2025年12月30日火曜日

No.254_今年も一年、ありがとうございました


昨日(12/29)、今年最後の営業を無事終えることができました

今年も一年、ありがとうございました

心より感謝申し上げます

今年は開店5年の目のシーズンでしたが、年間を通したお客さまの動向(季節や月の上中下旬、曜日、各時間帯など)や、いろどりこーひーにリピートしてくださるお客さまたちのお好み等、より深く理解することができました

日々考えていることではありますが、いろどりこーひーをご利用いただくお客さまに、更なる美味しさをお届けできるよう、そしてより一層お気軽にご利用しやすくなるよう、来年もさらに創意工夫してまいりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします

2026年は、1月7日(水)より、通常営業を開始します

2026年もよろしくお願い申し上げます

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ

 

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2025年12月23日火曜日

No.253_奥行きとバランスを備えた複雑さが生み出す余韻の魔力


今回のテーマは【奥行とバランスを備えた複雑さが生み出す余韻の魔力】です

いささか長すぎるタイトルで、一度読んだだけでは、「何のこと?」と思われたかも知れませんが、皆さんが普段コーヒーを飲んでいて「なんだか、また飲みたくなるな」と感じる、その不思議な感覚についてのお話です

余韻...コーヒーの風味を形作る上で、とても重要で、そして大切な要素だと考えています

この「店主のつぶやき」の中でも、これまで何度か余韻について触れてきました

No.114_コーヒーの余韻を楽しんでいただきたい

No.217_コーヒーの余韻の魅力

そこでは、「余韻とはなにか」、「余韻を楽しめるコーヒーとはどんなものか」といったことを書いてきましたが、近頃はさらに一歩踏み込んで、“余韻の魔力”について考えるようになりました(少々、大袈裟にいうと“思考の深化”ですね^^;)

というのも、コーヒーに限らず、食の世界全般で、「また、口にしたいと思うものって何だろう」と考えた時、“美味しいもの”といってしまうとそれまでなのですが、もう少し踏み込むと「口当たり(マウスフィール)の良さ」から始まり、次に「奥行きとバランスを備えた複雑さ(コンプレックス感)」を感じる魅力的な風味につながり、やがては「余韻(アフターテイスト)の心地よさ」に辿り着くことで、「また、口にしたい」という気持ちが湧いてくるように思います

「奥行きとバランスを備えた複雑さ」といっても、なかなかイメージしづらいかとは思いますが、これが備わると、甘さ、フレッシュな酸、ダークなコクが入れ替わり現れるとか、飲み進める中で表情が変わる...そんな風味体験ができます(この感覚を“奥行き感”と捉えています)

飲み終えたあとの余韻そのものは10分、20分で消えてしまうかもしれませんが、心地よい美味しさの記憶は、時として何日、何ヶ月、何年経ってもふとした瞬間に蘇るものです。そして「また、あれ食べたくなった」、「また、あの店に行きたくなった」となるのですから、ここまでくると“余韻の魅力”を超えた、“余韻の魔力”ともいえるのではないかと

いろどりこーひーもそんな“余韻の魅力”、そして“余韻の魔力”を持ったコーヒー豆をご提供して、より多くのお客さまに楽しんでいただきたい!そんな思いを込めて、今日も一窯、一窯、焙煎に向き合っています

 

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2025年12月16日火曜日

No.252_ブレンド作りの楽しさ


いろどりこーひーのブレンドは、通年ご提供している『定番ブレンド』と、季節ごとに入れ替える『季節のブレンド』で構成されています

“定番ブレンド”は、「お客さまの通年の日常使い」をイメージしていますので、安定・安心の美味しさ、そして飽きのこない美味しさをコンセプトにしています。また、日常使いという意味では、価格も比較的安価に抑えるよう配慮しています

一方、「季節のブレンド」については、文字通り季節を意識したコンセプトを掲げ、そのイメージが表現できるよう、素材となる豆の銘柄選定、そしてその配分をいろいろ試しながらブレンドしています(細かくは、焙煎度の違い、香り、甘さ、ボディ感といった個性のバランスをとっていきます)

和食のお店でも、フレンチレストランでも季節のメニューというのはよくある話です

そこでは「季節に応じた旬な食材を使う」ということがメインコンセプトになりますが、加えて「季節ごとにヒトが欲する風味というのは変わる」という前提のもと、それに沿ったメニューや味付けが考えられています

例えば暑い夏はあっさり、さっぱりしたものを体が欲しますし、逆に冬はしっかり、時にコッテリした風味を欲するものです

僕がブレンドする時のコンセプトもやはり夏はあっさり、さっぱり、キレが良い風味を中心に、逆に寒い季節は、しっかり、芳醇といった風味を中心に据えます

そしてもうひとつの視点は、新春の晴れやかな気持ちや、春先の芽生えに感じるフレッシュ感といった「心持ち」とのマッチングです。 また、ハーベストシーズンの食材との食べ合わせ、クリスマスケーキの生クリームやチョコレートケーキの油脂を受け止める相性など、その季節ならではの食材とのマッチングをテーマにすることもあります

さらに異なるアプローチでは、その時に入手できたスペシャルな豆を使い、その個性を最大限に引き出すことを目的としたスペシャルなブレンドです。現在発売しているパカマラブレンドや、今年9月に発売したイパネマブレンドが、そういったブレンドになります

ブレンドする豆種やその配分をほんの少し変えるだけで、味わいの表情がガラッと変わる瞬間があり、ブレンド作りは本当に奥深く、そして楽しい作業です

おかげさまで、この季節のブレンドを楽しみにしてくださるお客さまもとても多く、僕自身、とても励みになっています

今年も間もなくXmasが訪れますが、その後はブレンドも新春バージョンの「ブライトスマイル」と「ことほぎ」に切り替わる予定です

いろどりこーひーのブレンドコーヒーをお供に、ぜひその時々の季節の趣をお楽しみください


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2025年12月9日火曜日

No.251_焙煎でこわい表層やけ



前回の「No.250_焙煎と排気」に続き、今回も焙煎論みたいな話で恐縮ですが、よろしかったらお付き合いください^^;

先ず、焙煎のキモとして、コーヒー豆を一粒のサイズで捉えた時、表層も中央部も「均質に焼かれていること」がとても大切なこととなります

表層に熱が加わり過ぎて豆の表面が少しでも焦げようなら、それで淹れたコーヒーは焦げ感の苦味を味わうことになります

逆に豆中心部がしっかり焼けていない時は、エグ味といったネガティブな風味を味わうことになります

焙煎のプロセスは、大まかに前半の①水分抜きフェーズ、中盤の②デベロップフェーズ、後半の③ローストフェーズと進みます

突飛な例えですが、ハンバーグだと表層がしっかり焼けていて、ナイフを入れると肉汁、ジュワーっと!はサイコーですね!しかし、コーヒー豆の場合、これに近い状態は風味にダメージを与えます

①水分抜きフェーズを少し補足します

先ず、焙煎前の生豆ですが、こちらには10%前後の水分が含まれています。これを水分抜きフェーズで、豆の表層から中心部まで均等に水分が抜けた状態に持っていく必要があります

(出来れば前回のつぶやきNo.250_焙煎と排気並行してご覧頂きたいのですが、)このフェーズで排気過多、火力過多になると豆の表層だけが、カリッと水分が抜けて、中心部にほんの少し水分が残ることがあります(前述のジューシーハンバーグの様に)。この状態で②デベロップフェーズに突入してしまうと、豆全体で均等な化学変化が起きず、その豆で淹れたコーヒーは、明るさが欠け、重く濁った印象の風味になってしまいます。(これを「ウォータリーな味」と表現します)

この水分抜きフェーズで、強過ぎず弱過ぎずの風速で、強過ぎず弱過ぎずの火力で優しくカロリーを与え続けると、豆の表層から中心部まで均等に熱が伝わり続け、均等に水分が抜けていきます。つまり水分抜きと言いながら、豆が持っている水分を利用して、中心部まで熱を伝えることで均等な水分抜きが出来るのです。(表層だけ先にカリッとなるとそこの熱伝導率が下がり、中心部へ適正に熱が入らず、水分が抜けきらないことが起きます)

②デベロップフェーズを少し補足します

このフェーズは豆成分の化学変化が起きるフェーズです。焙煎の過程で疎かにできるフェーズはありませんが、豆の味が決定づけられると言う意味ではこのフェーズが一番キモかもしれません。この化学変化には大きなエネルギーを必要としますので、焙煎中は前後の火力より強い火力を与え、化学変化を促進させます。

最後に③ローストフェーズです

このフェーズも①フェーズより強い火力を与えます。この火力は、豆種毎に適正な火力が異なり、大雑把にいうと硬い豆は高め、軟い豆は低めの火力で追い込みます。「追い込みます」と、思わず表現しましたが、各豆毎に1℃単位で定めた窯出し温度(煎り止め温度)がありますので、そのタイミングの直前は窯の蓋を開けるレバーに手をかけながら、窯内温度を示すデジタル温度計を凝視し、今だ!というタイミングで蓋をグッと開け、豆をザーッと桶状の冷却器に放出します

以上、各フェーズごとに表層やけを気にしながら焙煎している様子を紹介させていただきました。表層やけは一旦それが起きてしまうと、その後の取り返しは効かず、全て出来上がる豆のネガティブな風味に結びついてしまいます

それだけに焙煎中はいっときも気が抜けない真剣勝負の時間です

そして今日も美味しい一杯のために、窯の前で向き合っています

 

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2025年12月2日火曜日

No.250_焙煎と排気


今回のテーマは、焙煎と排気です。少々マニアックなテーマですが、よろしかったらお付き合いください^^;

焙煎というと「豆を焼く」という表現がよく使われます。実際、火(熱源は都市ガス)を使いますが、“排気”によって熱のまわり方が変わる、とてもデリケートな工程です(これを乾熱調理といいます)

焙煎中、火力は頻繁に調整しますので、一番のキモと言えますが、排気も焙煎の両輪をなすものとして、とても重要です

排気の多寡は豆に加わる熱のバランスを左右し、結果として、豆の味(作り出される美味しさ、雑味がないこと、香りの立ち等)にも影響を与えます

排気量も調整しながら焙煎する手法もあるようですが、僕の場合、固定のままです。これは焙煎のブレにつながる要素を、できるだけ減らしたいからです

焙煎機のメカニズムは、つぶやきNo.233で「ドラム式洗濯機とサイクロン式掃除機を組み合わせた様なものです」と、おおよそお伝えしましたが、排気は煙突から自然に出ていくというよりは、「サイクロンで窯内暖気を吸い出す」といったイメージの方が近いかと思います

排気量の調整はこの“吸い出す役割”のサイクロンと窯を繋ぐ煙道(鉄パイプのイメージです)部分を絞り込んだり、解放することで行います(そこに排気量調整用の可動板(鉄板)が取り付いていて、それを深く差すと煙道が狭まり排気量が絞られ、逆に浅く抜くと煙道が広がり排気量を増やすことができる仕組みです)

僕が使用しているドイツのProbat社の焙煎機は、①熱風と、回転するドラム鉄板との②接触熱(鉄板焼きの食材のように金属に触れて伝わる熱)と、ドラムを覆っている鋳物(分厚い鉄)からの③輻射熱(赤外線ストーブでじんわり温まるような熱)の3種類の熱が複合された熱で焙煎を進めていきます

美味しい豆づくりには、この3種類の熱のバランスを毎回最適に保つことが欠かせません

このバランスを乱す一番の要因は、焙煎している部屋の温湿度です(間接的には春夏秋冬の外気温変化が影響します)

そして次に注意を払わなければならないのが、排気量です。前述の通り、排気量を固定しているのは、焙煎のブレの原因となるパラメータ(変数)を少しでも減らしたいとの思いからです。そしてそれがお客さまの「同じ味に出会える安心感」にもつながると思っています

つぶやきNo.169で「煙突掃除は、3ヶ月毎に行なっています」と記しましたが、これも煙道が狭まる→排気量が微妙に減る→窯に熱が籠る方向に振れるので、火力を下げる→上記①〜③の熱のバランスが崩れる→出来上がりの豆の風味がブレる...ということが起き得るので、それを避けるためルーティン化しているメンテナンスです

というわけで、今回は焙煎に微妙な影響を与える排気についてのお話でした^^


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