2024年5月14日火曜日

No.169_煙突掃除


先日、お客さまから『外に煙突が有りますけど、煙突掃除もするんですか?』と、ご質問を頂きました。

回答を先に申し上げると『します』です。

ところで煙突は2本あって、【煙突①】は焙煎の排気、そして【煙突②】はこのつぶやきNo.167でも触れましたが、焙煎直後の豆を冷やすための冷却器に接続されているもので、店内の空気を吸って外に出しているものです。(【煙突②】は単なる空気の通り道と言うことです)

因みに【煙突①】、焙煎の排気は集塵機を経て排気されますので、豆のチャフ(焙煎によって剥がれる豆の薄皮)や塵の様なものは外部には放出されません。そしてその排気は、焙煎後半では200℃を超える熱気となります。(この熱気は透明で、白い煙がモクモク出る様なこともありません。)

ここまでの説明を聞くと『煙突と言っても塵も出ない透明な熱気だったら、煙突内も汚れず、掃除も不要では?』と思われるかもしれません...

実はこの排気、透明ではありますが、焙煎の香りがします。そしてその香りにはとっても微量ではありますが、コーヒー豆から発生するオイル成分も含んでいます。

仮に何年も煙突掃除をせず放っておくと、このオイル成分が煙突内側に少〜しずつタール状に固着して煙道を狭めて行くことになります。

それを避けるため、いろどりこーひーでは3ヶ月毎に日を決めて煙突掃除をしています。金属製の煙突掃除ブラシを使って、煙道の中を擦って清掃するのですが、前述の通り、煤(スス)のようなものは出ず、ほんの少し固着し始めたタール状のものを引っ掻くイメージで、少量の微粉が出る程度です。

因みに煙突掃除をせず、煙道が狭まっていくとどうなるか?ですが、→排気が弱まる→焙煎窯内に熱が籠る→パターン①:温度が上がり豆の表面焦げが発生し、苦味や雑味が発生する。パターン②:実務としては温度上昇を解消するため、火力を下げて対応することになりますが、これにより❶熱風の温度、窯のドラムとの❷接触熱、窯そのものからの❸輻射熱のバランスが崩れ、豆のデベロップ(成分の化学変化)に差異が生じる→味が変わる。と言うことが起きてしまいます。

と言うわけで、豆の風味の安定、更なる美味しさへの探究のため、定期的な煙突掃除はとても大切です。

 

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