2025年11月25日火曜日

No.249_コーヒーは、難しくないですよ(^^)/(淹れ方編)


ご来店いただいたお客様から、「わたし、コーヒーのことあまり分からないんですが...」、「わたし、コーヒー、素人なんですが...」といったお話を時々、伺います

そんな時、僕としては、「いやいや、コーヒーは何も難しいものではありませんよ」とお伝えしつつ、お客さまが気になっていることには丁寧にお応えしたいと思っています

ご質問の内容は多岐にわたりますが、

①自分の好みを見つけたい

②より美味しく淹れたい

この2つが多いように感じます

①については、前回(No.248)で触れましたので、今回は②淹れ方に関するお話です

書籍、ネット記事、YouTubeなど、今は本当にたくさんの情報が出ています

そこでは豆の焙煎度に応じてとか/粉の挽き目/粉に挽く道具/淹れる道具/粉量と水量の重量比/水の質/注ぐ湯温/注ぎ方/注ぐ時間配分等々、さまざまな考え方があって、どれを選択してどう組み合わせれば良いのか迷ってしまいますね。これでは「コーヒーは難しいなぁ」となってしまうのも無理はありません

一方、僕自身はこれらとは少し別の視点を大切にしています

それは、

【コーヒーの美味しさの“土台”は、豆の作り手が作るもの】(そういう意味では、生豆の質を厳選すること、しっかり焙煎することは、豆作りを担っている僕自身の使命とも思っています)

だからこそ、「どうか安心して自由な淹れ方で楽しんでくださいね」との思いです

前述のメディアで語られている視点、「こうしたら美味しくなる」は、「豆そのものの質によっては淹れ方に工夫が必要になる」という側面を語っておられると思います

そのベースには、「コーヒー豆によっては、雑味が出やすいこともあるので、抽出を制御して美味しい方向に向かわせる」という意図が含まれています。例えば、豆の挽き方は粗い方が湯がさっと通り抜けて、抽出は弱くなります。同様に湯温は低くした方が抽出は弱くなります

この「雑味の抽出を抑えれば美味しくなりますよ」の考えは、その通りだと思います

一方で僕の視点は、少し別のところにあって、「雑味のない、美味しさだけが詰まった豆さえご提供できれば、雑味制御といったことは構わず、どんな淹れ方をしても幅広く美味しさを感じていただけるはず。そして更にその豆が本来持っている、且つ固有の美味しさをよりいっそう楽しむには、よりしっかり抽出される[粉挽き細かめ×熱湯]をぜひお試しください」との思いです。雑味抽出を気にする必要がない豆は、フレンチプレスや金属フィルターを使用すると、コーヒーオイルまで楽しむことが出来て更に◎です!

そういう意味ではコーヒーメーカーでスイッチポン!で、お気軽にコーヒーを楽しんでいただくというのもすごくイイと思います

というわけで、「コーヒーは、決して難しくはないですよ!」、どうぞ気軽に楽しんでくださいね!

その思いは以下、いつもの締めの言葉にもつながっています

 

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2025年11月18日火曜日

No.248_コーヒーは、難しくないですよ(^^)/(お好み選び編)


ご来店いただいたお客様から、「わたし、コーヒーのことあまり分からないんですが...」、「わたし、コーヒー、素人なんですが...」といったお話を時々、伺います

そんな時、僕としては、「いやいや、コーヒーは何も難しいものではありませんよ」とお伝えしつつ、お客さまが気になっていることには丁寧にお応えしたいと思っています

ご質問の内容は多岐にわたりますが、

①自分の好みを見つけたい

②より美味しく淹れたい

この2つが多いように感じます

①ですが、それには「高級である必要はありませんが、”雑味のない丁寧なつくりの豆”を続けて飲むことで、お好みは自然と育っていきますよ」が僕の応えです

ここで、ちょっと昔の僕自身30代(会社勤め時代)の体験をひとつ紹介します

当時、クライアントの方で絵画に造詣が深く、国内外の美術館に足げく通っておられた方に触発され、僕自身も美術館通いを始めました(この方は、つぶやきNo.126にも登場した方です)

初めのころは当たり前ですが、「絵は素人なので全く分からないですが...」の状態でした。とは言え、いくつもいくつも訪れていくうち、ルーブル美術館所蔵の時代に多い宗教画、神話画もいいけれど、そしてポンピドゥー・センターに所蔵されている1900年以降の現代アートもいいけれど、やっぱりオルセー美術館所蔵時代の印象派が好き!となっていきました。そして印象派の中でも、とりわけモネが大好き!と

絵の好き好きの話が始まると、「意義あり〜私は〜」と、始まってしまうかもしれません(笑)。でも、それでいい、それがいいって思います。それが“私の好み”ということなのですから

「質の良い...」と前述しましたが、この“質”というのはとても大切だと思います。例えにも出した美術展ですが、いわゆる“ホンモノ”を見続けてこそ、僕の好みも絞られていったと思います

コーヒーもお好みを見つけるには、是非 “質”の良いものを飲み続けて、お試しいただくことをお勧めします。絵画は視覚に依りますが、コーヒーは味覚(&嗅覚)に依るからです。素材(生豆)がチープだったり、焙煎が不十分な豆は、お好みを見つける以前に別の味を体験していることになるからです

いろどりこーひーの豆でお試しいただく場合、袋の色ごとに風味の傾向をゆるやかに分けていますので、どの色が自分好みかと探り始めて、その方向が見えてきたら、それぞれの豆で更なるお好みを探っていただくのがおすすめです(袋の色の詳述は、コチラ

絵でもコーヒーでも、なんでもそうですが、自身のお好みが見つかるというのはとてもご機嫌なことです

どうぞお気軽に、“あなたの好き”を探す旅を楽しんでください

おっと、この辺で紙幅が尽きてしまいました。上記②についてはまた次回、“淹れ方編”でお届けしますね

 

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2025年11月11日火曜日

No.247_パカマラ ナチュラルのご紹介


今回、いろどりこーひーで初めてお目見えする“パカマラ ナチュラル”をご紹介します

“パカマラ”というのは、コーヒー豆の品種名です。そして“ナチュラル”というのは、精製方法の名です。因みにナチュラル精製とは、果肉をつけたまま乾燥させる方法で、豆にフルーツのような甘味や香りがしっかり移るのが特徴です

このパカマラ ナチュラルは、グァテマラのエル・ミラドール農園で生産されました。このエル・ミラドール農園は、グァテマラの首都グァテマラシティからもほど近い、アカテナンゴ地域にあります。そこはアカテナンゴ山(標高3,976m)の麓に位置し、標高は1,500〜1,600m。昼夜の寒暖差がチェリーの成熟をゆっくり促し、糖度やフレーバーが濃縮された高品質のコーヒー豆を生産しています

因みにいろどりこーひーでは既にグァテマラの豆を扱っていますが、こちらはメキシコ国境に近いウエウエテナンゴ地域で生産されたウォッシュド精製の豆です

今回、豆の名を“パカマラ ナチュラル”とし、敢えてグァテマラの国名や農園名を前面に出さなかった理由ですが、その風味の特徴がグァテマラらしさ以上に、“パカマラらしさ(しかもナチュラル精製らしさ)”が強く感じられたためです

その“パカマラらしさ”を一言で表現すると、『やわらかな質感のフルーティさ』です

ここで少々専門的な話になりますが、パカマラ種について補足したいと思います

コーヒーの栽培品種のルーツはティピカ種に始まります。その突然変異種にブルボン種、マラゴジッペ種があり、ブルボン種からは更にパーカス種という突然変異種が生まれました。パカマラ種(Pacamara)は、パーカス種(Pacas)とマラゴジッペ種(Maragogipe)をエルサルバドルで1958年に人工交配によって開発した品種で、この両者の頭文字(PacaとMara)を取って、パカマラと名付けられました(世界のコーヒーには更に多くの突然変異種や人工交配種があります)

マラゴジッペ種の特徴は何といってもその豆の粒の大きさです。エレファント・ビーンズと呼ばれるほどで、フルーティな風味が魅力です。一方、樹高が高く生産性が低い、病気に弱いなどの弱点もあります。そこで風味もよく樹高が低く、病気や干ばつにも強いパーカス種と交配させることで、風味の魅力と栽培のしやすさを両立させたのがパカマラ種です

今回の写真はパカマラ ナチュラルと、比較のため、グァテマラ/ウエウエテナンゴを上下に対比させた写真を掲載しました。パカマラの豆がいかに大きいかがお分かりいただけると思います

さて、今回お目見えするいろどりこーひーの“パカマラ ナチュラル”の風味ですが、

『ピーチ、りんご、ブドウの風味がミックスされたような、やわらかなフルーティさ』が特徴です

僕自身も一口飲んで思わず「あ〜、美味しい!」と、幸せな気分になった美味しさです^ ^

生豆インポーターの方から提示されたサンプルをカッピング(試飲)した時、「これはぜひ、いろどりこーひーのお客さまにお届けしたい!」と仕入れを即決しました。その“やわらかで雑味のない果実感”が、いろどりこーひーの目指す“クリーンな味わい”と見事に重なったからです

さらに今回、このパカマラ ナチュラルの風味を引き立てるブレンドとして、グァテマラ・ウエウエテナンゴと配合した“パカマラ ブレンド”も同時にお届けいたします。

こちらはカマラの果実感をやわらかく感じられる、マイルドで華やかなブレンドです。ストレートのパカマラ ナチュラルで際立つ果実感を味わったあとに、このブレンドを口にすると、また異なる“やさしい余韻”を楽しんでいただけると思います

どうぞ、合わせてお楽しみください

 

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P.S.

・グァテマラ・ウエウエテナンゴのお話は、コチラ

・品種のお話は、コチラ

・精製方法のお話は、コチラ

2025年11月4日火曜日

No.246_コーヒー産地インドネシア 🇮🇩


今回のテーマは、コーヒー産地としてのインドネシアです

先ず、インドネシアという国ですが、“大体あの辺”と、ご存知かとは思いますが、フィリピン、ベトナム、マレーシアの南側、そしてオーストラリアから見るとその北側で赤道直下に位置します。“大体あの辺”というのも、それもそのはず1万7千以上の島から成り立っているそうで、東西の距離は、なんと5,100kmにも及ぶとのことです。そして人口は、2億8千万人超え、日本の2倍以上、世界第4位を誇ります

コーヒー産地としては、ブラジル、ベトナム、コロンビアに次ぐ、世界第4位の生産国です。インドネシア国内での割合は、スマトラ島が主要産地で国内生産の6割強を占め、次いでジャワ島1割強、他にスラウェシ島、バリ島でも生産されています

銘柄としては、スマトラ島のマンデリン、スラウェシ島のトラジャ(国内生産の2%程度)がよく知られています

ここからはいろどりこーひーでも扱っているマンデリンについて、もう少し掘り下げてみます

マンデリン(Mandheling)は、スマトラ島(北スマトラ、トバ湖南側のリントン・ニフタ周辺)で生産される高品質なアラビカ種コーヒーです。標高は1,400〜1,600mに位置し、昼夜の寒暖差が大きく、火山性の豊かなミネラル分を含む土壌も相まって、あのマンデリンの風味が育まれます。実はインドネシアで生産されるコーヒーの9割はカネフォラ種(ロブスタ種)で、アラビカ種の割合はほんの1割です。ちなみにこのマンデリンという名は、地名ではなく、この地域に暮らす先住民族“マンデリン族”の名に由来しています

マンデリンの魅力は、世界中のどの国のコーヒーにも無い、独特のボディ感と風味にあります。その風味はアーシー(Earthy)と表現されたりします。一方、このアーシーな風味を言葉の例えでお伝えするのは少々難しいです。大地っぽい、土っぽい、ハーバル(草)っぽい、木(Wood)ぽい...ただ、こう言われてもあまり美味しそうには聞こえないでしょうか...(苦笑)。少しだけ情緒的に表現すると「雨上がりの森のような落ち着いた香り、シルキーなマウスフィールと黒糖のような甘い余韻」いかがでしょうか?えっ?ますます分かりづらくなった?(^^;;

と、言うわけで、僕としては、是非是非、「一度体験してみて頂きたい!」が、偽らざる思いです。きっと「おっ!これがマンデリンか!」と感じていただけるはずです

このユニークな風味の秘密は、他の国では見られないインドネシア独自の精製方法が大きく寄与しています

その精製方法は、通称“スマトラ式”、他にはウエットハル(Wet Hulled:ハルは脱殻の意味)、又はギリング・バサ(Gilling Basah:インドネシア語で湿ったままの脱殻の意味)とも言われ、半乾き脱殻、再乾燥のプロセスがその特徴です

これはインドネシアの気候特性と小規模農園が多い条件下で、工夫、生み出された精製方法といえます。というのも赤道直下で熱帯多雨湿潤な気候のインドネシアでは、天日でじっくり乾燥させることが難しく、また小規模農園が多いので十分な乾燥スペースを確保したり、乾燥設備を持つことが困難なため、各農園では果肉をパルピング(剥いた)後、一日ほど水槽につけ(発酵を促し)、果肉を洗い流し、先ず一次乾燥させます。そして、水分量が30〜40%になったあたりで脱殻し、出荷します(通常の精製では12%程度まで乾燥させてから脱殻します)

その後、半乾きの生豆を集荷した中間処理業者が、二次乾燥を行い、12%程度まで乾燥させたのち、出荷(輸出)されます。小規模農園からすると迅速にコーヒー豆を市場へ出荷し、早めに現金化できるというメリットもあります。そう言う意味ではスマトラ式はコーヒー農家の方々の生活の知恵から生まれた精製方法ともいえます

インドネシアにオランダからコーヒーが伝搬したのは、1696年とのことですが、その後しばらくは他国同様、ナチュラル式(天日による自然乾燥)が行われていたようです。そして、精製方法でスマトラ式が普及し始めたのは、意外にも1970年代とのことですから、ほんの50数年前からのまだまだ“新しい伝統”といえます

ユニークなのは精製方法、風味だけではありません。生豆の見た目もとてもユニークです。一般的に生豆は白っぽいというか、薄いベージュ色をしていますが、マンデリンのそれは深い緑色です

以上、マンデリンを中心にコーヒー産地インドネシアをご紹介させて頂きました

マンデリンはシングルコーヒーとして多くの根強いファンがいらっしゃるとともに、その個性的な風味は、いろどりこーひーのブレンドづくりにおいても欠かせない存在です

まさに、いろどりこーひーに無くてはならないキャラクターです

 

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P.S.

・コーヒー産地 コロンビアエチオピア

・精製方法のお話は、コチラ

・アラビカ種、カネフォラ種のお話は、コチラ