2022年11月29日火曜日

No.93_焙煎の大敵、焦げ感...


本日の写真は店内から外を撮影したものです。街路樹のイチョウの黄色がピークを迎えておりますが、落ち葉対策でしょうか、区の手配で次々と枝、葉が伐採されて行きました。イチョウの黄色もいよいよ見納め、そう!今週から師走ですものね!

さて、今回のテーマは、『焙煎と焦げ感』です。いろどりこーひーでは、一切の【焦げ感】が無い豆を目指して焙煎しています。ここで【焦げ】ではなく、【焦げ感】と表現した意味合いですが...(自論かもしれませんが)、【焦げ】は見た目も分かる黒い焦げを指していて、【焦げ感】は見た目はそうとは見えなくても味わってみると感じる焦げ感という意味です。

この焦げ感は、雑味の無い、クリーンな豆を作る上での大敵です。これがあると最初の口当たりからザラつきを感じたり、『苦っ!』と感じることにもなります。焦げ感があると後口も悪くなります。過去にコーヒーを飲んで、なんか舌の奥の方、又は上顎の奥の方に嫌な感じが残り続けたなんてことはありませんか?それはこの『焦げ感』が悪さをしている可能性が高いです。

話の流れで【焦げ】→【焦げ感】と来ましたので、→【ベイクド感】についても少しだけ触れてみます。

【ベイクド感】...あまり聞きなれない、そして使わない表現かもしれませんが、これは前述の焦げ感に至る前の本当に【微弱な焦げ始め感】と言ったニュアンスです。

実はこの【ベイクド感】は微弱な分、少し厄介です。と言うのも人によってはこれをコクと捉える方もいらっしゃるからです。世の中で『深煎りはコクが深い(強い)』と表現されることが多いように思いますが、このベイクド感をそれと感じていることも多いのです。逆の捉え方をするとこのベイクド感を以ってコクを表現しようとしている焙煎も多いということです。

方やいろどりこーひーでの焙煎はこのベイクド感も排除することに努めています。ベイクド感が無くても豆のデベロップ(成分の化学変化)によってコクはしっかり出すことが出来ます。因みにいろどりこーひーの豆はどれもマットな(テカリの無い)褐色をしています。

ベイクド感ゼロの豆は、豆本来の美味しさが堪能出来ます。そしてその風味は飲んだ後も心地良〜い余韻として長〜く続きます。こんな幸せなことはありません。(^^)

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2022年11月22日火曜日

No.92_ほんの少しのズレが思わぬ効果を生む(こともある...)


今回の写真ですが、店に行く途中、綺麗な木があったので写真に収めようとしたところ、朝日が眩しく逆光だったので、木の幹に重ねる構図でそれを防いだつもりが、この様に丁度いい塩梅(あんばい)に陽が抜けて寧ろ面白い写真になりました。(^^) これは『ほんの少しのズレが思わぬ効果を生んだ』そんな体験でした。

実は焙煎でも『ほんの少しのズレが思わぬ効果を生む』ことがあるんです。ここで言う“ズレ”と言うのは、焙煎中の進行のズレと言う意味です。焙煎は出来上がった豆の風味の再現性を保つため、ひたすら同じ進行を目指すのですが、一方でその日の天候、温湿度、何釜目の焙煎か(焙煎機自体の蓄熱エネルギーが変わります)他の影響を受け、微妙にズレる時があります。

大方の場合、そのズレは無い方が良いのですが、稀にそれがプラスに作用して、予期せぬ微妙な良い風味をもたらすことがあります。それは、焙煎後のカッピング時に発見するのですが、そうなった場合は、次の焙煎でその検証を行います。意識的にそのズレた進行を再現し、そしてまたカッピング!そこであの時感じたあの微妙な風味が再出しないことも多いのですが、再び感じられた時は次回以降、その進行フローを標準に切り替えます。味作りにはこれで良いと言う終わりは有りません。

基本は同じことをひたすら繰り返す、同じに出来ることは全て同じにする。それを繰り返して研ぎ澄まして行くと小さな、小さな変化(予期せぬ『これはいい!』)を拾うことが出来る。それが幻じゃなく、現実だったらそれをルーティンに組み込む。そんな繰り返しを何年も続けて、店の味が作られて行くのだと信じています。そして、日々同じことを繰り返しています。

今回の写真も予期せぬ『これはいい!!』を拾うことが出来ました。(^^)

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2022年11月15日火曜日

No.91_素敵な贈り物


このつぶやきNo.86で葛西小学校2年生の子供たちが、“まちたんけん”の授業でいろどりこーひーを訪問してくれたことをご紹介させて頂きました。そして先日ご担当の先生が店を訪れ、その子達からのお礼メッセージを届けて下さりました。メッセージは1枚の台紙に貼られ、当日の見学状況の写真も添付されたポスター状のものとして頂きましたので、さっそく店のレジ台脇に掲示させて頂きました。(それが本日の写真です。)

そこに記載頂いた内容を原文のまま以下転記します。

いろどりこーひーをみせてもらってすごいなぁとおもいました。いちばんすごいなぁとおもったのはばいせんきのまめをいれてあつくするのがすごかったです。いろどりこーひーがんばってください。】←焙煎機の仕組み、作業の概略を説明しましたが、みんな真剣に聴いてくれました。応援の言葉も頂き、嬉しい限りです。

わたしはこーひーまめを三週間ほしているのがびっくりしました。さむいところでそだっているのがすごかったです。】←赤道近くの高地(寒暖が15℃〜25℃辺り)がコーヒーノキの生育環境に適していることを説明しました。コーヒーの実は約3週間天日乾燥されたのち、脱殻してその種子(珈琲豆)を取り出します。

おみせのコーヒーが手づくりだとしりました。コーヒーは国のまん中でできていることもわかりました。】←世界地図を示しながら、コーヒーは赤道付近の国々で生育、生産されていることを説明しました。

いろどりこーひーのみなさんへ。コーヒーをつくるときはばいせんきをつかってまめをやいて作るなんてしらなかったです。まめをこなにするきかいをはじめて見ました。】←みんな初めて見るものばかりで、とっても興味を持って見学、そして質問してくれました。

町たんけんすごくたのしかったです。いい思いでになりました。またあそびにいきたいです。】←是非是非!また遊びに来てください(^^)/

いろんなことをおしえてくれて、いろんなことをしらせてくれて楽しかったです。わたしがかったコーヒーをのんだらきっと『おいしい!』というと思います。】←後日、お母さんと一緒に店に来て下さった子ですね!ありがとうございます。

コーヒーまめのきかいがとっても大きいこと、コーヒーまめの木が1年半ぐらいかかって大きくなること、コーヒーのまめをやくのに2時間ぐらいかかることなどが分かりました。】←コーヒーノキは実際は苗木を育てるのに半年、それを畑に植えて収穫出来るには3年程掛かります。1回の焙煎は実質20分位ですが、余熱時間や次のロットの待機時間もあるので、複数のロットを焙煎すると2時間位掛かります。

いろどりコーヒーのみなさんへ。わたしはもともとコーヒーのことはしらなかったけどいろどりコーヒーにいってコーヒーをつくるものがわたしたちのしつもんに答えてくれましたね。】←『コーヒーをつくつもの』って...(笑)、楽しい!

実は見学を頂いた以降、半数の子供達がお母さんを連れ立って再訪してくれました。お母さん達からはそれぞれ、『娘がお世話になりました。』、『見学が楽しかったって、当日いろいろなお話をしてくれたんですよ』、『娘が一緒に行こうよって何度も言うものですから...』と言ったお話も下さり、本当に嬉しくなりました。

こちらこそ!本当にありがとうございました。(^^)/

 

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2022年11月8日火曜日

No.90_自家焙煎コーヒー豆屋の心持ち/その2


前回に続いて今回の写真もご近所で撮影した写真です。“その2”と言うこもあって敢えて似た構図としましたが、今回の樹種は春の主役、桜です。秋は秋でこの紅葉、そして落葉して行く様もなかなかいいものです。

さてさて、今回のタイトルですが、前回に続き『自家焙煎コーヒー豆屋の心持ち/その2』です。

そもそも焙煎コーヒー豆店ではなく焙煎コーヒー豆屋とした理由ですが、焙煎豆店とすると“店”と言う物理的な印象を持ちますが、焙煎豆屋とするとそこで働いている“人”が想起出来ると感じたからです。そこで働いている“人”って僕のことなんですが(笑)

前回No.89では、焙煎コーヒー豆屋の努めとして『美味しい豆をご提供すること』、そしてその条件は、

 ①雑味のないクリーンな豆

 ②誰でもテクニック不要でお手軽に安定して美味しく淹れられる豆

であると記し、その上で『いろどりこーひーをより美味しく頂いて頂くためのポイント(観点)がほんの少しあります』と言うところで話が終わっていました。今回はその続きです。

コーヒー豆(粉)はどうしても『淹れる』と言う一手間を経ないと頂けないものですが、その一手間をよりシンプルに、加減不要なものにして、お手軽にコーヒーがある生活を楽しんで頂きたい...その観点で以下、話を続けます🎶

先ずコーヒーメーカー(=抽出器具)をご利用されている方へのお勧めは『粉への挽き方は細かめに!』、この一点のみです。(細かめの方が、湯が良く染みて『風味が最大限に出る』と言う理由です。)

次にハンドドリップなされている方へのお勧めは上記に加え、『沸騰したての熱湯を蒸らし無しでゆっくり注ぎ続けて!』です。これも熱湯の方が『風味が最大限に出る』と言う同じ理由です。蒸らし無しというのは、その間そこの温度低下を招くより、熱い状態に保った方が『風味が最大限に出る』という理由です。

世の淹れ方テクニックは、『雑味の抽出を制御するために』を観点としているので、粉は細かく挽いてはダメ!、沸騰したての湯はダメ、90℃位で!、蒸らしで粉を膨らませてから、その後中心部に500円玉サイズの円を描くように慎重に注いで!、湯が落ち切る前に次を注いで!、そのペースも最初の何秒で何cc、次の何秒で何cc、最後も湯が落ち切る前にドリッパーを除いて!と言ったことがこと細かく推奨されています。

しかしこれをいろどりこーひーの豆に適用すると、美味しい成分の抽出まで制御されてしまいますので、いろどりこーひーを頂くときは是非『粉挽きは細かく、湯は熱く』加減無しのいろどり式をお勧めします。

と言うわけで、焙煎豆屋の努めは、『誰でもテクニック不要でお手軽に安定して美味しく淹れられる雑味の無い豆をご提供すること』だと思っています。

そのためにも良質な生豆の調達、確かな焙煎技術の向上に日々努めて参ります。

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2022年11月1日火曜日

No.89_自家焙煎コーヒー豆屋の心持ち/その1


本日の写真は自宅近くの道を歩いていて撮影したものです。身近なところでも秋の深まりが感じられる今日この頃です。

ところで今回のタイトル『自家焙煎豆屋の心持ち』は、この写真とは全く関係のない、ちょいと堅苦しい題材となりました(苦笑)。

これはいろどりこーひーとしてやらなければならないこと➡️僕がやらなければならないこと(やろうとしていること)と言った意味合いなのですが、結論を先に言ってしまうと『お手軽に美味しく飲めるコーヒー豆を安定的にご提供する』ということです。

実はこの『お手軽に!』が大切なポイントだと思っているのですが、先に『美味しい豆』について触れると、僕なりに定義、目指すところがあります。細かいことを言えば色々あるのですが、ざっくり言うと、

 ①雑味のないクリーンな豆

 ②誰でもテクニック不要でお手軽に安定して美味しく淹れられる豆です。

僕はこの①に自家焙煎コーヒー豆屋の心持ちが凝縮されていると思っています。固苦しく言うと“責務”とさえ思います。それは『雑味の無いコーヒー豆さえご提供出来れば、あとは飲む方がどんな淹れ方をしても美味いコーヒーが出来上がる』と言うことです。世に言う美味しいコーヒーの淹れ方とかテクニックといった類は全て『雑味の抽出を減らすために』を観点としていますが、そこに雑味がなければ、そのテクニックは不要で、ただただ『コーヒー成分を最大限に出し切るために』に集中出来るということです。これがいろどりこーひー式の考え方です。

コーヒー豆は、パンやケーキ、菓子、惣菜などと違い、買って来てそのまま食べられるものではなく、どうしても淹れると言う行為(一手間)が必要です。この一手間は、無くせませんが、それを②に記載した様に出来るのが①の豆ということです。

焙煎豆屋はコーヒーを美味しく飲んで頂くのにお客さまに淹れ方のテクニックを求めること無く、お手軽に安定して美味しく頂けるコーヒー豆をご提供することこそ大切だと思っています。

その上でいろどりこーひーをより美味しく頂いて頂くためのポイント(観点)がほんの少しありますので、それは次回以降、“その2”で触れさせて頂きたいと思います。

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