が無いわけですからその制御を気にすることなく、味が最大限出る方法を選択するだけです、つまり加減不要⇨テクニック不要と言うことです。具体的には『粉の挽き方は細かめ。注ぐ湯は沸騰したての熱い湯を。蒸らし不要でゆっくり注ぎ続ける(主旨はそこを熱い状態に保つと言う意味です)。コーヒーメーカー使用なら『粉は細かめ』それだけです。もし機会が有りましたらフレンチプレスを使って『粉は細かめ、沸騰した湯をサッと注ぎ、4分放置後頂く』をお試し頂くと、正に『簡単に美味しく』が、体験出来ると思います。(つぶやきNo.55でも触れました)

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に彩りをお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2023年8月22日火曜日

No.131_焙煎の豆ヤキは焼いている訳ではなくて...


焙煎のことを『豆をヤク』と言ったりしますが、この“ヤク”...実は“焼く”とは少し違った思いでヤイテいます。

因みに僕が持っている“焼く”のイメージですが...

同じ火を使っても水を介せば“煮る”、油を介せば“揚げる”、“炒める”ですから、“焼く”に描く光景は網に乗せた肉、魚、野菜を直火で“焼く”、グリルのイメージです。

グリルにも勿論美味しく焼き上げるプロセス(コツ)があるかとは思いますが、概ね表面を焦し過ぎることなく中心部までしっかり(=適度に)火を通すことがポイントなのかなと思っています。(プロの極意はもっと複雑かとは思いますが)

一方、焙煎に於けるヤクで意識していることは、グリルの様な“焼く”ではなく、『焙煎の進行に沿ってその時々に必要なカロリーを与えてきっちり化学変化を起こさせる』との思いでやっています。ん〜?何を言ってるんだ?ですね(^^;;

焙煎は、ヤキの過程で塩コショウの味付けをするわけでは無いので、前述の化学変化を起こさせて美味しさを作り出す乾熱調理の世界なのです。(化学変化の話は過去のつぶやきNo.76にも記載してますので宜しければご参照ください。)

焙煎の焙の字は、茶を焙(ほう)じるとか、焙(あぶ)るとかに使われますが、状況としてはそれに近いかもしれません。いっそのこと焙煎の“ヤク”は"焙(や)く”と表記出来るとイイのにとさえ思ってしまいます。(苦笑)

因みに世の中の焙煎機にも色々な様式があって豆に直火を当てて焙くタイプもありますが、いろどりこーひーのPROBAT社の焙煎機は、反熱風式と呼ばれる様式で、裸火が豆に触れることは無く、主に熱風、次いでドラムとの接触熱、ドラムからの輻射熱が融合されて焙かれていきます。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に彩りをお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2023年8月14日月曜日

No.130_コーヒー生豆の調達


お店にはコーヒーの生豆の麻袋が10数袋置いてありますので、時々お客さまから『あれは各国から輸入するのですか?』とか、『どうやって買うのですか?』と言ったご質問を頂くことがあります。そこで今回はその時、お応えした内容をいくつかご紹介させて頂こうかと思います。

 ①生豆の輸入、購入はインポーターの方経由。

 ②店では全種一式(10数種)の生豆保管。そして保管委託先の倉庫で数10袋の在庫保管。

 ③生豆の購入は一つの豆種に関しては年11年分注文。一方、10数種類扱っているので注文は年中。

 ④店の生豆在庫が減ってきたらインポーターの方に連絡(手配)。数日後に保管倉庫から店宛納品。

ここから少し補足になります...

①についてはつぶやきNo.128でも少し触れていますが、インポーターの方との継続的な取引、信頼関係があってこそ、上質な生豆を安定して入手することが出来ています。これはすご〜く重要なこと(肝)で、仮にも都度ネットで生豆を検索、購入なんてことをしていたら、それこそどんな質のものを手にするか分かりませんし、量の確保もままならないと思います。

②で袋というのは麻袋(マタイと読みます)のことで、1袋に3035kgの生豆が入っています。因みに生豆は麻袋に直接入っているのではなくてグレインプロと呼ばれる厚手のポリエチレン袋に封をされた状態で入っています(今回の写真の緑色の内袋です)。生豆は一度に年間使用分を注文しますので、倉庫には数10袋、いろどりこーひー専用の生豆が保管されています。因みにこの倉庫は低温倉庫と呼ばれるもので1年を通じて室温が14〜15℃に制御されています。

③で注文が『年に1回』という意味は、いろどりこーひーの生豆はその年に収穫されたフレッシュなものを使用しているので、ニュークロップが日本に入ってきたタイミングでその先1年間使用する分を予約購入すると言う意味です。コーヒーもいわゆる農産物ですから、それぞれの国でそれぞれの豆種ごとに収穫の年サイクルがあります。コーヒーは赤道を中心とした南北緯25°内の高地で生産されますが、北半球南半球では季節も逆ですので結果的には一年を通して色々な豆が入れ替わり立ち替わり入ってくることから『注文は年中』の表記になっています(一つの豆種で言うと毎年同じ時期に入ってきます)。コメに例えると秋に新米が出回り始めたタイミングで翌秋まで一年間使用する分を見越して一括購入、在庫は別途倉庫保管...みたいなイメージです。^ ^

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に彩りをお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2023年8月8日火曜日

No.129_ゲデブ・ナチュラルのご紹介


エチオピア、イルガチェフェ地方ゲデブ地区で収穫されたゲデブ・ナチュラルのご紹介です。

【完熟フルーツの豊かな甘さ。アプリコット、ピーチの余韻】が持ち味です。

ん?この説明、どこかで聞いたことがある...?

実はこのゲデブ・ナチュラル、昨年春までモカ・ナチュラルの名で発売しておりました。

いろどりこーひーではエチオピア産のナチュラル精製(*後述)された豆をモカ・ナチュラル、アリチャ・ナチュラル、グジ・ナチュラルと発売して来ました。この【アリチャ】、【グジ】は、産地名なのですが、今回入荷した【ゲデブ】の2023年Newクロップもそれに倣い、新たに産地名を冠した“ゲデブ・ナチュラル”のネーミングで新発売です。

風味の特徴は前述の通り、芳醇なフルーツ感が持ち味で、初めて口にされる方は『これがコーヒーの風味!?』と衝撃を受けるほど、エレガントで個性的な魅力を持っています。

* ここで、ナチュラル精製について少しご紹介させて頂きます。

因みに精製とは、コーヒーの木から収穫した果実から種子を取り出し、生豆の状態までする工程のことです。そしてこれは大別すると①ナチュラル式と②ウォシュド式(水洗い式)があります。(ゲデブ・ナチュラル、アリチャ・ナチュラル、グジナチュラルは全てこの①ナチュラル式で精製されています。)

その概要ですが、①ナチュラル式は、果実のまま約3週間乾燥→殻を割って中の種子(コーヒー豆)を取り出す。②ウォッシュド式は、果実を先ずは水槽に約2日程浸けて柔らかくなった果肉を水で綺麗に洗い流してから約3週間乾燥→殻を割って中の種子(コーヒー豆)を取り出す。の違いがあります。

この様に①ナチュラル式は果肉が付いたまま乾燥されることで、フルボディの赤ワインの様な芳醇なフルーツ感が楽しめるわけです。

因みに既に発売中のモカ・ハマは、同じエチオピア、イルガチェフェ地方の豆ですが、②ウォシュド式で精製され、異なる風味を持っていますので、このゲデブ・ナチュラルと飲み比べて頂くのも楽しいと思います。^ ^

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2023年8月1日火曜日

No.128_フレンチシェフに共感する素材選びの大切さ(②/②)


前回(No.127)の最後は『次回は素材を選ぶということの本質、そしてそれを焙煎に照らし合わせると...をテーマにしてみたいと思います。』と締めておりましたので、今回はその続きです。

フレンチシェフの三國清三さんはそんな経験を経て、『素材を選ぶということは、単に新鮮で見た目が良いものを選ぶということだけじゃない。素材の生まれ、育ちを知ってその本質に迫る。生まれ、育ちを知るとは例えば野菜ならその畑へ足を運び、土壌や日当たり、風通し等の環境を知るということだ。そして生産者に会えば、ものづくりに誠実な人はすぐ分かる。

こうして色々な考えを聞いてくると、素材を選ぶというのは、単なる『もの選び』では無く、『生産者との信頼関係に基づいた強い絆の醸成』に辿り着くと感じます。

実は僕がやっている焙煎の世界にもこの心持ちに通じるところがあります。

一方、生豆生産者の方は正に世界各地にいらっしゃるので流石に僕自身がその方達と直接会話したり、信頼関係を気付くことは困難です。そのため僕は生豆購入をインポーターの方(生豆の買い付け、輸入、そして僕らへ販売してくれる方)経由行っているのですが、実はその方が前述のフレンチシェフの如く、定期的に現地に足を運び、コニュニケーションして下さっています。

インポーターの方とは折に触れていろいろお話しします。そして現地の農園の土壌や生産方法、生産者の方の取組む姿勢等伺うことも出来ます。その方も常日頃仰っていますが、『一定量を継続購入し、且つ対話の歳月を重ねることで信頼関係が醸成されていく。良い生豆を手に入れるにはこの関係と歳月を地道に重ねる以外近道はない』と。それによりNo.127で触れたアラン・シャペルさんのエピソードの如く、良質な生豆作りに積極的に取り組んでくれたり、より良質な生豆を優先的に提供してくれる関係が構築されていくわけです。

良質な生豆作りは、適正な施肥や完熟実の限定採取、約3週間に亘る乾燥段階の不良豆除去等とにかく手間ひまを掛けてやり切ることで初めて実現されることです。それを依頼するにも、応えて頂くにも信頼関係抜きでは達成されません。それを僕が依頼しているインポーターの方はやってくれています。“餅は餅屋”と言うことですね。

僕の立場から言えばインポーターの方との信頼関係が、その先にも繋がっているとの思いです。そして生産者の方の一生懸命の思いは、→インポーター→僕→そしてお客さまへと繋がっていくものなので、僕が行う焙煎もしっかり気合を入れてやって行かなくてはと、心して日々挑んでおります。^ ^

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ