2021年9月29日水曜日

No.31_ナママメ


今日のテーマは『ナママメ』です。漢字で書くと『生豆』、焙煎前の豆でこの状態で産地から輸出入され、お店に届きます。

お店でも時々豆の袋(『麻袋』これはマタイと読みます)をご覧になり、『あそこに置いてあるのが焙く(ヤク)前の豆ですか?』と、ご質問頂くことがあるので、興味をお持ちの方には時々現物を見て頂いたりします。するとまず色が『薄緑なんですね〜』と驚かれ、同時に匂いも嗅がれて『これは穀物そのものですね〜』と言った感想をよく頂きます。

そこで今日は見た目だけでも少しお届け出来ればと、“つぶやき”を書き始めました。

まず、サムネイル写真の上段左が『モカ・ハマ』、上段右が『モカ・ナチュラル』です。どちらもエチオピアのイルガチェフェ地方の豆ですが、農園、樹種が違う上に、精製方法も異なります。“店主のつぶやき No.24_ウォッシュドとナチュラル”にこの精製方法の違いを詳述しましたが、『モカ・ハマ』はウォッシュド式、『モカ・ナチュラル』はナチュラル式で精製(果実から生豆を取り出す)されています。収穫した果実を水槽に約2日程浸け、ふやけ始めた果肉を綺麗に除去してから2〜3週間乾燥するモカ・ハマは生豆の表面もツルッとすっきり綺麗です。方や果肉状態のまま、2〜3週間乾燥させ、干し葡萄のようになってから脱殻する(豆を取り出す)モカ・ナチュラルは、果肉成分が若干纏わり付いているように見えます。この違いがモカ・ハマの軽やかなエレガントさを演出し、方やモカ・ナチュラルは完熟フルーツの芳醇な甘さの源になっています。

次に下段の写真を見てみましょう。下段左が『マンデリン』、下段右が『ブラジル』です。

この二つを比較してみると豆の大きさがずいぶん違います。そしてマンデリンの深い緑色は他の豆と比べても際立っています。また、珈琲豆の皮が中央部に比較的多目に残っています。これにはマンデリンの独特な精製方法が寄与しているのですが、先ず出来るだけの果肉除去を機械で行います(これを『パルピング』と言います)。それから乾燥するのですが、半分くらい進行したところで脱殻して豆を取り出し、その後再び2〜3日乾燥させ、出荷可能な生豆が出来上がります。この乾燥を脱殻の前後2度に分けて行うスマトラ式と呼ばれる精製方法が、マンデリンの唯一無二のビターなスパイシー感に大きく影響しています。ちなみにこれはスマトラ地区の収穫期が雨がちなことから考え出された精製方法です(ひとつの知恵ですね)。

最後に下段右のブラジルですが...と思ったら、紙面が一杯になってしまいました...

続きはまた、次回以降、掲載させて頂きますね。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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