2024年7月16日火曜日

No.178_焙煎中、ブレは生じてもズレは生じさせない


ブレとズレ、似たような言葉ですが、焙煎中の進行管理の観点から言うと、『ブレは生じてもズレは生じさせない』そんなニュアンスで捉えています。

ネットでもこの二つの言葉を検索してみましたが、“ブレ”は『動きを伴い、外れたり、戻ってきたりの(動的な)状況』に使用するようです。写真撮影中の手ブレのような感覚でしょうか。

方や“ズレ”は、『正しい位置(または元の位置)から外れた、逸れた(静的な)状態』を表す時に使用するようです。印刷のズレ...のように。

焙煎に話を戻すと刻々と上昇する窯内温度ですが、その5℃毎に(自身で定めた)計画通過タイムが有って、それぞれのタイミングで微妙なブレ(通過タイムが設定値より少し早かったり、遅かったり)が発生します。

ブレは色々な要因が絡んで発生します。今回焙煎時と前回焙煎時の部屋の温湿度差も影響しますし、与えている火力も厳密にはほんの少しズレがあります。(最新式の焙煎機は、タッチパネル上のデジタル表示で1%刻みの火力調整が出来るようですが、僕が使用している焙煎機はアナログ表示のガス圧計を見ながら、手動のバルブで火力を調整しています。とは言え、1/10目盛まで意識して、操作しています。)

各通過タイムで±6秒以内のブレで有れば、その後のカッピング(出来上がった豆の味チェック)で風味への影響は無いと感じています。一方、10秒以上のズレが発生するとカッピングで微妙な兆候が現れ始めるので、自分の中では、±6秒を一つの標準管理値と捉えています。そして±10秒は超えてはいけない限界管理値としています。(これは世の基準と言うわけではなく、自身が定めているものですが)

イメージとしては、『美味しい豆が出来上がる進行』という『何度か緩く曲がる1本の細いライン』があって、毎回それに寄り添って優しくトレースして(なぞって)いく!そんな感じです。

焙煎ってガチャガチャとか、ねじ伏せるなんてものではなくて、優しくそーっと...意外と繊細な作業なんです(苦笑) 

 

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