2024年7月30日火曜日

No.180_Paris Olympicsとセリーヌ・ディオンさん


パリ・オリンピックが始まり、柔道、水泳、スケートボード、フェンシング、体操等、日本勢の活躍が続々伝わってきて、この暑い夏、涼しい部屋で再び熱く興奮、歓喜の日々を送っています。

開会式もフルで観ましたが、今回はスタジアム以外の各所からの中継と映像が巧みに融合し、壮大なエンターテーメントの様相で、とってもワクワク、楽しい式典でした。

オリンピックの開会式は毎回、聖火台への点灯が最後にして最大のイベントですが、今回はその後にそれを上回る(と僕が感じた)、感動の映像が飛び込んできました。エッフェル塔で愛の讃歌を歌うセリーヌ・ディオンさんです。

実は、僕...セリーヌ・ディオンさんのファンでして...^^;

きっかけは1990年にふと耳にしたUNISONという曲がすごくかっこよくてお気に入りになり、その曲が入っているCDアルバムを購入して以来です。(当時、CDが普及し初めの頃でしたので、一層、思い出深いです。)

ところで先月、Amazon Prime Videoで『I AM(副題:病と戦いの中で)』という、セリーヌ・ディオンさんのドキュメンタリーがリリースされたので、即、観ました。

セリーヌさんは、2022年にご自身が、スティッフパーソン症候群と言う100万人に1人に症状が出る神経疾患を患っていることを公表されました。

ドキュメンタリーには病と闘っているセリーヌさんの姿があり、発作が起きたシーンなどは想像を超えた、衝撃を受けました。そしてその中ではいくつも印象的な、そして心打たれるセリーヌさんの言葉がありました。

「声が私の人生の導き手だった。私はただ、声に従っていたの。おかげで素晴らしい人生を送れたことに満足している。声のおかげで最高の自分になれた。私のエゴは強くない。声の導きに従うことに抵抗はない。」

「再び、ステージに立てる力を取り戻そうと頑張っている。でも、正直、厳しい道のりよ。でも、私には歌しかない。」

「歌い、踊る自分の姿が時々見えるの。私は計画通り行かなくても諦めない人間よ。走れないなら歩く。歩けないなら這ってでも進む。止まらない。私は進む。」

こうして、ドキュメンタリーは終了しました。

そして...開会式フィナーレのセリーヌさんのあの力強い姿、歌声です。

東京オリンピック開会式では、長嶋茂雄さんの登場に涙してしまいましたが、今回はセリーヌ・ディオンさんの登場に涙してしまいました。

 

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2024年7月23日火曜日

No.179_演劇、そしてアクター、アクトレスの方々への憧憬の念


先日、劇団四季の“ライオンキング”を観てきました。

ライオンキングは、日本での初演が1998年12月とのことで、昨年末、初演25周年を迎えました。丁度その頃、TVでも25周年を記念した特集番組を放送していて、それをたまたま観て、『これは是非、生で観てみたい!』と即、チケットを検索。そして折角なら『前の方で観たい』と、約半年後のチケットを予約して、先日、ようやくその日がやって来ました。

Disney映画のライオンキングはだいぶん前に観ましたが、その世界が見事に表現されていました。個々のキャラクター(動物)たちの仕草からその動物の個性、性格、考えていることまでもが、しっかり伝わってきて、その世界に引き込まれました。

演劇は本当にたま〜にではありますが、観に行きます。昨年は同じく劇団四季の“アナと雪の女王”、藤原竜也さん主演の“ハリー・ポッターと呪いの子”を観に行きましたが、舞台の醍醐味はやはり、今この瞬間、この目の前で生で演じられているその世界を五感で感じ、その世界に入り込む!みたいな感覚でしょうか!生のコンサートにもそれに近いものを感じます。

そしてこの商売(自家焙煎豆店)をすることになったせいか、観客としてその世界に浸るほか、アクター、アクトレスの方々の心持ちににも思わず入り込んでしまいます。と言うのも、こんな舞台に立つことが出来たらなんて楽しいんだろう!なんてサイコーなんだろう!そんな風に感じさせてくれるアクター、アクトレスの方々から溢れ出る楽しさ、充実した高揚感がこれまた私たちを魅了してくれます。

映画やテレビドラマに出演している役者さんたちにも並行して舞台も演る方がいらっしゃいますが、そんな方々の『実は舞台が一番好きなんです!』と応えられる姿を何人も拝見したことがあります。生の舞台に立つ醍醐味、充足感は、きっと、そこに立った人にしかわからない魔性めいた魅力があるのだろうなと、ついつい想像してしまいます。

話はとっても飛躍してしまいますが、僕もこの商売をやることになって数々のお客さまと接することになり、お客さまから伺う生のお話しや感想は、本当に励みになります。また、いろいろ工夫、改善、進化、創造し続ける上での、ヒント、手掛かりをたくさん頂きます。

先に『この商売をすることになったせいか...』と記したのは、そんな思いからなんです。

アクター、アクトレスの方々が、『お客さまの笑顔、拍手が私たちのエネルギーの源です!』、『舞台という場があるから、どんな訓練、練習にも耐えられます!』と、そして人によっては、どんな訓練、練習も『耐える』なんて思いより、むしろ『その先の舞台で自身が味わうであろう感動を思うと、やって、やって、やり抜きたい』、『望んで!』と仰るのも納得出来ます。

大変おこがましいですが、アクター、アクトレスの方々へはそんな思いで共感すること、いやいや...『共感したいこと』、『憧憬の念』がたくさんあります。

 

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2024年7月15日月曜日

No.178_焙煎中、ブレは生じてもズレは生じさせない


ブレとズレ、似たような言葉ですが、焙煎中の進行管理の観点から言うと、『ブレは生じてもズレは生じさせない』そんなニュアンスで捉えています。

ネットでもこの二つの言葉を検索してみましたが、“ブレ”は『動きを伴い、外れたり、戻ってきたりの(動的な)状況』に使用するようです。写真撮影中の手ブレのような感覚でしょうか。

方や“ズレ”は、『正しい位置(または元の位置)から外れた、逸れた(静的な)状態』を表す時に使用するようです。印刷のズレ...のように。

焙煎に話を戻すと刻々と上昇する窯内温度ですが、その5℃毎に(自身で定めた)計画通過タイムが有って、それぞれのタイミングで微妙なブレ(通過タイムが設定値より少し早かったり、遅かったり)が発生します。

ブレは色々な要因が絡んで発生します。今回焙煎時と前回焙煎時の部屋の温湿度差も影響しますし、与えている火力も厳密にはほんの少しズレがあります。(最新式の焙煎機は、タッチパネル上のデジタル表示で1%刻みの火力調整が出来るようですが、僕が使用している焙煎機はアナログ表示のガス圧計を見ながら、手動のバルブで火力を調整しています。とは言え、1/10目盛まで意識して、操作しています。)

各通過タイムで±6秒以内のブレで有れば、その後のカッピング(出来上がった豆の味チェック)で風味への影響は無いと感じています。一方、10秒以上のズレが発生するとカッピングで微妙な兆候が現れ始めるので、自分の中では、±6秒を一つの標準管理値と捉えています。そして±10秒は超えてはいけない限界管理値としています。(これは世の基準と言うわけではなく、自身が定めているものですが)

イメージとしては、『美味しい豆が出来上がる進行』という『何度か緩く曲がる1本の細いライン』があって、毎回それに寄り添って優しくトレースして(なぞって)いく!そんな感じです。

焙煎ってガチャガチャとか、ねじ伏せるなんてものではなくて、優しくそーっと...意外と繊細な作業なんです(苦笑) 

 

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2024年7月9日火曜日

No.177_焙煎中、春夏秋は冷房を入れます。冬は...


暑いですね〜

7月に入った途端、最高気温39℃、40℃なんてニュースが飛び込んできて、梅雨はどこへ行ったやらの陽気の毎日です。

お客さまとも「暑いですね〜」が、まるでご挨拶代わりの様相です。いろどりこーひーでも店にいる間、エアコン(冷房)は入れ放しです。

春秋の穏やかな気候の時は、店の入り口扉も開店中は開け放っているのですが、そんな時期でも開店前の朝の焙煎中は、やはり冷房を入れています。

これを聞くと『なるほど、焙煎中はその火力で部屋もどんどん暑くなるので、快適な環境で焙煎するため、冷房を入れるんですね!』と解釈されると思うのですが、実はそれとは少々違う理由から冷房を入れています。

因みに、焙煎回数は日によって違うのですが(前日の販売状況を踏まえて、次の日、どれとどれを焙煎するか決めるので)、4窯、5窯とヤク時も、1窯目の環境と5窯目の環境は出来るだけ近いものにしたいと思っています。(これは「つぶやきNo.168_同じに出来ることは全て同じにする」の一環です)

環境(室温)に大きな差異が有ると、火力調整にも差異が生じます。それ故、気候的にはとても過ごし良い、爽やかな春秋でも焙煎中、冷房を入れるわけですが、果たして冬は...

冬の朝は店内室温も10℃を下回ります。そんな時は、普通に考えると暖房を入れたくなるのですが、それは入れずに作業(焙煎)します。何故か...もうお気付きかと思いますが、焙煎によって室温は上がって行きますが、暖房を入れるとその上がり幅が大きくなるからです。それを抑えたいため、暖房は入れません。当然寒いので通勤の外套を着たまま、作業するのですが、店外からはこのシャッターの向こうでまさかそんな格好で焙煎しているとは、誰も想像出来ないですね(笑)

と言うことは、『冬も冷房を入れた方が更に温度上昇は抑えられるじゃない!』、その通りなのですが...どうかそこまでは...勘弁して下さいませ。(苦笑)

 

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2024年7月2日火曜日

No.176_コーヒーにおける“キレ感”とは


今回は、コーヒーにおける“キレ感”が、テーマです。

“キレ感”って、分かるような分らないような...イメージ出来るような出来ないような...いささか難しいテーマです。以下は僕なりの解釈ですが...

先ずコーヒー以外に話を広げて、この“キレ感”と言うものを眺めてみると...

味覚の観点で捉えると甘味、塩味、旨みに“キレ”を使うことはあまりないですね。どちらかと言うと酸味、苦味等インパクトがある風味に対してでしょうか...

飲み物の観点だと、『このビール、キレがあるなぁ』とか、『この日本酒、キレがあるなぁ』、若しくは白ワインやシャンパンなんかにも使うかもしれません。

これらの飲み物における“キレ感”の共通点を探ってみると『(美味しさを伴った)インパクトのあと、(嫌な風味が残らず、淡い余韻だけ残して)スッと消えていく』の様なことではないかと感じています。仮にもまとわり付く様な甘さが尾を引いたのでは決してキレがあるとはならないかと...

加えて、これらの飲み物では、炭酸であったり、微発泡もキレに一役買っているかもしれません。

そしてコーヒーに話を戻すと...コーヒーにおけるインパクトは、やはりコクなのかなと思っています。すると又、『コクとはなんだ?』となってしまうのですが...

そこでコクですが、こちらは『輪郭がはっきりしたいろいろな風味の複雑さ』とでも言いましょうか。つぶやきNo.174にも少し書きましたが、コーヒーの生豆はとても多くの成分を含んでいて、そのそれぞれに焙煎で最適な化学変化を起こさせた時に、えも言われぬコクが生まれます。

その上で“キレ”を感じるには、やはり雑味の無さが絶対条件だと思っています。雑味の無いコーヒー=嫌な後味が残らないコーヒーですので。

前述の飲み物の炭酸、微発泡に近い役割をコーヒーで果たすのは、“酸”の存在です。これは“酸っぱさ”と言うものではなく、コーヒーの生豆が持っている質の良い酸(特にアミノ酸、クロロゲン酸)のことです。これらも焙煎による化学変化を経て、“キレ感”に一役買うことになります。

と言うわけで、コーヒーにおいて“キレ”と言う表現は世に多用はされてはいないかもしれませんが、僕としては大切にしたい感覚です。特にアイスコーヒーや夏の暑い時期に飲むコーヒーには“キレ感”を意識します。(とは言え、シングルでもそれぞれの豆種に応じた“キレ感”が存在します。)

ここまで“キレ感”に関して、僕の思い付くままを書き綴ったせいで、少々理屈っぽい話になってしまいました。とは言え、食を扱うプロとしてはアレコレ考え、美味しさを追求していくことは、日々の、そして永遠のテーマです。

お客さまに於かれましては、どうかそんなことは一切気になさらず、ただただ『美味しいものが好き!』と、ご選択頂くのが一番だと思います。その上で、いろどりこーひーを選んで頂けることになれば、この上なく嬉しく思います。

昔、ビールのCMに『全てはお客さまの旨い!のために!』と言うキャッチフレーズがありましたが、今の僕も全く同感です!

 

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