2024年6月25日火曜日

No.175_お客さまがお店にお越し頂くきっかけ


店を始めて丸3年、今、4年目を過ごしておりますが、リピートして下さるお客さまも少〜しずつではありますが増えていて、本当にありがたい限りです。

そして新規のお客さまも一定割合いらっしゃり、これまた本当にありがたいです。

お店では新規の方、リピートして下さる方問わず、(ご挨拶は別にして)こちらから率先して話題を向けることはありませんが、新規のお客様からこの店に来ることになったきっかけのお話を頂くこともあり、いつも興味深く、そしてありがたく伺っております。

店の目の前がバス通りになっているので、「バス車内から見つけて、前から気になっていたんです」とか、「たまたま、前を通り掛かって見つけました」と言う方もいらっしゃいますし、「ネットの検索で出てきたんで」とおっしゃる方も多いです。中には「ホームページの“つぶやき”を読んでて、興味が湧いて...」と言う方もいらっしゃって、ちょいと気恥ずかしいですが、とっても嬉しく、ありがたいです。

他にも「ひと(リピート頂いているお客さま)から頂いて飲んだら美味しかったので」とか、「ひとから紹介されて」なんてことも。本当に本当にありがたいです。こんな嬉しいことはありません。

そんな中、先日、えっー!?と言うようなことがありまして...「ポケストップにいろどりこーひーが出てきて、コーヒー豆屋さんがあるのを知ったので、今日来てみました。」と。一瞬、理解出来ず、「えっ?」と伺ったところ、画面まで開いて教えてくれました(その画面が今回の写真です)。ポケストップと言うのは、スマホゲームPoKe`mon GOに登場する「アイテムをゲットするスポット」のとのことです。まさかそんなところにいろどりこーひーが登場しているとは知りませんでした。

とは言え、そう言った場所に載っていることも、それを見てお客さまが来てくれたことも、そのことをお客さまが教えて下さったことも、みんな、み〜んな嬉しい限りです。

こうした日常の何気ないお客さまとの接点、出来事全てが、いろどりこーひー、そして僕の明日への活力になっています。本当に、ありがとうございます。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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2024年6月18日火曜日

No.174_いろどりこーひーの豆色は、マットな色合いです


今回の写真は、いろどりこーひーで一番の深煎り、コロンビアの豆です。

深煎りでも色合いは真っ黒感、テカリ(光沢)感は無く、マットな褐色です。

マット(Matte)は、「光沢の無い、艶の無い」と言った意味合いで、表面はサラサラした質感です。

過去のつぶやき『No.157_焙煎の進行と豆の色』でも書きましたが、焙煎中の進行管理で、豆の色は頼りにしません。

つまり「コロンビアが一番おいしくなる焙煎進行を極めていったらこのマットな色合いになった」ということです。

豆は170℃〜180℃辺りで大きく変質(化学変化)して、グッと香りが出てきます。そして200℃をしばらく超えたところから、焙煎度がじわじわと深まって行き、最終的には1℃単位で定めたココ!というタイミングで煎り止めして窯から外に出します。(この1℃のタイミングは、豆の適性に合わせ、それぞれ異なります。)

そして豆毎に変えているのはこの煎り止め温度だけではありません。「200℃をしばらく超えたところから煎り止めまで、どのような火力で追い込むか」と言うことも出来上がる豆の味に大きく影響を与えます。

例えば10℃上昇をさせるのにも強い火力だと早く到達し、弱い火力だと時間も長めに掛かります。つまり、豆種によってこの①煎りを深める火力、②煎り止める温度の組み合わせが皆、異なります。

ここで化学的な少々面倒な話になってしまいますが...

コーヒーの生豆は大変多くの成分で構成されていて、その主要なものだけでも多糖類、小糖類(ショ糖他)、脂質(油脂)、タンパク質、酸(クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸他)、カフェイン...等々あります。

これらの成分は焙煎によってその性質を変え(化学変化を起こし)、コーヒー豆としての風味が作られて行くのですが、とっても大雑把に言ってしまうと、焙煎の進行に伴って『❶だんだん美味しい成分になる→❷最高の美味しさになる→❸美味しさが損なわれていく→❹不味い成分に変質する』という経路を辿ります。

焙煎は当然「❷最高の美味しさ」に辿り着くこと、そしてその段階を超えて❸に行かないことを目指しています。

一方、これは一筋縄では行かず、❶段階の進め方で、❷のレベルに強弱が出ます。また、前述の通り、成分は多岐に亘りますので、それぞれ進捗度が異なります。結局、バランスが取れた最良の焙煎を決めていくのは、出来上がった豆の風味を頼りに!ということになります。

深煎りは、焙煎が進み過ぎると『焦げ感』が出て来ますし、その一歩手前でも『ベイクド感』と言う後味の悪さ、重さが現れます。これら嫌な風味が現れない、且つ、ピークの美味しさも減退しないポイントで決めた焙煎が、結果として真っ黒感、テカリ感のない、マットな褐色が特徴のいろどりこーひーの深煎り豆となりました。

 

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2024年6月11日火曜日

No.173_ミヤマキリシマ


今回はコーヒーの話から離れて、山登り、そしてミヤマキリシマのお話です。

先ず今回の写真ですが、5年も前(昔)になりますが、2019年6月9日九州、くじゅう連山、平治岳(ひいじだけ)登山の写真です。[お恥ずかしながら本人顔出しです(^^; ]

この時は一面にミヤマキリシマ(ツツジの一種)が満開で、圧巻の景色でした。当時、僕は会社勤めで九州支店(福岡)に赴任しておりましたので、その間、シーズンは毎月のように山登りに行ってました。「行ってました」なんて書いてしまいましたが、山登りを始めたのは福岡に行ってからで、そこで出来た何組かの山友達、山師匠に「連れて行って頂いた」、「ご一緒させて頂いた」という感じです。

山師匠、山友達とご一緒させて頂いている分には、何ら危険なこともトラブルもありませんでしたが、山は経路選択や時間配分が大切なので、自ら先導してというのは1回もなかったです...師匠たち、山友達たちには本当に感謝、感謝です。山に出掛ける時は早朝に家を出て(未明に出たり、近くで前泊というのもよくありました)、午前中登って、昼時には下山し始めるのが大まかな流れでした。そして帰路の途中に温泉に立ち寄り、疲れを癒す!と。(これがまた格別でした!)

前述のミヤマキリシマは自生ですから、満開のタイミングが見られると本当に感動します。この「満開」ですが、暦の時期的な話もありますが、花の付き(開花量)が年によってかなり違うので、当たり年か、そうでないかと言うのも大きく影響します。この2019年は当たり年でしたが、シャクトリムシが大発生する年はハズレ年になってしまいます。「蓼食う虫も好き好き」なんて言いますが、本来ミヤマキリシマ(ツツジ科)は、耐虫対策として毒性を帯びているので、大抵の虫は食べないそうですが、シャクトリムシだけはこれが大好物で、葉も蕾も花も食べてしまうそうです。そんなシャクトリムシ、言い様によっては害虫ですが、それを捕食する鳥たちは逆に大歓迎ということですから、そこまで含めて自然を楽しむ!と捉える様にしています。(これも師匠から教わったことです^ ^)

そして暦的に(平治岳は)、例年6/10前後が見頃で、当時も山師匠は時期が近付くとネットで頻繁に情報収集したり、自身も下見に行ったり、その時期を見計らってくれていました。以来、6/10が近付くと「そろそろ満開を迎えているんだろうな〜」と、毎年思いを馳せています。と言うわけで今年もそんな時期になりましたので、また思い出しながら、そして古い写真を引っ張り出してきながら、このつぶやきを書いているわけです...

山の魅力、楽しみは、登り切った達成感とか、スペクタルな眺望もありますが、その時々に咲いている可憐な花を愛でながら歩くとか、秋の紅葉なんかもとっても見どころありでホントいいです。そうそう、山登りでは、師匠がいつもお湯の入った保温水筒持参で、頂上でコーヒーをドリップしてくれていました。あの時の美味しさ、豊かな心持ちは何とも忘れられません。

そう言えば福岡にいる時、屋久島の縄文杉も見に行きました。高地はマイカー規制があるので5:00始発のバスに乗って約40分で荒川登山口に着いた後、縄文杉まで11kmの道のりを歩いて向かうのですが、前半8.5kmのトロッコ道で300m登り、残り2.5kmで400m登りますので立派な登山でした。縄文杉の樹齢は3000年とも8000年とも言われていますが、何れにしてもそれだけ生きている樹に会えたあの(「感動」と言う言葉だけでは表現できない)「感情」は、今も忘れられないです。

なんかまた、山登りに行きたい血が騒いできました〜 ^ ^

 

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P.S. もし宜しければ、つぶやきNo.87_「山登り」も、ご参照くださいませ

2024年6月4日火曜日

No.172_生豆の固さと風味の傾向。グァテマラ、ブラジルの例


今回も前回に続き、生豆の固さに関連したお話です。

前回No.171では、『生豆の固さはそれぞれです』がテーマでした。そこでの主旨は生育環境の違いが生豆の固さの違いにつながり、それが風味の違いにも繋がっています...と言ったものでした。

ただ...お客さまにとっては、生豆の固さを知ってコーヒーを選ぶことはないので、逆の観点で「コーヒー豆の風味の違いは、多くは生育環境の違いから来てるんですね」程度にサラッと読み流して頂けると幸いです。^ ^

因みに『コーヒーノキ(アラビカ種)の生育に適した気候』ですが、

気温は年間を通して、且つ昼夜の寒暖差の観点でも15℃〜25℃の範囲で推移するのが理想とされています。実際には更に±5℃の10℃〜30℃でも結実はする様ですが、更に低温、高温の日が続くと収穫に影響し、特に霜が降りたりすると途端に不作になってしまいます。

他にも適度な雨量(年間1,500〜2,500mm程度、且つ雨季乾季があることが望ましい)、肥沃で水捌けの良い土壌、風通しの良い立地等色々デリケートなことが多いのですが、この様な環境は赤道付近(南北緯25°以内)の高地に存在します。

ここで、いろどりこーひーにおける二つの例、①比較的高地(グァテマラ・かため)、②比較的低地(ブラジル・やわらかめ)をご紹介させて頂きます。

①グァテマラの産地は比較的高地(ウエウエテナンゴ地域で標高1,500m〜2,000m)で、昼夜の寒暖差も大きく、実もゆっくり成長することで、かたい種子(豆)が出来上がります。そしてその間、個性的で豊かな“酸 ”がじっくり作り込まれ、これがフローラルな風味を演出します。

因みにグァテマラでは、栽培地の標高で豆の等級を格付けしていて、上位から順に...

・SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン):標高1,300m以上

・HB(ハード・ビーン):標高1,220m〜1,300m

・SH(セミ・ハード・ビーン):標高1,050m〜1,220m

・EPW(エキストラ・プライム・ウォッシュト):900m〜1,050m

・PW(プライム・ウォッシュト):750m〜900m

と、なっています。因みにいろどりこーひーのグァテマラはSHBです。

②ブラジルの産地は比較的低地(スル・デ・ミナス地域で標高700m〜1,350m)で、昼夜の寒暖差も少なく、穏やかな気候のもと実もスクスク成長するので、種子(豆)のかたさもやわらかめです。それ故その間、“酸 ”もあまり醸成されず、穏やかな飲み口のコーヒーが出来上がります。

ところで豆のかたさってどうして分かるの?と思われる方もいらっしゃると思います...これは焙煎中、同じ進行を実現しようとする時、必要とするカロリー(火力×時間)に違いが出るので分かります。かたい豆を焙煎するには、それなりに多くのカロリーが必要になるからです。 

と言うわけでコーヒーの生豆には、既に自然の恵がたっぷり詰め込まれていると言うことなんですね。ちょっとロマンめいたものを感じますが、それをお客さまが飲む一杯のコーヒーまで、そっくりそのままお届け出来るよう、“ちゃんとした焙煎”(風味を損なうことなく、最大限に引き出す)をすることが焙煎人の使命と心得ております。^ ^

どうぞそれぞれの豆の個性的な風味をお楽しみください。

 

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