2024年10月29日火曜日

No.193_季節のブレンド秋冬Ver.“かえりばな”のご紹介


季節のブレンド“かえりばな”のご紹介です。

晩秋から初冬にかけての季節のブレンドを作りたいと、先ずは色々イメージを膨らませていたところ、昨今は秋とは思えないようなポカポカ陽気な日が続くものですから、ふと“かえりばな”と言う言葉が浮かびました。

改めてこの言葉を検索してみましたが、『初冬にかけて穏やかで暖かい小春日和が続いて、返り咲く花。桜、桃、梅、梨、山吹、ツツジ等に時々見られる』、『初冬に思いがけなく数輪咲く花、やがて来る厳しい冬を思いやる』なんて説明があり、ますますイメージが膨らみました。

小春日和続きの陽気の中、勘違いして数輪咲いてしまうなんて、ちょっとおっちょこちょいな、だけど健気で可愛らしい...そんな花を目にすると思わずほっこりしてしまいます。^ ^

いろどりこーひーでは、赤い袋には華やか系のコーヒーを、黒い袋にはしっかり系のコーヒーを詰めていますが、この“かえりばな”は白い袋、まろやか系です。とっても穏やか、さらっと飲みやすい風味で余韻に不思議なもので、ほんのり芳ばしさが...そうですねぇ...本当にほんのりですが、ほうじ茶の様な甘みが漂います。これは僕自身もブレンドの配合を色々試行している中で思い掛けず発見したもので、ちょっと驚きましたw!和菓子のお供に飲んでみましたが、相性バッチリでした。

このようにブレンド作りはあるコンセプト(狙い)を定め、その実現のためイメージを膨らませて(期待を込めて)、複数種類豆種を選んで、その組み合わせ、配合比率も色々変えて試行。結果、狙い通りドンピシャに出来る時もありますし、今回のようにその範囲だけれど、思い掛け無い風味が出来上がることもあるので、ほんと作っていて楽しいです。

シングルコーヒーでは、なかなか巡り会えない不思議な魅力が出来上がったなと、僕自身がご機嫌です。^ ^

『さらっと優しく穏やかな飲み口

 ほんのり芳ばしい甘さの余韻

 和菓子との相性もバッチリ』

かえりばな”、是非、お楽しみください。

 

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2024年10月22日火曜日

No.192_焙煎は開店前の朝、行っています


「あれ!使ってるんですか!?」

過去に複数のお客さまからお尋ね頂いたことがあります。「あれ」と言うのは、店内に設置してある高さ約2m、重量約350kgの焙煎機のことです。

焙煎は開店前の朝やってますので、開店中、お客さまは稼働しているところをご覧になることは無く、ましてや僕がそれを操作している姿なんて想像も出来ないのだと思います。

焙煎機の直ぐ脇と店の入り口にはそれぞれ4枚のガラス引き戸があり、それが歩道に面していますので、日中はとても開放的で気に入っています。特にお向かい葛西小中学生の子供たちの下校時はワイワイ、ガヤガヤ、賑やかで、なんともイイです。^ ^

その2対のガラス引き戸部分にはシャッターも2対あるんですが、朝の焙煎中は締切りで行います。店内の明るさと言う意味では開けた方が良いのですが、焙煎時の集中という意味では、締め切った状態でないと無理なんですね...人通りが気になるような環境下で焙煎は難しいです。

焙煎中は一瞬でもその作業から目を逸らせられない、気を逸らせられない状況下で進捗します。その超集中時間は焙煎そのものをやっている20数分間/1窯、ですが、豆種毎に複数窯焙煎しますので、そのインタバル(次の生豆投入まで窯内温度が下がる間、20分弱)も次の焙煎の準備がいろいろ有り、ルーティンに沿ってテキパキ、でも淡々と、こなして行く必要があります。(その詳細は、“No.88_焙煎の1ロット目、2ロット目間にやっていること”に記載してあります。宜しければご参照ください。)

と、言うわけで、ご来店頂くお客さまは、僕の焙煎中の姿は見たことがないので、冒頭ご紹介したお客さまのように、「あれ!使ってるんですか!?」と言う、ご質問も頂いてしまうわけです。とはいえ、そんな興味を持って頂けるのは大変嬉しいことです。^ ^

 

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2024年10月15日火曜日

No.191_抑制の効いたいろいろな風味がバランスよく感じられる複雑さ


先日、ご来店頂いたお客さまが店主のつぶやきNo.189“コーヒーのコクとは”を読んで下さったとのことで、その中に記載していた『コーヒーのコクとは、抑制の効いたいろいろな風味がバランスよく感じられる複雑さ』のくだりは、「なるほどなぁと感心しました」と感想を伝えてくださいました。「その一方で、半分くらいなるほどなと思ったんですが、もう半分はそれって具体的にはどういうことだろう?と、興味が湧きまして...」ともお話しくださいました。

そこで、その場でお話ししたことや更に付け加えたいお話が今回の話題です。

先ず『抑制の効いた』の部分の補足ですが、その前提として『満たされた上で』のお話になります。それは必要なもの(風味)で『足りない』ものは何一つ無く、『満たされた上で過剰さがない』の意味での抑制です。

過剰な風味がない、突出した風味がないというのは、一見大人しいものです。穏やかとも言えます。『真に美味しいものは大人しい』、そう思います。言葉にするとニュアンスが難しいですが、大人しいは、薄口とは違います。満たされた美味しさが繊細ということです。

これは何もコーヒーに限ったことではなく、日本酒、ワイン、日本茶にも言えると思いますし、更には和菓子にも、和食にも、フレンチにも...食全般に言えることではないかと思っています。

続いて『いろいろな風味が』の部分ですが、冒頭の方から『いろいろな風味がと言うのはブレンドした時の話ですよね?』と質問頂きました。この質問は本当にありがたかったです。と言うのも僕の真意は別のところにあったのですが、No.189のつぶやきに記した内容ではその意図は伝わり切らないと反省した次第です。

その僕の意図、思っていることですが...

「シングル(一産地の)豆も『いろいろな風味』で構成されている。つまり豆一粒が『いろいろな風味』を持っていて、それを抽出して、コーヒーと言う液体にして口にしたとき、その色々な風味が複雑に絡み合い、バランスして、えもいわれぬコクと、風味、美味しさをもたらす」と言うのが僕の思っているところなのです。

これ、補足説明をしているつもりなのですが、もしかして返って意味不明な世界に突入しているでしょうか?

コーヒーの生豆はある書物によると、アミノ酸、クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸他酸類、脂質、タンパク質、多糖類、小糖類、カフェイン他(細かくは更に)で構成されているそうで、それらそれぞれに焙煎により化学変化が起きることでそれぞれが風味、香りを生み出すようです。化学的な詳細は僕も理解が及ぶところではありませんが、『これだけ複雑な構成物と化学変化を経てコーヒーと言う飲み物が出来上がるんだ』と言うのはイメージとしては理解できます。

そして出来上がったコーヒーの味をチェック、吟味することで次なる焙煎へフィードバックし、美味しさを追求していくことが焙煎人としての僕の役割と思っています。

 

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2024年10月8日火曜日

No.190_阿部一二三、詩兄妹と丁寧な暮らし


TBSの番組『日曜日の初耳学』に先日、阿部一二三、詩兄妹が出演された回を観ました。初耳学は林修さんとゲストとの対話、インタビューを通して、そのゲストの方の普段はなかなか見られない、感じとれない個性、キャラクターが垣間見られる番組でとっても面白く、ほぼ毎回観ています。最近出演されたMrs.GREEN APPLEさんや米津玄師さんの回も観ましたが、お二方共、卓越した才能や志、思いの強さをお持ちで、人としての魅力に溢れていて、すごく興味が湧き、以来曲も聴き始めました(遅いですねw)。全く余談ですが、今年になってから『徹子の部屋』も実に面白いことを知り(更に遅すぎますねw)、毎回録画をセットして視聴しています...

話を阿部一二三さん、阿部詩さんに戻します。

一言で言うと『本当に仲のイイ兄妹』が改めて感じられ、ホント微笑ましかったです。とりわけ一二三さんの妹愛にはほっこりしました。パリ・オリンピックでは連続金メダルと2回戦敗退と明暗を分けた(様に見られる)二人ですが、そんなことはほんの一つの通過点の出来事であって、子供時代から二人で助け合い、励まし合い、時に競い合い、成長してきたその軌跡、今に至るまでの思いとその実行、実践にただただ敬服する思いです。

番組の最後に林修さんがお二人に「色々大きな、そして大変な場面を経験してきたと思いますけど、メンタル面のコントロールはどうされていますか?」と質問したところ、一二三さんは、「練習、トレーニングは、当たり前ですけど、僕らは【丁寧な生活】を心掛けることでメンタル的に落ち着きますね」と応えられました。そして「掃除でも、食器洗いでも、洗濯物を畳むのでも丁寧に過ごしていると心が落ち着くんです」と。

詩さんも同様に『洗濯物を綺麗に畳むことをずぅーっと続けていくと、メンタルがカチッと当てハマるところに入っていくんです』と。

お二人とも口を揃えて、「大切にしているのは日々の【丁寧なくらし】です』とおっしゃっていたのが、すごく印象的でした。

実はこの【丁寧な暮らし】と言うキーワードは、僕も意識しているものだったので、お二人の口から語られて、ハッとしました。

これは自身のこともそうですが、コーヒーがご一緒するお客さまの【丁寧な暮らし】と言うものをすごく意識(フォーカス)しています。

いつもこのつぶやきコーナーの最後を締める以下の文ですが、そこにある【心豊かな生活】は、【丁寧な暮らし】と同義です。^ ^

 

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2024年10月1日火曜日

No.189_コーヒーのコクとは


コーヒーのコクは、その風味の“複雑さ”からくるものかなと思っています。

いきなり結論めいた言いっ振りですが😅、「と思っています」と結んだ通り、その実、「コクとは何か!?」と言う問いへの応えは一言では表現し切れない難しさがあると思っています。

逆説的に申し上げるなら、“濃い”とか、“パンチのある”とか、“しっかりした”とか、“カチッとした” 等ではない...『コクとは決して力強い風味ではない』と言えそうな気がしています。

では何か...

その逆だとすると、一つの風味が突出していない、輪郭がはっきりし過ぎない、つまりは『抑制の効いたいろいろな風味がバランスよく感じられる複雑さ』がコクをもたらすのではないか?と言うところに行き着いたわけです。

且つ、その前提として、クリーンカップであることが大切です。仮にも焦げから来る苦味とか、生豆起因のエグ味等があったのでは、それはそれで突出したネガティブな風味があることになるので、コクどころの話ではなくなります。

クリーンカップにコクが加われば、飲み口は柔らかく、余韻も優しく、長く、そして心地よいものになります。

と、書き綴ってはみたものの、そのニュアンスがどれだけ伝わるものか些か不安もありますが... 能書きはここまでとします。

造り手(焙煎人)としては、この様にあれやこれや考えながらやってますが ^^; ... 要は味!と言うことですね。後にも先にも“味”... それだけです。

“味=美味しさ”は理屈や考えるものでもなく、『感じるもの!』ですから (^^)/

 

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P.S.

もし宜しければ、『No.176_コーヒーにおける“キレ感”とは』と、対比してご覧くださいませ。