2021年4月29日木曜日

No.9_『酸っぱいコーヒー』は嫌いです!


『No.7_コーヒーの味を言葉で表現するということ』の中で味を言葉で表現すること、同じ感覚を持ってやりとりすることの難しさについて記載しました。そして味表現の中でもとりわけ“酸味”に関するやりとりが一番難しいと僕は感じています。まず酸味というと『酸っぱいコーヒー』or『酸っぱくないコーヒー』のように、“嫌なもの”が有るか無いか(もしくは多いか少ないか)...何にしても“酸味”=“嫌なもの”と捉えられている傾向が強いように感じます。もちろん僕も『酸っぱいコーヒー』は嫌いです!

この嫌な酸っぱさ、若しくは刺激的な酸っぱさが発生する原因はいくつかあります。一つ目は素材(生豆)から来るもの...これは生豆(焙煎する直前の豆の状態で『ナママメ』と読みます)が製造される過程の問題です。木に実るコーヒーの果実は“コーヒーチェリー”とも呼ばれ、さくらんぼに似た赤い実がなります(種類によっては黄色い完熟実もあります)。実が赤くなるまでには緑色→黄色掛かって→オレンジっぽくなって→赤く完熟していく過程を経るのですが、この完熟実のみを収穫することがまず大切です。それ以前の状態で収穫した豆は未熟豆と呼ばれ、嫌な酸っぱさの原因となるからです。収穫された実は乾燥→脱殻(殻を割って中の種子を取り出す)を経て生豆が製造されますが、この過程で乾燥が不十分だったり、清潔度が不足することも雑み(酸っぱさ)の原因になります。(他にもいくつかの要因はありますが、ここでは割愛します。また、この乾燥、脱殻の過程も産地毎に違う手法を取っていますので、別の機会に触れてみたいと思います。)


二つ目は焙煎手法から来るものです。焙煎の焙の字は、焙る(あぶる)とか焙じる(ほうじる)にも使われますが、大雑把に言うとこの作業は豆の水分抜き過程、焙煎過程(珈琲生豆成分に化学変化を起こさせて珈琲豆に仕上げる)を経るのですが、必要なタイミング(経過時間、温度)で、必要なカロリー(火力×時間)を与え、適正に仕上げていくことが肝要です。この適正にと言うのは必要な化学変化を確実に起こさせることと、一方で余計な変化(表面焦げや芯の生焼け等)を起こさせないと言う二つの意味での“適正に”です。

いろどりこーひーでは、これら二つの要素(良質な生豆を使用、適正に焙煎)が備わっていれば、少なくとも『“酸っぱい”=“嫌なもの”としての酸味は、排除出来る』との信念で、日々焙煎しています。

コーヒーは言ってみれば果実ですので、酸味は必ずあります。コーヒー産地毎の味の違いの多くは(他にも要素はありますが)この酸味の質と量の違いから来るものです。そしてこの良質な酸味が...スミマセン紙面切れになってしまいました...(>_<)

酸はホント奥が深いです。この続きはまた次回以降触れますね。(^^)/

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月24日土曜日

No.8_緊急事態宣言発令に伴って...

昨晩(4/23)、東京都を含む4都府県に緊急事態宣言が発令されました。これに伴い、いろどりこーひーでは当面の間(本日4/24〜5/11の間)、店内での試飲コーヒーのご提供を中断させて頂きます。

『No.7_コーヒーの味を言葉で表現するということ』にも記載した通り、本来いろどりこーひーでは、店内でご提供する2種類の試飲コーヒーをとても大切に考えています。と言うのも(前回投稿と一部重複しますが)、試飲コーヒーは、お客様と味について会話する際の物差し(基準、尺度)としての役割を担いますし、何よりお客様に『いろどりこーひーの珈琲豆は美味しいのか!?』をご確認頂くためにも、是非お試し頂きたいとの思いがあります。

話は少し横道に逸れますが、いろどりこーひーでは、ネット販売初購入者限定で“いろどり初めてセット”と銘打った100gずつ5種類のコーヒー豆をセットにした商品(¥3,500、税・送料込)をご提供しております。これも前述の通り、『いろどりこーひーの珈琲豆は美味しいのか!?』、『自分は華やか系、しっかり系、まろやか系どの傾向の豆が好みなんだろう?』、『これとこれの味の違いはどうなんだろう?』、店頭であれば2種類のコーヒーの試飲を通して、ほぼこれらの疑問は解消出来ますが、ネット販売では試飲が出来ないので、それを補うためにとの思いでご用意した商品です。

話しを『緊急事態宣言発令に伴って...』に戻しますが、いろどりこーひーでは新型コロナウィルス感染症予防に関して、既に以下の取り組みを行なっています。①店内3箇所のアルコール消毒液設置:これはお店の出入口に設置したお客様用の他、レジ台に1つ(お客様と現金、カード類のやり取りをする前後に店側で使用します)、試飲コーヒーポット横に1つ(試飲コーヒーをお出しする前後に店側で使用します)。②レジカウンター上にアクリ板設置、③換気、通風(お店の入り口扉他、焙煎機脇の扉も開け放ち、またドアガラリ解放、換気扇常時運転等)、④都度アルコール消毒液使用の上、拭き取り(試飲ご利用後のテーブル他、各所都度アルコール消毒液噴霧、拭き取りを行っております)、⑤店員の頻繁な手洗い、マスク着用...等々

お客様もこの状況下でほんとに色々な場面、行動の中で晴れない気持ちや、やるせ無い思いを抱えておられるかと思います。しかし今こそ皆んなで力を合わせて踏ん張って、なんとかこの状況を打破して行きましょう!

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月19日月曜日

No.7_コーヒーの味を言葉で表現するということ

もしかしたら、このコーナー初の珈琲に関する話題かも知れません(^^;;

お店を開けてもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。本当にたくさんの方に足を運んで頂いて心の底から感謝申し上げます。既述の通り僕は昨年まで会社勤めをしていましたので、環境は180°変わりました。今のベースは“お店でお客様をお待ちする“、そこからのスタートですのでお店にお立ち寄り頂くことは本当に有り難く、嬉しいことです。

で、お客様と会話する一番の中心は販売しているコーヒー豆の味についてです。ここにはどのようなタイプの豆があるのか、豆種ごとの味の違い、お客様の嗜好にあった豆の選択...

そこで味を言葉で表現する、伝える、同じ感覚で通じ合うと言ったことが必要になるわけですが、とりわけ“酸味”が話題の中心になることが多いです。『私、酸味が苦手なので...』といったお話です。いろどりこーひーでは、お客様とこれら味、嗜好の会話をするきっかけのため、コーヒー豆の味の傾向を『華やか系』、『まろやか系』、『しっかり系』の3つに分類しながら、ご説明したり、嗜好を伺っています。もちろん世の中のコーヒーの味がきっぱりこの3カテゴリーに分類されるわけではありません。ですので、いろどりこーひーの店舗では傾向の異なる2種類の試飲コーヒーをご用意し、それをお試し頂いてお客様が感じるお好み、感想を基に選択頂いたり、お勧めしたりしています。

試飲頂いて『こっちが好き、これ頂きます』と言う場合もありますし、『さらに酸味が少ないもの』、『もっとカチッとコクが深いもの』、『さらっと飲みやすいもの』、『アイスコーヒーに合うもの』、『ミルクを入れて合うもの』等々のお話を頂きます。一方で難しいのは求めている味、お勧めする味が言葉で一致しても、味に関しては誰もが同じく感じる絶対的な物差し(言葉)が存在しないと言うことです。

とはいえ、美味しく感じるためには、豆種に関わらず『雑味がなくクリーンであること』、『ほんのりした甘味に包まれていること』が大切で、それがあると『後味の余韻の心地よさ』、『マウスフィール(飲み口)の心地よさ』に繋がって行きます。いろどりこーひーでは、その”心地よさ”実現のため、先ずは仕入れる生豆(ナママメ)の品質を厳選し、そして最適な焙煎を行い味覚のベースを整えています。

最適な焙煎...これは話し始めると更に長くなってしまうので、また別の機会で触れますね。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月13日火曜日

No.6_で、何するの?自家焙煎珈琲豆店でしょ(^^)/

『No.3_15年ありゃ、なんか出来る!』の続き、『で、何するの?』です。

『全く違う分野のことをしたい!』として最初に頭に浮かんだ分野ですが、ラーメン屋さん?お蕎麦屋さん?たこ焼きやさん?なぜか食べ物やさんばかりでした(笑)

そうこう考えていると小さな喫茶店?なんてのも頭に浮かび、『喫茶店も楽しそうだけど、そこで豆を焙煎しているお店もあるよなぁ』なんて思い始めました。それからというもの焙煎をしている喫茶店、カフェ、焙煎豆屋さんをN ETで検索し、時間を見つけては訪れ、結果的には数年がかりで何十件も行き始めることになりました。(当時、僕は福岡で単身赴任していましたが、福岡市内を中心に他県でもたくさんのお店を、そして帰京時は東京を中心に行く先々で探索を続けていました。)

その分野(珈琲と焙煎)に興味を持ち始めてから、関連の書籍も読み漁るようになっていました。すると資格というか...SCAJ(日本スペシャルティーコーヒー協会)が主催している、コーヒーマイスター養成講座というのをNETで見つけ、3ヶ月間、専用テキストでの自宅学習、実技講習会参加、認定試験を経て、2015年夏、晴れて“コーヒーマイスター”の資格認定を受けました。正直、この資格が有れば即開業できます!と言うことではありませんが、コーヒーの歴史、産地の特徴、収穫から生豆(ナママメ)への製法、焙煎、淹れ方、器具、道具などを体型的に学べたのは、良かったと思っています。

こうして数年たくさんの自家焙煎珈琲豆屋さん、喫茶店、Cafeを回っていると、益々焙煎と言うものに興味が深まっていきました。そしてその後、幸いにも焙煎技術や店舗経営を指南して下さる師匠や最高品質の生豆を世界の産地から仕入れて下さるバイヤーの方にも巡り会うことが出来、加えて大変多くの方にサポートを頂きながらこのお店を開店出来るところまで辿り着いたわけです。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月12日月曜日

No.5_松山選手、マスターズ優勝おめでとうござます*\(^o^)/*

松山英樹選手がマスターズ挑戦10回目にして、悲願のグリーンジャケットに手を通しました!!嬉しくて、嬉しくて!コーヒーネタには全然関係無いんですが、(^^;; 思わずこの書き込みをしています。

僕の日常は『朝早く店に向かい、開店前迄の時間で焙煎をする』のがルーティーンですが、定休日の今日、早起きの目的は松山選手が2位に4打差を付けて首位スタートするマスターズ・ゴルフのTV生中継観戦でした。途中ハラハラする場面もありましたが、ほぼ優勝が見え掛けて最終ホールのグリーンに向かう松山選手をグリーン周りのパトロン全員がスタンディングオベーションで迎えた辺りから僕の涙腺は緩み出してしまいました...そしてウィニングパット、グリーンジャケット、挨拶の最後のセンキュ⤴︎!!いやぁー感動した!泣かせてもらった!おめでとう、松山選手!ありがとう、松山選手!

スミマセン、本当に珈琲に関係のないつぶやき...叫び?でした(^^)v

それにしても池江選手がオリンピック代表復活を決めたときも泣けたし、『歳をとると涙腺が緩くなる』って本当かも...(^^;;

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月7日水曜日

No.4_最初の常連さん...

いろどりこーひーは、葛西小中学校正門の真向かいにあります。

今日は葛西中学校のそして昨日は葛西小学校の入学式でした。始業式もあり、春休みが明けてそれぞれ1学年進級した児童、生徒たちの笑顔や歓声が再び戻ってきました。

いろどりこーひーが開店したのは3月末ですが、それに先立ってお店の内外装工事は、2月初旬に着手しました。それまでここは約2年間テナントが入って居なかったそうで、シャッターを開けて工事をしていると児童、生徒たちが興味深げに眺めながら下校して行くようになりました。

そのうち小学校低学年の子供たちが、『何やってるんですか〜?』、『何が出来るんですか〜?』と声を掛けてくれるようになりました。

子供たちにとっては、店の中が少しずつ綺麗になって行ったり、外壁に色が付いていくのは、興味深く、面白かったんですね。そしてお店の什器家具が入ってきたり、装飾が付いたり、焙煎機が設置されたり、レジ機器が、商品が並び始めたり...子供達の興味は尽きません。

開店する前に既に5〜6組20人以上の子供たちが、下校時毎日立ち寄ってお話したり、質問に応えるようになっていました。こうして開店前に“最初の常連さん”が誕生しました。(笑)

今日は春休み明けで、これら愉快な常連さんも再びみんな元気に顔を出してくれました。(^^;;

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年4月6日火曜日

No.3_15年ありゃ、なんか出来る!

初回投稿『No.1_開店いたしました』に続き、このお店を始めようと思い始めた経緯です。

僕は昨夏58歳になったタイミングで会社を退職しましたが、そんなこんなを考え始めたのは、更に6、7年前に遡ります。でも、流石に最初から『”自家焙煎珈琲豆店”をやろう!』と突如閃いたわけではなく...

最初は漠然と、自分も50歳を超えて、『退職まであと10年を切ったなぁ』なんてことから考え始めたんです。そしてその次は、60歳まではこのまま勤めるとして、『自分は65歳、70歳、75歳にどんな日々を過ごしているのだろう...』、その時『どんな心持ちでいるのだろう...』なんてことを考えるようになりました。

それで次に考え始めたことですが、『余程の大病、事故に遭遇しなければ、75歳でもまずまず元気でいられるはずだ』→『と言うことは、60歳からでも15年間はある』→『15年ありゃ、なんか出来るぞ!』→『そうだ、なんかやろう!』って思いに至ったんです。

そしてその時、『60歳になったら退職して、何か新しいことに取り組もう!』と自分の心の中で決断しました。そう、52歳の時でした。

『60歳で退職する』と決めた後は、『じゃ、何をするんだ?』です。今度はこれを自分が自分に問いかけ始めました。

最初に思ったのは、今の会社勤めを辞めて何かを始めようとしているのだから、どこかの会社に所属しなおすって選択は無いし、更に新たに何かを始めるなら、前職の経験を生かしたその分野の取組みというよりは、全く違うことに取り組みたいと言う思いが芽生え始めました。

『で、何するの?』この自分への問いかけは更に1年近く続きました。

スミマセン…やはり長くなってしまいました(^^;;

この続きは、また次回以降に!

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ