2021年5月25日火曜日

No.12_ブラジル・スル・デ・ミナスと新セットのご紹介



記録的早さで梅雨入りした九州、四国、近畿、東海に続き、関東地域も直ぐだと思っていた梅雨入りですが、宣言前なので“中休み”とは言えませんが、雨がちな日が続きながらも持ち堪えていますね!

さて、今日は新商品をご紹介させて頂きます。シングルコーヒーの”ブラジル・スル・デ・ミナス”です。H P商品ラインナップ中にも既にリリースしましたが、まろやか系として、酸味がとても少なく、且つ苦味の無い程よいコクを持ったとっても柔らかく飲みやすいコーヒーです。

珈琲が苦手な方は、コーヒーの苦さ、酸っぱさが苦手とおっしゃる方が多いですが、『これなら頂ける』と言って頂ける、それくらい飲み易い珈琲です。

今回ご紹介する産地スル・デ・ミナスは、サンパウロ、リオデジャネイロ間の内陸部に位置し、海抜1000〜1350m辺りのブラジルの中では比較的高地のエリアです。世界最大のコーヒー生産地ブラジルですが、産地の標高としては他国の珈琲産地に比べ、比較的低地の部類です。この土地柄が酸味の少ない穏やかなコーヒー豆を生産する要因にもなっています。是非、お試し、そしてお楽しみ下さい。

このラインナップ増加に伴って、セット商品も少し組み合わせを変えました。シングル3点セット、ブレンド3点セット共、選択のバリエーションを増やし、それぞれにAセット、Bセットの2種類の組み合わせから選択頂けるようにしました。一方で全組合せを設定すると種類が多くなり過ぎますので、お好みの3種類のコーヒー豆が選択頂ける”お好みチョイス3点セット”を新たに設けました。この3点は全部違う種類でも!そして全部同じ種類でも!とにかくお好みでチョイス頂けます。

また、来月には、季節のブレンド夏バージョンをご用意しようと現在色々な組合せを思案、カッピングチェック中です。こちらも改めてご案内させて頂きます。(^^)

 

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2021年5月18日火曜日

No.11_焙煎中はF1カーレースのドライバーの心持ちなんです(^^;



既に何度かお越し頂いたお客様から『焙煎しているところ、見たことないですねぇ!?』と言った問い掛けを頂くことがあります。実は焙煎は毎朝開店前の時間帯で行っています。ですからその光景をお客様にお見せすることが出来ないんですねぇ...

これは別に内緒で行っているわけではなくて、一瞬の隙も気が抜けない集中が必要な為なんです。お店の入り口にはシャッターが降りますが、焙煎中も本当は開けた方が店内明るくて良いのですが、やはり集中するため締め切ったまま行います。さながら『焙煎中はF1カーレースのドライバーの心持ちなんです』...はぁ?何?ですよね!(笑)

流石にF1カーは運転したことはありませんが(^^;、T V観戦は昔から好きです。昔...セナ、プロの時代からです!キャメルに中嶋悟さんやピケが所属していた時代で、僕はマンセルがお気に入りでした。彼は時々ポカはするもののキレッキレの時は、誰も太刀打ち出来ない速さとテクニックを見せてくれました。F1レースは305km相当の周回をしてその順位を競いますが、スタートした瞬間からチェッカーフラッグが振られる(トップのドライバーがゴールする)瞬間まで一瞬たりとも気が抜けません。例えば運転中、ブレーキ操作が少しでも遅れれば、コースから外れたり、前の車に激突してしまいます。タイヤ交換でピットに入る間も1/100秒を短縮するため、必要な作業や確認を猛スピードで行います。

これが焙煎中の心持ちと似ているんです(と、思っているんです)。スタートは最初の生豆を焙煎機の窯に投入した瞬間。チェッカーフラッグは全ての豆の焙煎が終了して焙煎機の火を消した瞬間です。1回の焙煎自体は生豆投入後、概ね20数分で完了しますが、その間、釜の中の温度は時間の経過と共に刻一刻と上昇し続けます。焙煎中行う動作は、言うなれば火力の調節だけです。ただし、最適な焙煎を完璧な再現性を持って実施するには上昇する温度10℃毎の目標通過タイムを±10秒以内の誤差で制御していく必要があります。これにはデジタル温度計とデジタル時計の両方を見比べながら(睨みながら)その日の天気、温湿度、豆種毎に変わる条件変動も取り込みながら調整して行かなくてはなりません。焙煎は毎朝数窯(ロット)焙きますが、そのロット間も息抜き時間ではなくて、釜の温度下降状況を横目で見ながら、次の豆の軽量、焙煎ノートを広げて、進め方の確認、方針決定そして所定の温度で再点火、再投入、そして先ほどの集中が再びスタートします。頭の中ではグルグルいろんなことを考え、計算しながら進めますが、これを見た目淡々と冷静に進める。正にF1レーサーです! と、こんな大風呂敷を広げちゃうとF1レーサーに怒られちゃいますね(^^;...でも日々こうして、なりきりで取り組んでおります。


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2021年5月3日月曜日

No.10_良質な酸味を楽しむ



『No.9_『酸っぱいコーヒー』は嫌いです!』の中で、“嫌な酸味”についてお話ししました。これが極端になるとアストリンジェント(Astringent)とも言われる渋み、エグ味と言った類の刺激の表現を帯び始めます。そしてそれらが発生する主な要因、さらにはそれらを無くすための方策について触れました。今日はその上での“良質な酸味”についてのお話です。

話は少し横道にそれますが、皆さんは果物はお好きですか?果物を口にした時にも、『うわー酸っぱい!』と感じたり、『うわー甘い!』、『うわー美味しい!』と感じる瞬間がありますよね!これはどの果物もそれぞれ酸を持っていて、その質と量の違いが、味の違いであったり、美味しさの違いに結びついてるからなんですね。みかんやブドウを口にして、『これ甘くて美味しい〜!!』ってことあるでしょ、この感覚です。コーヒー豆も果実の種子ですし、焙煎してもフルーツの要素を持ってるんですね。と言うわけでコーヒーもその豆が持っている酸の質と量の違いが、風味、味わいの違いを形成します。

またまた話が横道にそれますが、皆さんはワインはお好きですか?ワインはブドウから作られることは誰もがご存知ですね!ワインの世界では産地特有の個性(その土地の気候、風土、土壌等畑を取り巻く自然環境要因。これをテロワール(terroir)と言います。)に起因する風味の違いを楽しむと言う考え方があります。さらに栽培方法、収穫方法、醸造方法、輸送、販売等人的要因も加わり、最終的に僕たちは一杯のグラスのワインを手に出来るわけですが、この『テロワール』の考え方はコーヒーの世界にも共通してあります。(『From Seed to Cup』と表されたりもします。)

嫌な酸味、刺激をアストリンジェントと表現するのに対して、良質な酸味はコーヒーの世界ではアシディティ(Acidity)と表現します。これがあることにより、フルーティさ、フローラルさ、シトラスさ、華やかさ、明るさ、キレの良さ、そして魅力が感じられるんです。アストリンジェント寄りな酸味体験で『コーヒーは苦手』となってしまうことは、ホントに残念でもったい無い事です。是非、アストリンジェント感が一切無いいろどりこーひーで、コーヒーの産地ごとの良質な酸味(アシディティ)の質と量の違い、そしてテロワールを体験、お楽しみください!

『良質な酸味』を体験した上で、果物のように好物(嗜好)が分かれるのは当然ですし、それをご自身で発見することはとても楽しいですよ!

その機会をご提供するのが、僕の使命との思いで日々焙煎に勤しんでおります。^ ^

なんだか今日はカタカナ、横文字が多くなりましたが、良質な酸味体験をお伝えしたく、このようなことになった次第です...(^^;;

 

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