前回『No.233_焙煎機の構造は“ドラム式洗濯機”と“サイクロン式掃除機”を組み合わせた様なもの』を書いていながら、もう少しだけご説明したいなと思いながら紙幅の制約もあり、書けなかった内容が、今回の『焙煎は部屋全体の空間でヤク』です
焙煎職人談義...みたいな内容で、ちょいと退屈かもしれませんが、よろしければお付き合いください
前回No.233ではサイクロンの説明として、『焙煎機のサイクロンもドラム側から空気を吸い込み、煙突側へ押し出す仕組みになっています』と記載しました
この『ドラム側の空気を吸い込み』の部分ですが、更にその手前の段階では、『焙煎機が設置されている部屋の空気がドラム下部のガスの火で加熱されながらドラム内に吸い込まれ』ということが起きています
ここで再びドラム式洗濯機の引用ですが、ドラム式全自動洗濯乾燥機の場合、洗濯が終了して、乾燥が始まるとドラム突き当たりの通気口から熱風が注ぎ込まれます。これも焙煎機の仕組みとかなり近くて、焙煎機のドラム突き当たりにもパンチング状の穴がたくさん開いています。サイクロンで空気を吸引すると前述の熱風がそこから勢いよくドラム内に取り込まれます
つまり生豆はこの熱風でヤかれていくということです(厳密にはドラム鉄板との接触熱、窯を覆う分厚い鉄板からの遠赤外線輻射熱も加わります)
それ故、『部屋の中の空間、空気も焙煎に少なからずや影響を与えている』というわけです
焙煎を数窯続けて行うと、部屋の温度も1窯目、2窯目と上昇していきます。すると同じ火力を与えても2窯目以降はより高温の空気を吸い込み、それを加熱することになるので、窯内温度も若干高くなるということが起きます。実際にはそれが起きないように微妙に火力を絞るということを行うのですが、そのメカニズム(大局観)を頭に描いて掛かるのとそうでないのでは、自ずと制御の精度が変わってきます
また、仮にも気密な部屋で焙煎すると、屋外に空気が吸い出され続けているので、その室内は負圧になります(部屋の空気は吸われ続けると負圧、逆に詰め込まれ続けると正圧になります)
負圧が生じるとサイクロンで吸い込もうとする空気量に制御が掛かり(通気量が少なくなり)これまた、焙煎に影響が出ます(通気量が下がると窯内温度は高温側に触れます)
いろどりこーひーではこれを解消するため、部屋の換気口を開放し、対面側に設置した換気扇を運転して部屋の空気を流通させ、負圧が起きないよう配慮しています(冬は寒気、夏は暖気を呼び込みますが、一定の部屋圧にする方を優先させています)
出来ることなら、空調制御された体育館のような大きな空間で焙煎できるのが望ましいのですが、それは不可能なので、安定した焙煎のため、前述の配慮をしています(いろどりこーひーは天井高さが3mで14坪ありますので、空間としては比較的恵まれている方だと思います。逆に焙煎室のような小部屋を作っての焙煎は非常にリスキーです)
というわけで、「部屋全体の空間を使ってヤク」のポイントは、
①吸い込まれる空気の温度差を最小限にする(春夏秋は適正に冷房を入れる。冬は暖房を入れない)
②吸い込まれる部屋の空気の圧力差を最小限にする(換気口、換気扇を有効に活用する)
いやはや、今回はあまりにもマニアックなテーマで失礼いたしました^^;
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな暮らしに“彩り”をお届けします