2021年8月31日火曜日

No.28_チャフ


本日は少したわいも無い小ネタ的な話題です(笑)

サムネイル写真をご覧になって、『左上のものは、何だ?』と思われた方も多いと思います。

これ『チャフ』と言いまして、焙煎終了後出るコーヒー豆の皮なんです。サイズ感が伝わり辛いかもしれませんが、一見すると削り節のようです。

以下、とっても大雑把ですが、コーヒーノキの果実からコーヒー豆が出来上がる流れ(ウォッシュド式の場合)ですが...果実を収穫→1〜2日間水槽に浸けて柔らかくなった果肉を取り除き→殻(パーチメントと言います)付き種を取り出す→乾燥(約1〜2週間)→脱殻(殻を割って種子であるコーヒー豆を取り出す)→麻袋に詰め輸出(この状態の豆は生豆[ナママメ]と呼ばれます)→所定のルートを経て店に生豆納品→焙煎→コーヒー豆の出来上がり!となります。

前述の殻(パーチメント)を割って取り出した、種子はシルバースキン(銀皮)と呼ばれる半透明の薄皮に覆われていて、焙煎中の熱により剥がれ落ちます。その薄皮がチャフの正体です。

一回の焙煎は約20数分で終了しますが、豆は焙煎機の釜に投入された後、その熱で温められ一旦膨張します。そして焙き進むと今度は乾燥が進み、縮み始めます。しばらくすると豆の中の色々な成分が化学変化を起こし始め、豆は再び膨張しながらコーヒーの風味が形成されて行きます。その際、パチパチと爆ぜる(ハゼル)という現象が起きるのですが、その時前述のシルバースキンが剥がれ落ち、チャフが発生するわけです。良質な生豆を適正に焙煎して発生するチャフはこの写真のように均質で綺麗な薄茶色をしています。

何も処置をしないとこのチャフは煙突から外に舞ってしまいますが、焙煎機から出る排煙の過程にサイクロン機能を使った集塵装置(右側写真に写っている逆円錐状のオスカー像の様な(笑)部分)を設置していますので、そこでチャフが除去され、外に出て行くことはありません。そして焙煎終了後、その集塵ボックス(オスカー像の足元台座部分)に溜まったチャフを捨て、清掃する...これが毎日繰り返している一連の流れです。

                                                                                                                                                                                                                                                                               

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。 

   バックナンバーは、コチラ

2021年8月18日水曜日

No.27_モカ・ナチュラル


前回の『No.26_グァテマラ・ウエウエテナンゴ』に続き、今回はモカ・ナチュラルのご紹介です。

『コーヒーはフルーツだ!』と感じさせられる完熟フルーツの豊かな甘さが魅力。アプリコット、ピーチを思わせる余韻も心地良いです。

いろどりこーひーには、既にエチオピアの豆で『モカ・イルガチェフェ・ハマ』がありますが、実はこの『モカ・ナチュラル』もエチオピア、イルガチェフェ地域の豆です。一方、地区が少し異なりハマはコチャレ地区、ナチュラルは更に南下したゲデブ地区の豆です。

また、『イルガチェフェ・ハマ』の豆精製方法がウォッシュド式(水洗い式)なのに対して、この『モカ・ナチュラル』はナチュラル式(非水洗式)で精製されています。(ウォッシュド式とナチュラル式の詳しい説明、特徴については、宜しければ『No.24_ウォッシュドとナチュラル』をご参照下さい。)

どちらもフルーティで代表される豆ですが、ウォッシュド式で精製されるハマは、さっぱり、スッキリ、クリーンでエレガントなフルーティーさで、方やナチュラル式で精製されるこのモカ・ナチュラルは、芳醇で、がっちり、際立つフルーティーさです。

モカ・ナチュラルは粉に挽く時はもちろん豆の状態でさえ、その甘酸っぱいフルーツの香りに飲む前からワクワクします。そして飲んだ後の鼻に抜ける心地よい香りもナチュラルならではの魅力です。

是非、ハマとナチュラル、2つのモカを飲み比べて、それぞれの風味をお楽しみください!

                                                                                                                                                                                                                                                                                

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年8月17日火曜日

No.26_グァテマラ・ウエウエテナンゴ



前回投稿『No.25_生豆の仕入れとコーヒー豆産地の話』の最後にグァテマラの生豆が入荷した旨、ご報告しました。今回はそのご紹介です。

華やかで!明るい香り!完熟ベリーの甘味と爽やかな余韻。

この『華やかで!明るい!』という形容がこのグァテマラ・ウエウエテナンゴの特徴を最大限に表現しています。グァテマラは中米に位置し、その東側はメキシコと国境を接しています。そしてウエウエテナンゴ地域は正にそのメキシコ国境に位置する険しい山岳地帯です。ウエウエテナンゴ!なんか口にするのも楽しい響きですね!これは現地の言葉ナワトル語で『太古の場所』と言った意味を持つ地名です。

グァテマラのコーヒーは、その産地の標高に応じて格付けされていますが、今回ご紹介する豆は、その最上位のSHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)です。SHBは標高4,300フィート(約1,310m)以上の高地で収穫される豆に与えられる格付けですが、今回の産地ウエウエテナンゴ地域のラリベルタッド地区は、その標高が1,600m前後のエリアです。

標高が高いところで収穫される豆を上位に格付けするには意味(道理)があります。そのエリアは低地よりは冷涼で、且つ昼夜の寒暖差が大きいエリアです。そのため低地で生育するものと比較すると樹々、果実がゆっくり成長します。風味豊かなコーヒー豆を生産する上で、この『寒暖にさらされてゆっくり成長』というのが重要で、これにより果実も時間を掛けてじっくり熟成され、低地産のものより硬くしっかりした種子が形成され、結果的にグァテマラならではの良質な風味、フルーティーな酸味もしっかり、きっちり醸成され、前述の『華やかで!明るい!』風味が形成される訳です。

前回ブログにも書いた購入豆を決めるためのカッピング(味見)を5月に行いましたが、実はその時、同じグァテマラ産でも地域が違う4 種類の豆がありましたが、カッピングを進める中で、このウエウエテナンゴの「『華やかさと明るさ』が、突出していて、一瞬の迷いも無く、『これ美味い!』、『これ欲しい!』と決めた次第です。

どうぞこのウエウエテナンゴの自然がもたらす恵みを享受、お楽しみ下さい。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

 

補足(文章が長くなってしまったので、今回はサムネイル写真の説明を補足で記載します)

これは、ラリベルタッド地区の脱殻前の豆乾燥風景です。背景を見てもここが山岳地帯だと一目で分かりますね。また、今回の豆はウォッシュド式で精製されているので、水槽浸け、水洗いを経て果肉を綺麗に落としてから天日乾燥しています。広げた豆が白(薄黄色)っぽいのが分かると思います。方や、前々回投稿の『No.24_ウオッシュドとナチュラル』のサムネイル写真は、ナチュラル式精製で果肉付きのまま天日乾燥してますので、広げた豆が真っ赤なのが分かると思います。

   バックナンバーは、コチラ

2021年8月16日月曜日

No.25_生豆の仕入れとコーヒー豆産地の話


お店で時々、『豆の仕入れで産地に行かれるんですか?』と、お問い合わせ頂くことがあります。今回は豆の仕入れについて少し書いてみようかと思います。

結論を先に申し上げると、僕は産地には行ったことはありません。

コーヒー豆は生豆(ナママメ)の状態で輸入されます。それを店内の焙煎機で焙煎することによって、皆様がご利用下さる褐色のコーヒー豆が出来上がります。いろどりこーひーではこの生豆の購入をインポーターの方経由、行っています。インポーターの方は(新型コロナ禍前は)それこそ世界の産地を飛び回わり、数々の交渉、お願い事を繰り返し、とっても良質な生豆を仕入れて下さります。

いろどりこーひーでの現実的なやり取りですが、先ずはインポーターの方に概ね、『こんな国のこんな豆を購入したい』とリクエストすると、在庫があればいくつかのサンプル提示を受け、それをカッピングして(いわゆる味見です。ワインで言うテイスティングと言ったところでしょうか)、気に入ったものを購入します。急ぎでなければ、それぞれの輸入時期に合わせてその国を出港する前にやはりサンプル豆の提示を受け、カッピング後、気に入った豆を予約します。この流れの利点は産地から輸入されたばかりのニュークロップ(お米でいう新米ですね)を購入出来ることです。そして数ヶ月後、日本に入港すると一旦低温倉庫に保管され、その後、店に納品される流れになります。

因みに世界のコーヒー豆産地は、コーヒーベルトと呼ばれるエリアに位置します。このコーヒーベルトと言うのは赤道を中心に北緯南緯およそ±25°内、且つその高地エリアです。逆の言い方をするとコーヒーはその気候以外のエリアではほぼ収穫出来ないとてもデリケートな樹木です。1日、1年の寒暖差が15℃〜25℃内外、年間降水量が1,500〜2,500mm内外(雨季、乾季が必要)、日射も適度に必要(一方、強過ぎる日差しに弱く、日陰を作るシェードツリーの寄植えが必要)、肥沃な土壌...そしてこれらの条件を満たす場所がコーヒーベルトエリアの高地となるわけです。気温は暑すぎても寒すぎても駄目、一方でその範囲内では1日の昼夜の寒暖差は有った方が硬く風味豊かな豆が出来るというなんとも生育条件が繊細なんです!

生豆が日本へ輸入される時期は、前述の通り、コーヒー産地が赤道周辺で南半球にも位置するため、その豆にとっては収穫の季節サイクルは有るものの、世界の豆という意味では、年中入れ替わり立ち替わり新豆が入ってきます。そしてこの度、5月に予約注文していたモカ・ナチュラルとグァテマラの最高に美味しい豆が入ってきました。今テスト焙煎中で、間も無くお披露目出来る予定です。このブログでも次回以降、この2種類の豆をご紹介させて頂きます。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年8月10日火曜日

No.24_ウォッシュドとナチュラル


今回はコーヒー豆の精製のお話です。ちょっとだけ専門的な題材なので、退屈な内容だったらゴメンナサイ(^^;;

コーヒー豆はご存知の通り、コーヒーノキの種子です(実ではなくて)。その果実は『コーヒーチェリー』と称される通り、さくらんぼのような赤い実がなります(黄色い完熟実の品種もあります)。そこから前述の種子(コーヒー豆)を取り出す作業がコーヒー豆の精製ということになります。この精製方法はざっくり言ってしまうとウォッシュド式とナチュラル式に大別されます。(この他にその中間精製方法のパルプドナチュラル、スマトラ式他いくつかの精製方法はありますが本日の説明からは割愛致します。)

ウォッシュド式は水洗式、湿式とも呼ばれ、収穫した実を水槽に浸け、1〜2日の後、ふやけた状態にしてから、水洗いして綺麗な殻状態にした後、乾燥、脱殻する(殻を割って中の種子=コーヒー豆を取り出す)方法です。

一方、ナチュラル式は非水洗式、乾式とも呼ばれ、収穫した実をざっと水洗いした後、そのままコンクリート土間(パティオと言います)や、メッシュ布棚(アフリカンベッドと言います。本日のサムネイル写真。)等で天日干しし、干しブドウの様な状態まで乾燥させてから脱殻する方法です。

このどちらの方式を採用するかは概ね産地ごとに分かれますが、その土地の水源の豊富さ、雨がちか好天がちか等環境、気候から自ずと選択される場合が多いです。そしてこの精製法の違いは、製造されるコーヒー豆の風味にも大きく影響を与えます。

水洗いするウォッシュド式は前述の通り、その過程で果肉、小枝、葉、泥等綺麗に除去しながら進行するので、総じてクリーンなスッキリした傾向の豆が製造されます。(但し、水槽に漬ける過程で発酵臭が纏わり付かない様、品質管理が重要です。)一方、ナチュラル式は果肉が着いたまま干しブドウの様な状態まで乾燥させますので、種子もそれらの風味を纏い、際立った華やかさやフルーティーさ、フローラルさがより明確に感じられる特徴があります。(但し、実のまま乾燥させるということはその間定期的に攪拌したり、様子をチェックし、対応して行かないと逆に発酵臭やカビ臭を帯びることになりますので、こちらも入念な品質管理=手間が必要になります。)

 今、いろどりこーひーでは既にモカ・イルガチェフェ・ハマがありますが、こちらはウォッシュド式で精製された豆で『華やかなフローラル感、エレガントな飲み口』が特徴ですが、この度新にモカ・イルガチェフェ・ナチュラルが入荷し、間も無く発売を予定しています。既にテスト焙煎を開始しましたが、前述の『際立った華やかさやフルーティーさ、フローラルさ』が本当に素晴らしく、早く皆様のお手元にお届けしたく、楽しみでなりません!p(^_^)q                                                                                                                                                                                                                                                                              

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ

2021年8月3日火曜日

No.23_夏本番ですね!



本日のサムネイル写真は、3年前(2018年)の夏、長崎県五島列島の一番北の島、宇久島にある“平家盛公上陸地”と名付けられた場所を訪れた際、撮影したものです。その時は福岡に住んでいましたので、飛行機で福江空港経由福江島に入って2泊、上五島に船で渡って2泊、更に宇久島に船で渡って1泊、そして船で福岡に戻りました。五島はどこも海が綺麗で、魚も美味しく、五島牛、五島うどんも頂きながら、そして教会群も訪ねながらリラックスした楽しい旅でした。

旅はいいですよねぇ!行く前の計画でワクワク楽しめて!旅行中は色々なものを見て、体験してワクワク、美味しいもの食べてホクホク!更には帰ってきてから何年経っても思い出として楽しめるんですから!

本来なら夏本番!海水浴に!キャンプに!花火大会!お祭り!といった季節ですが、残念ながら今年もまた、それはままならないですねぇ...早く再び、普通の日常が訪れることを切に願うばかりです。

ところで連日暑い日が続きますねぇ!とりわけ僕の故郷北海道は記録的な暑さのようです。僕の子供時代はと言えば...夏といっても気温30℃を超える可能性があるのは7/25〜8/5辺りだけ。しかも実際30℃を超えるのはそのうち数日程度という状況でした。それが今年は、7/16以来連日30℃超え、しかも猛暑日まで...これも地球温暖化の影響なのでしょうか?

色々な意味で今年は特別な(特殊な?)夏になりそうですね!

僕はというと先月2回目のワクチン接種を終え、旅行はもちろん都心へ向かうことも控え、日々家と店のみ行き来しながら、万全の体調で美味しい珈琲豆焙煎に努めております!

とにかく、“健康第一”で、今置かれている環境を受け止めながらも今年の夏も楽しみましょうね(^^)!

                                                                                                                                                                                                                                                                                

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ