2021年10月5日火曜日

No.32_ナママメⅡ


10月に入って緊急事態宣言も明け、そして新内閣も誕生しました。なかなかコロナ禍以前の雰囲気には戻れませんが、少しずつ普通の日常が戻りつつあるのは嬉しいことです。

さて、前回の投稿『No.31_ナママメ』でブラジルの説明が出来ずに終わってしまいましたので、今回はその続きです。

前回、生豆は見た目だけでも微妙な違いがあり、それは産地の違いもさることながら、精製方法でも違いが出ることをお話ししました。

その“産地の違い”ですが、とっても奥が深く、実はなかなか手短にお話しするのが難しい世界です。産地の違いというと先ず思いつくのは国の違いですね。もちろん国毎の緩やかな風味の特徴・傾向はあります。しかし、それを造り出すのは結局その土地の天候(寒暖、降水量、日射、雨季乾季有無他)、標高、地形(山岳、台地、海岸からの距離等)、土壌、栽培方法、収穫方法、精製方法、他にも諸々...且つそれらが複雑に絡み合います。

世界最大のコーヒー生産国ブラジルに話を戻します。ブラジルのコーヒー生産量は世界総生産の1/3を占めます(1920年代はさらに多く80%を占めていました)。そしてその産地の多くは世界の産地と比較するとやや低地のエリアに位置し、且つファゼンダと呼ばれる巨大農園で、大型機械を使って収穫することが特徴です(それがこの生産高を支えているとも言えます)。この『比較的低地の温暖な土地で生育する』ということがブラジルの豆の風味特性に大きく影響しています。それは温暖な気候の為、成長が早く、それゆえ豆質はやや柔目、風味も穏やかです。(樹木の年輪幅が熱帯地域では広く、柔らかく軽いのに対して、方や寒冷地域では狭く、硬くて重いことと要因としては似ています。)そして、コーヒーの個性的な酸味は寒暖にさらされながらゆっくり成長するほど醸成されるため、ブラジルはむしろ穏やかが特徴になっています。

今回ご紹介した4種類だけでも豆のサイズ、硬さ、水分量他違いがあります。焙煎ではこれらの違いがあっても同じ進行になるように焙煎中のカロリー(火力×時間)コントロールを行い、雑味の無い、クリーンなコーヒー豆に仕上がるよう日々取り組んでいます。この”違い”に取組むことが難しくもあり、楽しいところです!

そしてこの”違い”をお客様にも風味として楽しんで頂けたら、これほど嬉しいことはありません。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ