2023年1月30日月曜日

No.102_人を幸せにしてくれる場所・寄席


僕の趣味の一つに寄席があります。

寄席(よせ)という言葉は聞いたことはあっても、若しかしたら具体的には馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんね。

寄席と聞いて、落語を連想される方も多いと思われますが、寄席は落語等を演っている場所を指す言葉で、しかも東京にある4箇所のみがそれに該当する場所です。4箇所は新宿の“新宿末廣亭”、上野の“鈴本演芸場”、浅草の“浅草演芸ホール”、池袋の“池袋演芸場”です。(実は池袋だけ行ったことがないのですが(^^;;)

ですから、趣味が寄席と言うより、本来は『趣味は寄席通いです』と言うべきですね。

それと先ほど『寄席は落語等を演っている場所』と記載しましたが、この“落語等”というのは、落語、講談の他にも漫才、マジック、曲芸(コマ回し、動物の鳴き声のモノマネ、大神楽等)、ギターや三味線を弾きながらの漫談等の方々も出演します。これらの演目は色物(いろもの)と呼ばれます。さながら、いろどりを添えると言ったところでしょうか...(^^;;

通常、1人(1組)の持ち時間は約15分、1時間に4人(4組)の方が演じられ、その内約1/4が色物さんです。

そしてその日最後に演じられる方がトリで、演目上は“主任”と表されます。主任の持ち時間は約30分ですので、“たっぷり”と迄は行きませんが、それでもしっかり話が聴けます。

僕の一番のお気に入りが柳家小三治さんだったことは、このNo.33にも記載した通りですが、小三治さんが出演する席(毎月1〜10日を上席、その後を中席、下席といい、そこで出演者のグループが入れ替わります。)をネットで見つけては、新宿、上野、浅草と毎月のように足を運んでいました。

寄席の魅力ですが、お気に入りを間近に観られるのが一番ですが、寄席そのものの空間、雰囲気が好きです。寄席は映画館とは違って会場全体が明るい空間です。そのため周りの客の雰囲気も良く見えるのですが、そこに居る皆んなが柔らか〜い、優し〜い、にこやか〜な表情を浮かべ、時に笑い声で溢れるそんな和やか、幸せ空間に身を置くこと自体がとても好きです。そうですね〜僕にとっての寄席は『人を幸せにしてくれる場所💕』なんです。

そんな寄席ですが、新型コロナ禍以降、すっかり通う頻度が減ってしまいました。一方でホールで落語を観ることは昨年からボチボチ再開しています。

その中でも定期的に楽しみに通っているのが、毎年1月に開催される立川志の輔さんの『志の輔らくご in PARCO』です。そして今年も年始に行ってきました。前述の寄席は落語協会、落語芸術協会に所属しておられる会員の方しか出演出来ませんが、そこに所属していない立川流の志の輔さんは、ホール公演が中心です。

この公演は毎年1月に20回開催されますが、キャパ636人のPARCO劇場が連日満員且つ、チケットが入手出来ない方も出るのですから、凄いことです。

しかしそれも納得!志の輔さんは毎年新ネタを披露し、落語以外の演出にも工夫を凝らし、僕たちを毎年、楽しませ、時に驚かせ、そして毎度ハッピーにしてくれるのですから、正にお客愛溢れるエンターテイナーです。と言う訳で志の輔さんの公演会場も『人を幸せにしてくれる場所』です。

是非、いろどりこーひーもそれにあやかって『人を幸せにする場所』に近付いて行けたらと思っています。

ではでは!今日はこれから 荒川区のサンパール荒川へ“柳家喬太郎、柳家三三 二人会”を観に行ってきま〜す。  

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2023年1月24日火曜日

No.101_コーヒーの品種のはなし


コーヒーも農作物ですので品種というものがあります。そして世界各地で数々の品種改良が重ねられ現在に至っています。

お米やりんご、みかん、ブドウ、イチゴにもいろいろな名前がありますね。あれも品種改良の歴史と言えます。(にわか知識で今検索しましたが)例えばりんごの“ふじ”は、“国光(こっこう)”と“デリシャス”の交配種とありました。そして国光もデリシャスもアメリカ原産のセイヨウリンゴがルーツとありました。大変余談ですが、僕の子供時代はデリシャスと旭(あさひ)くらいしか、りんごの名前(品種)はなかったように思うのですが...今はいろいろな名前のりんごがありますね。何れにしてもこの二つは懐かしい響きです。

話をコーヒーに戻します。以下は僕も書物から得た知識(情報)ですが、コーヒーはアフリカ(エチオピアやスーダン)に起源があるようです。そしてそこから世界に広まり始めたのが17世紀以降。品種は主にアラビカ種とカネフォラ種(主にロブスタ種)に大別され、アラビカ種が世界に流通している2/3、カネフォラ種は1/3を占めています。風味的に優れているアラビカ種が多く出回っていますが、そのアラビカ種の品種も原種に近いものはティピカ種(ティピカ種のルーツはインドネシアジャワ島に辿り着くようです)、ブルボン種(ティピカ種の突然変異種で18世紀後半マダガスカル島東沖に位置するブルボン島[現レユニオン島]で発見されたとのこと)が2大原種となっています。

その後長い歴史の中で突然変異種が発見されたり、自然or人工的な交配により品種は様々な分岐を辿り、今や200種以上の種類があると言われています。(アラビカ種とロブスタ種を交配させたハイブリット種も数々あります。)

品種改良の歴史を辿るとその目的は多岐にわたります。①耐候性(特に耐霜害性)を増したい。②耐病虫害性(特に耐サビ病性)を増したい。③多収穫性を増したい。④矮性を備えたい(木が高く伸びないようにして収穫し易くする)④見た目を良くしたい(粒が大きかったり、揃っている)。⑤美味しくしたい...等々

実は僕自身はコーヒーに関して品種信奉者ではありません。品種信奉者ではないという意味は、コーヒーの生豆を仕入れる時、その品種云々を強く意識することは無いという意味です。選ぶポイントは美味しいか!そしていろどりこーひーをご利用してくださるお客さまにとって魅力的か!その観点にフォーカスして選定しています。具体的には、すべての豆はテストサンプルを実際にカッピングした後、(持っている風味ポテンシャルを確認後)生豆購入を決めています。

因みに今ご提供しているエルサルバドルを例にとると『レッドブルボン100%』と言う品種です。アラビカ種の原種に近いブルボン種ですが、前述の通りコーヒーはいろいろな目的で交配(品種改良)が進み、原種としてのブルボン100%というのは今やむしろ希少な存在です。

今回テストサンプルをカッピングして、ブルボン種特有の果実を思わせる芳醇さ、且つ滑らかでまろやかな風味、コクがしっかり感じられ、それに魅せられ生豆の購入を決めました。

焙煎ポイントも『これがブルボン100%の風味だ!』と感じられるベストポイントが見つかりましたので、是非お試し、ご体験ください。

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2023年1月16日月曜日

No.100_100回目のつぶやきです!


この“店主のつぶやき”も今日で100回目を迎えました。思えばずいぶん呟いてきたものです。(笑)

2021年3月25日開店以来ですから、約1年10ヶ月での到達です。開店当初は不定期に投稿していましたが、数ヶ月後からは定休の火曜日に投稿することが定着して来ました。今、日数計算アプリで調べてみたんですが、開店から今日まで663日、94週+5日とのことですので、週一ペースで投稿出来た様です。

友人や身内からは、『よくそんな毎週書く事あるね〜』なんて言われちゃいますが、習慣にしてしまうとこれはこれで楽しいものです。続けるコツは『習慣にする!』でしょうか...『やらなきゃ気持ち悪い』みたいな。(笑)

実は普段の生活でも『あっ!今度これ、つぶやきネタにしようかな!』みたいなことに接するとキーワードだけでもスマホにメモるようにしています。そしてこれを始めたおかげで自身の感度が上がった様な気もします。会社勤め時代から、個人事業主になったことが大きな要因の様にも思いますが、自身の身を置く環境、立場も変わり、そして興味の持ち様も変わり、ある意味新鮮な気持ちで日々を迎え、過ごして行けてます。日々の発見、起きることが楽しい!そんな毎日です。

あとは『書く』という行動もいいと言うか...『それによって新たな発見を生む』なんてことも感じています。時々は真面目な(苦笑)焙煎論めいたことも書いて来ましたが、書くことで自身の頭の中にある漠とした思い、認識を整理して来れたなんてことも感じながらやって来ました。

とは言っても焙煎もコーヒーも全く関係のない突飛な話題も多かったですねぇ...春の小川山登りラジオ体操デコポンなんてのもありました。(笑)

そして登場人物も松山英樹さん長嶋茂雄さん柳家小三治さん矢沢永吉さん立川志の輔さん辻井伸行さん木梨憲武さん藤原竜也さん等々色々な方にご登場頂きました。(^^;;

とは言え、このコーナーは『コーヒーコラム』なんてマニアチックなものにはしたくは無かったですし、この際僕の全てを曝け出しながら、お客さまとコミュニケーションして行けたらいいなぁとの思いで“店主のつぶやき”と言う名にした経緯もあります。実際、ご来店頂いたお客様から、『店主さんは◯◯が好きなんですねぇ』とか、『この間のつぶやき読みましたが、私も...』と、ここから話題が広がることも多く、おっ!読んで頂いてるですか!なんて、とっても励みになります。

そんな中、ある時、あるお客様から『“つぶやき”毎週読んでるんですが、過去の話も読んでみたくなった時、数話ずつ頁を遡って行くしかなく、話題を探すのにとっても大変なので目次の様なものがあると良いのですが...』とのお話を頂きました。なんと有難いご要望!しかしながら僕が使用しているこのホームページ会社の仕組みでは、目次機能が無いんです。とは言え折角頂いた大変有難いご要望です。だったら手製で作りましょう!!と言うことで全て自身の手打ち、回ごとにリンク貼り付けて行って遂にに完成しました!今後はこの欄の最下欄にバックナンバーはコチラと言うリンクを置いておきますので、興味を持って下さる方は是非ご参照ください。(*印で外部リンクも並行掲載)

と言うわけで、引き続き毎週色々なことを呟いていきますので、何卒よろしくお願いします。

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2023年1月10日火曜日

No.99_不器用の一心


今回は妙な表題で、なんだろー?と思われた方も多いと思います。

本題の前に前置きですが、僕のやっている焙煎という仕事...これは紛れもなく【職人】の世界に足を踏み込んだと思っています。【職人】...こう聞いて皆さんは、どんな印象を持ちますか? 僕は【職人道】とも捉えられるこの言葉=そう言う域に何か崇高な思いを寄せています。とは言え、それが真にどんなものか、現在は知り得ていない、未知の世界でもあります。そこに少しでも触れてみたい、少しでも足掛かりを得たいと思って、この店を始める前辺りから、そして今も、色々な分野で【職人道】を貫いておられる先人たちの本を読んだり、映像を見たりしています。

その中でも取り分け興味を持ったのが、宮大工の西岡常一(1908-1995)さんとその唯一の内弟子、小川三夫(1947-)さんのお話です。

お二人の著した若しくは題材とされた本は既に相当数読みました。また、今の時代YouTubeを通して、ご当人達のお話がいつでも聞けるのですから、ありがたいものです。

西岡常一さんは祖父、父と三代に亘って法隆寺専属の宮大工を務められた方で法隆寺の昭和の大改修(1934-1985)、後年薬師寺伽藍復元工事(金堂、西塔他再建)に棟梁として従事された方です。

そして小川三夫さんは、高校の修学旅行で法隆寺を訪れた際、それが1300年前に出来たものだと聞き衝撃を受け、その時代にどうやってこの様なものが造られたのだろう?この様な仕事がしたい!と西岡さんを訪ね弟子入り志願。何度も断られたのち、4年の歳月を経て、弟子入りが認められ、西岡さんと薬師寺伽藍他の仕事を共にしてきた方です。そして10年の後にご自身で起業され、その後数々の寺社建築を通して後進の若者を育て上げてきた方です。

そしてお二人の言葉はとても示唆に富んでいます。その中でも僕が特に気に入っている(こう在りたいと感じた)『不器用の一心』に関わるくだりを以下ご紹介させて頂きます。

『器用は損だ。手先の器用な子は頭も器用や。要領良くやって褒められる仕事もあるだろうが、ウチらのように一つ一つを確実に積み重ねていく仕事にはそういうものは要らないんだ。器用な人は器用に覚えやすい。ある段階までは、速いスピードで行ってしまうから、油断というか仕事を甘く見てしまうんだな。修行時代の器用なんていうのはたかが知れたものや。器用ではこなせない仕事がたくさんある。そういう子らは何をさせても一通りは出来るが、ずば抜けたものが無いな。

思いを込めた仕事となったら器用な子には難しいんだ。器用な子は耐えることが不得意なんだな。自分は出来るし、出来ると思ってるから器用にその方法を見つけ、これでイイと言う線を選んでしまう。だからどうしても耐えて耐えて、もっと深いところまで行くということが出来ないんだな。ウチでは不器用の一心がイイな。根が不器用やから嘘をつかないし、仕事もそうや。こういう子は多少でも満足できるものを求めて、根気よく努力するからな。西岡棟梁の言葉、『不器用の一心に勝る名人はない。』手や体に記憶させた事は、そう簡単には忘れん。時間をかけて覚える事は何も悪いことではない。斧を研いで針にする。それでいいんや。』

僕もこの『不器用の一心』を常に心に刻み、今年も毎日、毎日、焙煎に取り組んで行きたいと思っています。

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2023年1月1日日曜日

No.98_本年もどうぞよろしくお願いします


あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

写真は今朝撮影した旧江戸川越しの初日の出です。今年も快晴の下、綺麗な初日の出を拝むことが出来ました。新年を迎えると言うのは、やはり『気持ちも新たに!』と、晴れ晴れいいものです。

とは言え、僕自身何かを達成する!とか、何かに挑戦!と言った大それた目標、抱負がある訳ではありませんが、まずは健康第一、そしてお客さまとの繋がりが末長く続き、また、広がっていくことを願うのみです。あとは年末、前回(No.97)のつぶやきでも書いたばかりですが、『お客さまと一緒に未だ未知の色々な価値を創造していく!』そんな年に出来たらいいなぁと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。

さて、新春を飾る季節のブレンドは、昨年も販売し、ご好評頂いた“ブライトスマイル”と“カフェ・ノワール”をお届けします。

ブライトスマイルは、新年を飾るにふさわしい、眩しさ、明るさ、華やかさが感じられるブレンドです。一方、華やかでありながらも、サラッと飲み易い!そんなブレンドです。

カフェ・ノワールは、深煎りしっかり系のブレンドですが、アリチャ・ナチュラルも配合し、『異なる風味が交錯。際立つコクと温もり』がテーマのブレンドです。飲み進むほどに異なる美味しさが顔を出します。そして是非、冷め切った状態でもお試しください。最初の一口とは全く異なる印象が楽しめます。

いろどりこーひーは今年も『珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けする』をテーマに美味しいコーヒー豆作りに取り組んでいきます。どうぞよろしくお願いします。

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