2024年6月18日火曜日

No.174_いろどりこーひーの豆色は、マットな色合いです


今回の写真は、いろどりこーひーで一番の深煎り、コロンビアの豆です。

深煎りでも色合いは真っ黒感、テカリ(光沢)感は無く、マットな褐色です。

マット(Matte)は、「光沢の無い、艶の無い」と言った意味合いで、表面はサラサラした質感です。

過去のつぶやき『No.157_焙煎の進行と豆の色』でも書きましたが、焙煎中の進行管理で、豆の色は頼りにしません。

つまり「コロンビアが一番おいしくなる焙煎進行を極めていったらこのマットな色合いになった」ということです。

豆は170℃〜180℃辺りで大きく変質(化学変化)して、グッと香りが出てきます。そして200℃をしばらく超えたところから、焙煎度がじわじわと深まって行き、最終的には1℃単位で定めたココ!というタイミングで煎り止めして窯から外に出します。(この1℃のタイミングは、豆の適性に合わせ、それぞれ異なります。)

そして豆毎に変えているのはこの煎り止め温度だけではありません。「200℃をしばらく超えたところから煎り止めまで、どのような火力で追い込むか」と言うことも出来上がる豆の味に大きく影響を与えます。

例えば10℃上昇をさせるのにも強い火力だと早く到達し、弱い火力だと時間も長めに掛かります。つまり、豆種によってこの①煎りを深める火力、②煎り止める温度の組み合わせが皆、異なります。

ここで化学的な少々面倒な話になってしまいますが...

コーヒーの生豆は大変多くの成分で構成されていて、その主要なものだけでも多糖類、小糖類(ショ糖他)、脂質(油脂)、タンパク質、酸(クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸他)、カフェイン...等々あります。

これらの成分は焙煎によってその性質を変え(化学変化を起こし)、コーヒー豆としての風味が作られて行くのですが、とっても大雑把に言ってしまうと、焙煎の進行に伴って『❶だんだん美味しい成分になる→❷最高の美味しさになる→❸美味しさが損なわれていく→❹不味い成分に変質する』という経路を辿ります。

焙煎は当然「❷最高の美味しさ」に辿り着くこと、そしてその段階を超えて❸に行かないことを目指しています。

一方、これは一筋縄では行かず、❶段階の進め方で、❷のレベルに強弱が出ます。また、前述の通り、成分は多岐に亘りますので、それぞれ進捗度が異なります。結局、バランスが取れた最良の焙煎を決めていくのは、出来上がった豆の風味を頼りに!ということになります。

深煎りは、焙煎が進み過ぎると『焦げ感』が出て来ますし、その一歩手前でも『ベイクド感』と言う後味の悪さ、重さが現れます。これら嫌な風味が現れない、且つ、ピークの美味しさも減退しないポイントで決めた焙煎が、結果として真っ黒感、テカリ感のない、マットな褐色が特徴のいろどりこーひーの深煎り豆となりました。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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