2024年11月26日火曜日

No.197_ショ糖と砂糖、そしてカラメル化


コーヒーの生豆は焙煎を経て様々な化学変化を起こし、コーヒー豆となりますが、今回はその中の一つ【カラメル化】がテーマです。少々マニアックなテーマですが、宜しかったらお付き合い下さい。(^^;

結論を先に述べてしまうと 『生豆中のショ糖成分が、焙煎により【カラメル化】し、芳ばしい風味を作り出す』ということなのですが、そもそもこのショ糖って「何なのだろう?」ですね...“ショ糖”と似た言葉に“砂糖”がありますが、それも含めて、今一度調べてみました。

◾️ショ糖:ショ糖は砂糖の主成分であり、グラニュ糖では99.9%を、黒砂糖では90%を占めている(日本食品成分表)。 光合成能力を持つあらゆる植物に存在する。中でもサトウキビ、甜菜(てんさい)に多く含まれるので、これらが主に砂糖を作る材料に利用される。

◾️砂糖:ショ糖を主成分とした甘味料の総称

と言う訳で砂糖の主成分であるショ糖は、植物の光合成の賜物(たまもの)なのですね。そしてコーヒーの生豆にも重量比約10%のショ糖が含まれています。(これは成分であって、それ自体は甘いものではありません)

ネット検索していく中で(株)パールエースさんのHPに興味深い内容が掲載されていたので、紹介させて頂きます。それは砂糖水を加熱していく過程で起こる状態の変化についてです。

・103〜105℃ ⇨ シロップ:ガムシロップやコンポートに利用。

・115〜121℃ ⇨ キャラメル:冷めると柔らかく固まる。生クリーム等を合わせキャラメルが作られる。

・140℃ ⇨ タフィー:冷めるとガリガリとした固まりになり、キャンディに使われる。

・165℃ ⇨ べっこうアメ:黄褐色

・165〜180℃ ⇨ カラメルソース:茶褐色。香ばしい風味。プリンのカラメルソース。

・190℃ ⇨ カラメル:濃い褐色。香ばしい風味と粘り気。

つまり【カラメル化】は砂糖水を加熱していく過程の165℃〜190℃辺りの変化で促進されるというわけです。前述の通り、コーヒー生豆に含まれるショ糖は、砂糖の原料成分であって砂糖そのものではありませんが、カラメル化する化学変化はやはり同じ温度帯で起きます。

焙煎においてもこの165℃〜190℃に掛けてのエネルギーの与え方は極めて重要です。と言うのもこの温度帯では【カラメル化】の他、ショ糖とアミノ酸による【メイラード反応】、そして【ディープフライフレーバー化】も一気に進んで、コーヒーらしい風味がギュッと形成される温度帯だからです。実際の焙煎ではもう少し(200数十℃まで)煎りを深めますが、この165℃〜190℃を過不足なく通過する(焦がすことなく、且つ完全な化学変化を起こさせる)ことが一番の肝になります。

と言うわけで焙煎は単に『豆を茶色く焼く』ではなく、『過不足ない化学変化を起こさせて、美味しさを創り出す』と言うところに、あくなき取り組み甲斐があります^ ^

 

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2024年11月19日火曜日

No.196_エレガントなモノ、コト、ヒト、そしてコーヒー


僕はエレガントなモノ、コト、ヒトが好きなようです...先日、映画“パリ・オペラ座バレエ 白鳥の湖”を観て、改めてそんなことを思った次第です。(公式YouTube

もともとバレエを観るのは好きですが、新型コロナ禍でしばらくご無沙汰していたので(昨年はK-BALLET TOKYOを観ましたが)、映画で観られるというのはお手軽でありがたいです。この映画が上映されることを知った時点では『パリ・オペラ座バレエ団の今年6月のオペラ・バスティーユ劇場での最新公演の模様』とのことでしたので、てっきりその収録映像なのかと思って観に行きましたが、映画用に演じ、撮影されたものでした。というのもダンサーと同じステージ上で撮影したと思われる近景映像やステージ真上から撮影した映像、更には客席上空をドローンで遊覧撮影したような動きの鳥瞰映像もあり、通常のバレエ中継とは全く異なる視点で、全編ワクワクしながら惹き込まれました(客の拍手音も無しです)。また、王子とロットバルトが絡むシーンが有ったり、通常のステージでは観られない光景もストーリー性深まる演出でした。

エトワール(主役のダンサー)は白鳥のオデット姫と黒鳥のオディール(ロットバルトの娘)の2役を演じますが、実際に劇場で観る以上にその仕草、表情の詳細が観てとれ、その演じ分けが手に取るように分かりました。とりわけ、黒鳥オディールが連続で32回ターンするグランフェッテはあまりにもエレガントで、感動した時に起こる喉の奥がちょっと熱くなるような、(お恥ずかしながら)ちょっと涙目になるような、そんな感動シーンでした。

エレガント...歴代、生で観たダンサーではボリショイバレエ団のニーナ・アナニアシビリが忘れられません。また、映像でしか観たことはありませんが、マリインスキー・バレエ団に所属していたアリーナ・ソーモアも大好きです。

そのエレガントというものに想いを馳せた時、とっても飛躍しますが、スポーツ選手でもエレガントな動きにすごく惹きつけられます。NBA(バスケット)だとマイケル・ジョーダンが思い浮かびます。現役選手だとカイリー・アービング、ステフィン・カリー、アンソニー・エドワーズがお気に入りです。サッカーだとジダン、ロナウジーニョが最高でした。こちらも現役だとヴィニシウス、エンバペがお気に入りです。これらの選手は、単に凄いとかかっこいいだけじゃなくて本当にエレガントで、魅了されます。

そして...実はコーヒーにもエレガントさを感じるものがあります。(私見ではありますが、)エチオピアの“モカ・ハマ”は、余韻に漂うベルガモットの淡い柑橘感が、まるで紅茶のアールグレイを思わせます。そして思わず「エレガント!」と唸ってしまうのです...😅

ぜひ一度、コーヒーのエレガントさも、お試し、お楽しみくださいませ。

 

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2024年11月12日火曜日

No.195_葛西小2年生のまちたんけん訪問


今年も葛西小学校2年生の “まちたんけん” 授業で11名の子どもたちのお店訪問を受けました。開店以来毎年この時期の恒例で、今年で4回目(4年目)となりました。と言うわけで僕の方でも楽しみにしていました。

前半は店からの説明、後半は質問を受けるという、こちらもいつもの流れで進みました。一方で4回目ともなると僕の方でも子供の興味の持ちどころとか、驚くところ、“受ける”ところがだんだん分かってきたので、毎年少しずつバージョンアップしています。w

店にはコーヒーノキもありますので、写真もおりまぜ、開花、結実、収穫、乾燥、脱殻、焙煎の流れを説明しました。また、焙煎前後で、生豆はさまざまな変化をするので現物を示して、①色が変わります。②大きくなります。③軽くなります。④もろくなります。⑤香りが変わります。を体験してもらいながら、説明させて頂きました。

①〜③については、同じサイズの2つの容器に焙煎前の300gの生豆と焙煎後の240gのコーヒー豆を提示して、①色が変わること、②一粒一粒が大きくなり、全体の量(かさ)が増していること、そして③の“重さ”はスケールで計量して、軽くなったことを見てもらいました。量は約10%増えて、重量は約20%減少するんですが、『20%、又は2割減るって意味分かりますか?』と聞いてみましたが、一同『う〜ん?』...と、小学2年生にはちょっと難しかったようなので、『では、スーパーで買い物する時、2割引って見たことありますか?』って聞いてみたら、殆どの子が『知ってるー!』と応えてくれたんで、『そう言うことです』と伝えたところ、『分かりました〜』と。w

④の“脆さ”については、先ず10gのコーヒー豆を店のコンクリートの床に撒いて、子供達に踏んで粉々にしてもらいました。次いで生豆10gを同じく床に撒いて踏んでもらいましたが、『潰れな〜い』、『滑る〜』と。真剣且つ必死に何度も挑戦する気迫溢れた姿が微笑ましく、楽しかったです。w

⑤の“香り・匂い”は先ずコーヒー豆の匂いを嗅いでもらい、更に10gの挽きたての香りも嗅いでもらいましたが、みんな『いい香り〜』、『いい匂い〜』と反応してくれました。その後、もう一つの容器の生豆、そして麻袋の生豆の匂いを嗅いでもらいましたが、みんな揃って『臭い〜』と、その穀物臭に顔をしかめ、こちらは昨年に続いての反応で、楽しかったです。

質問は、コーヒーの種類は?一日のお客さんの人数は?なぜコーヒー豆屋さんになったんですか?何曜日が忙しいですか?コーヒーに栄養はありますか?飲みやすいコーヒーは?なぜ世界から輸入するんですか?他いろいろ。質問には一つひとつ丁寧に応えさせて頂きました。

そしてある女の子から『店には色々な絵が飾ってありますがなんでですか?』と質問頂きました。

店では、マティスJAZZシリーズの切り絵4枚の他、NY在住女性アーティストVERRIER(ヴェリエ)さんのハンドクラフトを3枚飾ってあるんですが、店の中の雰囲気を少しでも柔らかく、明るくしたいと思って掲げていますので、そこに目を付けてくれたのはちょっと嬉しかったです。(^。^)

と言うわけで、今年も楽しい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。

 

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2024年11月4日月曜日

No.194_私淑の人、大谷翔平さん!


大谷翔平さん所属のロサンゼルス・ドジャースが、見事ワールドシリーズを制覇しました。おめでとうございます!本当に素晴らしいです!

ポストシーズンに入ってからは、NHK BSで放送する全試合を録画予約セットして、店では携帯ニュース等、結果を目にしないように気を付けて、家に帰ってからそれを再生してTV観戦!という日々を送ってきました。

実は数年前から大谷翔平さんは僕の私淑(ししゅく)の人になりました。きっかけは、大谷翔平さんが高校1年生の時、作成し、以来実践、実行し続けているという目標達成シート(縦9列×横9列のマンダラチャート)の存在を目にしたことからです。日常的な行動目標から、将来の目標まで実に具体的に書かれていて、それを実践、実行し続けて来たからこそ、今の大谷翔平さんがあるんだなぁと、感心を超えて、驚きを伴って感動してしまいました。

世の中にはスポーツ界に限らず、僕が感じる凄いなぁ、素晴らしいなぁ、大好きだ〜と、憧れる人は他に何人もいますが、私淑の人ともなると、更に一つも二つも上の強い思い入れがあります。

私淑...僕の解釈が間違っていてはいけないので、今一度、その言葉を検索してみました。『尊敬する人に直接には教えが受けられないが、その人を模範として慕い、学ぶこと(Oxford Languages)』、『孟子「子は私(ひそ)かにこれを人よりうけて、淑(よし)とするなり」から、直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと(goo辞書)』とありました。

なので、「私淑の人」と言うのは単にファンであるとか、「憧れの人」と言うことではなくて、自身の心の中に居る人(居てくれる人)だと思っています。何かことにあたる時、『あの人だったら、こう心に決めて突き進むだろう』、何か邪念が起きそうな時、『あの人だったらそんなことには目も向けないだろう』そんな心の拠り所になる人です。その人を私淑することで自身の生き方、人生がブレずに且つシンプルになるものだと感じています。

実は...元来、僕の私淑の人は、矢沢永吉さんで、かれこれ40年、それは今も、これからも変わりません。そこに数年前から、もう一人大谷翔平さんが加わりました。ん?加わった?...私淑の人と言うのは、言い換えれば「自身の心」なので、本来ただ一人であるはずで、「加わった」と言う表現は不適切かもしれませんね....そこだけは少々複雑な心もちです...

僕は『引き寄せの法則(エスター・ヒックス)』とか、『原因と結果の法則(ジェームズ・アレン)』というものを信じていますが、正にそれを体現しているのが、大谷翔平さんだと思っています。一般的に私淑の人と言うと、自分よりは人生の先輩に対して抱くことが多いかもしれませんが、大谷翔平さんは別格、そんなことは超越した魅力を感じます。心の底から尊敬しています。

ますますの活躍を、そして言動をこれからも追い続けていきます(^^)/

 

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