2025年8月19日火曜日

No.235_丸の内線のCBTC(無線式列車制御システム)と焙煎


先日何気なくテレビをつけていたら、「東京メトロ丸の内線でCBTC(無線式列車制御システム)が導入されたことで、車両運行がよりスムーズになり、遅延証明書発行数が半減した」とのニュースを見かけました

その中で従来システムとの違いも概略説明され、鉄道ファンでもない僕ですが...「なるほどねー」と興味が湧いたものですから、少し調べてみました

「CBTCは、Communication-Based Train Controlの略称。列車運行を制御する信号保安システムの一種で、無線通信を利用して、列車の位置や速度情報を地上と車上でリアルタイムにやり取りし、きめ細かい運行制御が可能」とのことです

これに対して従来の(現在、ほとんどの)方式は「固定閉塞方式」というそうで、「線路をいくつかの区間に分けて、その中に1本の列車しか入れない方式」とのことです。しかしこの方式では先行車両との正確な間隔は把握出来ず、遅延してもそれを詰めるには限界がありました

方やCBTCは無線通信で列車の位置をリアルタイムに1m単位で追跡、管理可能とのことで、前述の「区切りで管理する方式」に対して、「実際の位置で管理する方式」と言えそうです

この導入により、結果として輸送力増強」、「定時性向上」、「運行の柔軟化」 が実現されるとのことで、2026年度には日比谷線、2028年度には半蔵門線にもそのシステムが導入されるようです

ところでなぜ、コーヒーにも焙煎にも関係なさそうなこの話題に触れたかというと...

実は、「僕が焙煎でずっと取り組んでいることと、切り口が一緒だなぁ」と感じたためです

焙煎は窯への生豆投入から煎り止め(窯から出す)まで20数分掛かりますが、その間、目指す進行を正確にトレースする(なぞる)必要があります。その作業が列車の定時運行と重なって感じられたものですから...

焙煎はその日の状況に応じてその進行に微妙なブレが生じますが、それがズレまでに至らないように、都度、火力調整して、収めていく(制御する)ことが肝となります(このブレとズレについては、宜しければ、つぶやきNo.178も参照ください)

以下、僕の感じた列車定時運行の肝と、焙煎進行の肝の対比です

①定時管理

列車は「各駅をこの時刻に通過しなければならない」という定時が定められている

 →焙煎は上昇し続ける「窯内温度5℃毎に、生豆投入後、何分何秒で通過しなければならない」という通過タイムを秒単位で定めている

②ブレの調整

列車はある駅の通過時刻が遅延したら、次の駅の到着時刻を定時に近づけるため、通常より加速を強めて、又は減速を緩くして遅れを取り戻す(逆に早過ぎたら加速を弱めるか、減速を早める)

 →焙煎で所定の経過タイムが遅延したら、次のフェーズの設定火力を少し強めて、遅延解消に努める(逆に早過ぎたら、火力を絞る)

③滑らかな制御

列車は上記②で更なる加速、更なる減速をする時にも乗客の安全確保、快適性実現のため、急加速、急ブレーキは厳禁。そーっと滑らかな操作が必要

 →焙煎で進行回復するため、火力を強めるとそのフェーズは厳密にはカロリー過多になり、弱めるとカロリー過少になる。それが極端だと次工程の豆の適正な化学変化に支障をきたす(味が変わる)。急な調整は豆に無理をさせることになるので、常に“そーっと”が大切

焙煎の最中に火力調整を“そーっと”行うとき、思わず運転士が乗客を気遣ってハンドルを握っている姿を重ねてしまいます(実際は自動制御かもしれませんが^^;)。運転士は乗客を!そして僕は豆を!常に気遣っています

④飽くなき改善

列車では今回の丸の内線でのCBTCシステム導入のようによりスムーズな運行、より安全な運行に向け、飽くなき改善を続けている

 →焙煎進行を毎回限りなく同じにするための飽くなき改善を開店以来、ずーっと積み重ねています

具体的には当初10℃毎のチェックを5℃毎に/チェックポイントの進捗誤差(秒)の記録/チェックポイント間のインタバル時間(秒)を記録の上、その間のカロリー過多を把握/これにより進行のリアルタイムの加速感、減速感を把握/それを次工程の調整への反映といった改善、改良に取り組んできました

飽くなき取り組み、挑戦...というのは、どうも僕の性分に合っているようです^^;

 

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参考:CBTCについて(NHKから)