2024年4月30日火曜日

No.167_焙煎終了後、豆を急冷します


前回のNo.166では焙煎開始のフェーズ=生豆投入をテーマにしましたが、今回は焙煎終了の煎り止め、急冷のフェーズがテーマです。

因みに焙煎はある一定の温度でヤイているわけでは無く(鍋料理の「弱火で◯分」と状況は異なります)、前回No.166でご紹介した通り、窯の中の温度は“ボトム”を経て以降、上昇し続けながら焙煎は進んで行きます。その間、デジタル温度計の刻々と変化する数値を見ながらある定めた温度になった瞬間、ソレっ!と窯の側面の蓋を開け、豆を窯から外に出します。(窯の中はドラム式洗濯機の如く回転し続けていますので、窯の蓋を開けると豆はザーッと勢いよく飛び出してきます。)

このタイミングを【煎り止め】と言い、豆毎に1℃単位で定めた適温があります。因みに初めて焙煎する豆種は、その適温を探すため、最初の数回は敢えて1℃ずつずらしてその適否をカッピング(いわゆる味見)で確認しながら定めて行きます。

ここで今回添付した写真をご覧頂きたいのですが、窯から出された豆は冷却器(円形のタライ状のところ)に入り、そこで冷やされます。

冷やす仕組みは【撹拌】と【通風】です。この冷却器中心部には、攪拌機(長さ、高さ、形の異なる[定規の様な]3本のフィン)が付いていて、それが回転し、豆を満遍なく混ぜ続けます。また、冷却器の底面には、パンチング状の穴(直径4mm)が全面に開いていて、その下部に向け強力に空気が吸い込まれます。冷却器の下部には外部の煙突まで繋がっているダクトが接続されていて、その途中に設置されたファンが室内空気を強力に吸って外に排気します。(→“つぶやきNo.13”に2本の煙突の写真が掲載されています。)

シンプルに表現すると『熱々のコーヒー豆を撹拌しながら強力な冷風ドライヤーで冷ます』の様な仕組みです。

窯から出された直後の豆は、200℃を超えていますが、冷却器で撹拌、通風されることにより1分もすると手で触れる程度の温度まで冷めます。厳密には、この1分間もヤキは進んでいることになりますが、毎回同じ焙煎量で同じ冷まし方をしているので、『窯から出す1℃単位、秒単位の操作が焙煎と煎り止めをコントロールしている』ことに繋がっています。

 

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